不定期日記(2026)   ネタは随時募集しております。ぜひ御一報下さい。
99通期00通期 01前期01後期 02前期02後期 03前期03後期 04前期04後期 05前期05後期 06前期06後期 07前期07後期 08前期08後期 09前期09後期
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 日頃頂きましたメールには全てお返事を差し上げているつもりですが、万一「返事が来ない〜」等、
お急ぎの場合は遠慮無く電話でお申し付け下さい。
03-5452-5298 or 携帯へお願い致します。 
2026/01/13-15 IPEROP 2026 (Nagoya, Japan) *organizer, 参加
2026/02/25-28 ICEMCR 2026 (Herradura, Costa Rica) *oral, 参加
2026/05/18-20 HOPV26 (Uppsala, Sweden) *参加
2026/09/23-25 PSCO 2026 (Lausanne, Switzerland) *不参加
2026/10/**-** ISOS-17 (IPVF) (Paris, France) *参加
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2027/07/04-09 ICP TAIPEI 2027 (Taipei, Taiwan) *不参加

最終講義の御案内 瀬川 浩司 教授(広域科学専攻広域システム科学系) 
 演題:光エネルギー変換の学理と技術 
 日時:2026年3月11日(水)15:00〜17:00
 場所:会場:駒場1キャンパス 18号館ホール&オンライン(zoom) map 
  (会場の収容人数に限りがありますので必ず参加申し込みをお願いします)

【2026.2.24 移動日】

 コスタリカ、と言えば映画ジュラシックパークのロケ地になったことくらいしか頭に浮かばないのですが、とある国際会議でお招き頂いたので今から出かけます。人生初の中南米。

、、、のはずだったのが、いきなり成田空港で躓 いております。受付で搭乗券を発券してもらう段になって、「ESTA の取得はお済みでしょうか?」言われて、目が点になる私。

 旅程は確かにアメリカのヒューストン空港乗り継ぎですが、AI 情報によりますと「アメリカで国際便を乗り継ぐ(トランジット)場合、たとえ空港から出ない場合でもESTA(エスタ)の事前申請・取得は必須です」

ついでに「申請時期は、出発の72時間前までには完了させること」。やられた...

 フライトは例によって最安の United Airline を選んだのですが、ここまで事前情報無し。予定変更不可・キャンセル払い戻し不可です。

 どうする>私?

【2026.2.23 Google Notebook LM の御紹介】

 時流の AI 技術を活用して、私と中崎先生のHP約 15 年分を素材に Google
Notebook LM で整理したところ、上のようなスライドが出来上がったとのこと。実際
には 20 page ほどあるのですが、さわりの部分だけ御紹介致します。

 スライド 4 枚目、大阪・関西万博の画像で「白化」の部分は1ヶ所確認しただけなの
で、明らかにネガティブなミスリードですが、全体的に伝えたいメッセージは集約され
ていると思います。てゆうか、おまえは誰だ?(苦笑)

 実はこれ、上のような別バージョンもありまして、、、。

 峯元先生、このスライドを元に私が解説するという形で動画にする案、如何でしょう
か? AI、本当に凄いです (めちゃめちゃ笑いました)。

 A様、ネタ提供ありがとうございました。

【2026.2.20 YouTube動画の御紹介】

ペロブスカイト太陽電池中のキャパシタンスの発生原因【S28-06】 *Perovskite
  (2026年2月20日付 YouTube)

 最終回、取り消し。恐らくまだあと 1〜2 回あるかもです (済みません)。

 今回は格子のミスマッチとキャパシタンスの発生について解説します。シミュレーシ
ョンを得意とする理論屋さんとか、想像を働かせることは大切ですが、リアリティーを
無視して適当な概念図を描くのは危険を伴いますし、誤った結論を導きやすいです。

 即ち、イオンないし原子には決まった固有の大きさがあって、異なる結晶構造の中
でも大きく変わることはありません (程度問題ですが)。より分かりやすい言い方をす
れば、原子が伸び縮みなどしないという意味です。

 この観点から言いますと、原子座標を元に結晶を実サイズの Space Filling で作図し
ますと、各原子は驚くほど正確に最密充填で、隙間無く隣り合った結晶が描けます。

 経験上、これまで何十種類もの異なる組成の結晶構造を専用のソフトを用いて描い
たことがありますが、原子と原子の間に隙間があったり、あるいは丸い原子の球同士
が部分的に重なってめり込むような結晶は見たことがありません。

 逆に言えば、計算の末に隙間の出来た結晶の絵が最後に出てきた場合は、入力し
た数値 (原子座標やイオン半径、格子定数など) のいずれかが間違っていると判断で
きます。それくらい、結晶構造解析 Crystallography とは厳密で、誤魔化しの効かな
い世界です。

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 余談ですが、初めて Tetragonal の CH3NH3PbI3 ペロブスカイト結晶を作図した時、
ヨウ素原子間に隙間ができて非常に不思議に思いました。結果、Wikipedia に記載さ
れているヨウ素のイオン半径が間違っていることに気付きました。*今は修正されています

 一方、当時の日本語版の Wikipedia には正しい値が記載されていたのですが、今
確認したら、厳密な記載が無くなっていました。 *6 配位で 約 220pm(2.20Å)です
--------------------------------------------------------
 という長い前置きで、今更ですが、絶対にあり得ないのが上の作図。欧州で広く普
及してきたイオンマイグレーション教を信奉する人が今でも時折引き合いに出してい
ますが、周期律表の中でもほぼ最大級のイオン半径を持つヨウ素イオンが自由に動
き回る空間など、もともと存在しません。(続く)

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先週の動画について:

 後半、これまでほぼライフワークの一つとして取り上げてきたキャパシタンスと対極
をなすインダクタンスについて解説しています。交流インピーダンス測定でも間接的
に示唆されていましたが、恐らくほとんどの逆構造型ペロブスカイト太陽電池には、
理論上、大なり小なりインダクタンスが存在します。

 ということは、磁場を与えれば発電特性が変わるはず?です。ペロブスカイト太陽
電池の下にホール素子を置いて、発電挙動をオシロスコープでモニターすれば、磁
場の変化に基づく電流応答を観測できるのではないか、などと妄想は尽きないので
すが、残念ながら時間切れです。これ以上の追求は出来ません。sorry

 ちなみに私が知る限り、I-V ヒステリシスが逆転する理由をきちんと等価回路で再
現して見せた研究は、これが世界で初めてだと思います。

Simulation of current-voltage curves for inverted planar structure *Perovskite
  perovskite solar cells using equivalent circuit model with inductance
  (インダクタンスを含む等価回路モデルを用いた逆平面構造ペロブスカイト
   太陽電池の電流電圧曲線のシミュレーション)
  L. Cojocaru, S. Uchida, P.V.V. Jayaweera, S. Kaneko, Y. Toyoshima, J. Nakazaki, T. Kubo and H. Segawa
  (2017年1月13日付 Applied Physics Express, 10, 025701, 2017) DOI: 10.7567/APEX.10.025701

 自説に今一つ自信が持てなかった当時、ディスカッションを頂いた豊島安健先生
@AIST に改めて感謝申し上げます。

 一週間が早すぎる。

【2026.2.19 YouTube動画の御紹介】

Satochi Uchida - The differential Spectral Responsivity (DSR) technology for evaluation of OPV *Perovskite
  (2014年10月6日付 YouTube)

 YouTube 動画を見ていたら、偶然見つけました。2014 年に Barcelona, Spain で開
催された ISOS-7 国際会議で披露した私の講演で、直訳すると「OPV 評価のための
差分スペクトル応答 (DSR) 技術」。

 ここで言う OPV は有機系太陽電池全般を意味し、内容はいわゆる絶対分光感度法
(DSR) を紹介したものです。即ち、太陽電池などの光電変換素子の分光感度 (波長ご
との光を電気に換える能力) を光照射強度を変えながら繰り返し測定し、これにより
スペクトルミスマッチを最小化し、外部基準なしに効率を校正する手法です。

 元々はドイツで考案された技術で、日本のコニカミノルタが一般向けの評価装置を開
発、私が実際に色素増感太陽電池を提供して、その結果を持って国際会議で御紹介
したという流れです。

 太陽光発電の主役である結晶シリコンの場合は (一次・二次) 基準太陽電池が存在
し、これにより計測に伴う不確定さ uncertainty を正確に見積もることができるのです
が、ペロブスカイト太陽電池の場合は「基準ペロブスカイト太陽電池」というものが存在
しない
ため、このような手法を用いれば正確な変換効率を求められるという話。

 JEITA を中心に IEC TC113 の場で、今となってようやく! 11 年振りにこの DSR 法
が議論されるようになったのですが、既に既成事実となった MPPT 測定と一緒で、最
初に報告した人の話なんか誰も覚えていないですよね。 ha ha

 懐かしいね。てか、この時点ではまだ英語が下手すぎ。

【2026.2.18 論文の御紹介】

   

Face-to-face all-perovskite tandem solar cells *Perovskite
  using organic recombination layers
  (有機再結合層を用いた対面型オールペロブスカイトタンデム太陽電池)
  K. Ito , K. Tada, F. Awai, R. Ishikawa, S. Uchida, H. Segawa
  (2026年2月17日付 Chemistry Letters (2026)) DOI: 10.1093/chemle/upag030

 手前味噌の論文紹介です。今年 1 報目は Chem. Lett. から。この時期、急いで
査読頂いた審査員、並びに編集に当たられた先生方に感謝申し上げます。


 図が汚くて申し訳ありません。ライセンスが切れました>Photoshop

【2026.2.16 もう無理】

 「潮時」と言えば、この時期毎年来るのが各種学会の年会費。一つずつはそれほど
不条理とは思いませんが、日本化学会・電気化学会・・・ 積み重なると 6〜7 万円と
結構な負担になります。

 もう、辞めどきですかね。この先、ペロブスカイトで電気化学会にお世話になる機会
があるとも思えませんし。MRS はしばらく前に 1 年の猶予期間を過ぎて、会員資格
を失いました。現地からの詳細レポートをここで挙げる機会はもうありません。HOPV
、、、さようなら。

 今年は ECS で栄えある 250 周年記念の学会があるのですが、旅費の工面が出
来ず、お誘いを辞退させて頂きました。申し訳ございません。

 もっと深刻 (?) なのは、Adobe Photoshop。ある時期から Creative Cloud と称する
不要なソフト群を束ねて毎年更新のサブスクリプションになったわけですが、嫌な予
感は現実となりました。昨年生協価格で 3.6 万円/年だったものが、いきなり 5 万円
に跳ね上がりました。

 こっちも、もう無理。辞めどきですね。しばらく写真無しのHPにするかな...

 トホホ。

【2026.2.13 YouTube動画の御紹介】

ペロブスカイト太陽電池のキャパシタンスの実測【S28-05】 *Perovskite
  (2026年2月13日付 YouTube)

 あっという間のほぼ最終回?

 2016 年初頭には交流インピーダンス測定によりミリファラッド (mF) 級のキャパシ
タンスの存在が示唆されていましたが (厳密には面積の記述が無い・見当たらない
のでよく分からない)、測定周波数次第で値が変化することもあってか、数値の解釈
にまで踏み込んだ議論はありませんでした。

 今回は直流式の改良型蓄電容量評価装置 (Capacitor Analyzer VK-CA-1000,
SPD Lab. Inc.) を新たに用いて、ペロブスカイト太陽電池と言うよりはむしろ光キャ
パシタ
としての可能性を示唆する実測例を動画でお見せしています。

 ですが、残念なことにこの先はもう学生がいないので、このテーマで研究を続け
ることができません。そろそろ、潮時ですね>私。

 本装置、単にキャパシタンスの値を測ってくれるだけなのですが、理屈では各種
デバイスの劣化診断にも使えるはずです。特にペロブスカイト太陽電池など、最終
的に構造破壊に至るようなデバイスでは界面剥離などが起きがちで、この場合キャ
パシタンスは物理ギャップが広がることによって値が低下するはずと予測しています。

 一部、未公表データのためスライドにぼかしが多くて済みません。

【2026.2.10 来客にて】

 Dr. Amy Neild さん、Newcastle University@UK から。

 Welcome to Tokyo!

【2026.2.4 記事の御紹介】

庄内から致道館と酒田東参加 東北6県の高校生研究発表 酒田 SSH指定17校学び合う *DSC
  (2026年2月4日付 荘内日報社)

 報道は新潟の新聞社ですが、成果発表は仙台から。
・「仙台第一高校は「色素増感太陽電池の利用に適した色素の発見」のテーマで発表した。」
・「生徒たちは色素が光を吸収して発電する色素増感太陽電池に着目。」
・「ホウレンソウ、ビーツ、タマネギの皮、トマトの4種から抽出した色素溶液を使い(後略)」

 御紹介遅れて申し訳ありませんでした。

【2026.2.7 ZAO】

 瀬川研的には恐らく最後の学生になるでしょうか? 卒業を控えたこの時期、蔵王
温泉スキー場に行きました。最高です。もう、「満足」以外の言葉がありません。


 あれっ、よく見たら宮坂研も一緒!? (苦笑)  蔵王と言えば伝説の御勇姿 (2013)...

【2026.2.6 YouTube動画の御紹介】

ペロブスカイト太陽電池のキャパシタンスの存在場所の確認【S28-04】 *Perovskite
  (2026年1月9日付 YouTube)

 前回はペロブスカイト太陽電池デバイス内に「キャパシタンスが存在する」まで解説
しましたが、今回はそれが「どこにあるのか?」を説明します。と思ったら、あっという
間の 8:46 でした。

 前回の動画が飛び抜けてアクセス多いのはなぜなんでしょう?

 続く。

【2026.2.5 邂逅】

 修士学生の卒業発表会にて。本郷キャンパスをうろうろしていたら、「内田先生!」
突然呼び止められて、驚きました。

 瀬川研OGの、、、名前は伏せますが、こう見えて現役の経産省キャリア官僚です。
写真はOKということなので御紹介致します。
*J太郎日記にも転載希望だそうです。 :)

 母子共にお元気そうで何よりです。いいね、本当に良いですね!

【2026.2.3 (必見)記事の御紹介】

<駒場をあとに> 桜と銀杏 *DSC, Perovskite
  (2026年2月3日付 東京大学/教養学部報)

 「令和 7 年度退職教員の紹介」はこちら

【2026.1.31 YouTube動画の御紹介】

ペロブスカイト太陽電池のヒステリシスの説明【S28-03】 *Perovskite
  (2026年1月31日付 YouTube)

 やばいやばい、HP更新をサボっていたら1週遅れになってしまいました。動画でも
解説していますが、何かと性能評価がしずらい不安定なペロブスカイト太陽電池の
場合、「不安定」の中身を混同して議論されているケースが、ままあります。

 時間に対して効率が下がる現象は本質的な劣化によるものですが、I-V 測定で往
路と復路が一致しないヒステリシスは(主要因が)キャパシタンスによるもので、測定
条件や方法に起因する不備ではありません。 
*厳密には、(理論上、無限に)限りなくゆっくり電圧を掃引すれば一致しますが、その間に加熱や分解などの
 別な問題が起きがちです。


 即ち、デバイスそのものが有する物理的で再現可能な特性に他なりません。よりは
っきり言えば、このような容量性の太陽電池では I-V 測定で効率を正しく測ることは
出来ません。

 太陽電池が世に出てから半世紀以上、発電特性(=エネルギー変換効率)を評価
する手段は I-V 測定と決まっており、この御作法が世界中で認知されてきたわけで
すが、それでは評価出来ない新しい太陽電池が出現したことをいち早く認識し、この
ため 2016 年に台湾で開催された IEC/TC82 の会議で我々 MPPT 測定を提案しま
した。

--------------------
 振り返って今、当初は偏見に満ち満ちて拒否反応が強かった欧米も、公的評価機
関でもこの測定方法が採用されるに至り感慨ひとしおですが、まだまだ課題は山積
しております。

 と言いますのも、同じ「MPPT」を謳うソフトや装置であっても中身はピンキリで、デキ
の悪い MPPT ソフトでは測定が安定するまでに数時間も要するケースがままありま
す。これゆえ、問題があるのはソフトの方なのに「太陽電池の性能が安定しない (→
太陽電池の出来が悪い)」など、話のすり替えが起きたりしています。

 更に状況が不味いのは、国際標準化活動の場において、太陽電池の発電特性が
安定するまで「安定化処理が必要」などど、あらぬ方向へ議論が進みつつあります。


 これ、反対が少なければ、今年度中には日豪提案による国際規格として盛り込ま
れる予定です。もしこれが実現しますと、工業的に日々大量生産されるセル性能を
測るのに、毎回数時間掛けて安定化処理をする必要があります。

 また MPPT の定義も微妙で、酷いものですと単に I-V 測定で数値が高く出た
Reverse スキャンの点だけを繋げて MPPT (最後の T は Tracking ではなく Tracing
だそうです) と主張する詐欺まがいの商品まであります。

 一方、我々 10 年来使用している PV Power Analyzer (SPD 製) では、通常 10〜
30 秒程度、長くとも数分以内に安定したトラッキングモードに入り、追尾が出来ます。

 このような差異が何によるものかも、原因をほぼ把握しており、最近では SPD vs
A社 vs B社の MPPT で、収束の度合いや迷走状態がどれだけ差があるのかを定量
的に評価したデータも出始めております。結果、驚くほど差が見られます。

 要は、同じ「山登り法 Perturb and Observe (摂動と観察)」アルゴリズムを用いたとし
ても、単にこれをプログラム化しただけでは実際のデバイス評価に資する製品にはな
らないという話。そのうちいつか、詳細を公開出来たらと思います。

 本当に歯がゆいです > NTT AE さん、早く発表して下さい。

【2026.1.16 講演会の御紹介】

International Webinar Series, “Global Connect: Ceramics & Beyond... *DSC, Perovskite
  (2026年1月16日付 10th lecture/InCerS)

 インドセラミックス協会 InCerS のお招きで、英語で 1 時間の web 講演を行いまし
た (過去形)。大好評? :)


 済みません、自分用の記録メモです。

【2026.1.29 記事の御紹介】

金価格3万円超え ドル安受け急騰 わずか4か月で1万円超上昇 *Au
  (2026年1月29日付 日テレ NEWS)

 今日は金 Au のお話。遂にグラム当たり 3 万円を越えました。そう言えば昨年末に
横浜の大桟橋で視察したペクセルのセルですが、裏から覗くと対極が金色をしていた
ことを思い出しました。

 仮にもしこれが全面 Au だとして、我々の場合 30cm 角の試作セルでは蒸着操作 1
回当たり 0.6g の金を使用しますので、1m2 では \200,000/m2 掛かる計算になります。

 少し前のニュースを参考にしますと 30cm 角のデモセルが 162 枚設置されていまし
たので、1 枚当たり \18,000×162=\2,916,000、金の使用総重量は約 97g ほどにな
ります。(ただの推定です)

--------------------
 日頃講演会では宮坂先生が「フィルム太陽電池の方がガラスより安い」主張されて
いるので、ついでに検証してみました。試算では「Perovskite/plastic」の材料コストは
\6,000/m2 とのこと。

[Perovskite/plastic]
 ちなみに積水化学の 2025年度開発目標が \275/W で、効率を η=15% と仮定す
ると、面積当たりのコストは上の試算の約 3 倍 \18,333/m2 に相当します。ですが、
到底目標には及ばない (もっと高い) と想像します。

[Perovskite/glass]
 ちなみに中国におけるガラス系ペロブスカイト太陽電池の入札価格はネットで度々
公開されており、過去には Top 4 社が平均約 \37/W で落札しています。

[Silicon]
 シリコン太陽電池の市場取引価格が \10〜20/W ですので、繰り返しになりますが
ガラス系ペロブスカイト太陽電池の単価がその約 2 倍、フィルム型ペロブスカイト太
陽電池に至っては、更にその(ガラス系の) 5〜10 倍というのがリアルな実情だと思
います。
 
Perovskite/plastic
Perovskite/glass
Silicon
¥/W 275(FY2025目標) 37(China) 10〜20
¥/m2 18,333(η=15%) 2,056(η=18%) 500〜1,000(η=20%)
 現状は Silicon < Perovskite/glass << Perovskite/plastic の関係(真逆ですね)。
 このような食い違いが生じる理由ですが、製造原価=販売価格でないことは確か
ですが、そもそも生産量と規模が桁違いに差があるのが大きいです。

 更に言えば、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の場合、1 枚で \5,000/m2 以上
する高価な太陽電池グレードのバリアフィルムが追加で必要になりますから、ガラ
ス型ペロブスカイト太陽電池より安くなることはありません。

 ないない、あり得ない。 :)

【2026.1.23 YouTube動画の御紹介】

ペロブスカイト太陽電池のキャパシタンスモデルの提唱【S28-02】 *Perovskite
  (2026年1月23日付 YouTube)

 話が前後しますが、先週末に第二弾が公開されました。動画はよくまとまっているの
ですが、積もる思いは語り尽くせないです。前回、「歴史的和解」について触れました
が、以下に説明致します。
 IPEROP26 (名古屋) の 2 日目、午後一番の講演で本学会 NanoGe 創設者でもある
Juan Bisquart 教授が久しぶりに講演を行いました。題して「Insight to perovskite solar
cell hysteresis, time constants and degradation from the impedance and transient
response(インピーダンスと過渡応答からペロブスカイト太陽電池のヒステリシス、時
定数、劣化についての考察)」。

 本HPを昔から見て頂いた方なら覚えてらっしゃるかもしれませんが、ヒステリシスの
発生事由について、真っ向勝負です。先方、イオンマイグレーション説の信奉者。欧
州の覇者であります。

 対して私の方、過去には NanoGe 主催の HOPV 会議で、初日一番目の基調講演で
Bisquart 氏が発表を行ったその直ぐ後に手を挙げて、質問したことがあります。

 「(I-V 測定時に) イオンが動き回ると主張するそのイオンとは、一体何を指すのか?
(内田)」と問い詰めるのがお約束の、向こうにしてみれば鬱陶しい?間柄でした。
 がしかし!今回、いざ講演が始まると開口一番に「ヒステリシスはイオンの動きとは
関係が無い
」。自分の耳を疑いました。更に、次に示されたスライドには 「Regular
hysterisis is Capacitive hysterisis (通常のヒステリシスは容量性ヒステリシスである)」
とあります。

 いやいやいやいや、それ、我々が 10 年前から主張している答えですから!

 更に意外だったのは、名古屋の学会を終えて空港に移動する前に時間があるので、
我々を訪問して直近の成果を披露したいとの申し出。無論、welcom でございます。

 というわけで、瀬川研訪問 2 回目でしょうか?結局、我々サイドに異論は無くなった
ので、説明を聞くまでもなく。逆に、我々直近の取り組みである AgBiS2 (ABS) の結果
をお見せすることに相成りました。

 今までのピリついたやり取りは一体何だったのでしょうか?

【2026.1.28 コンバーテック2026】

 K藤様、ありがとうございました。

【2026.1.27 RATOミーティング】

 有機系太陽電池技術研究組合の技術委員会&GXミーティング。加盟社数がいつの
間にか 33 に増えていて、ちょっと驚き。

 途中、ボヤ騒ぎでキャンパスが大騒ぎになるも、大したこと無かった模様。

 夜の懇親会で「(あの!)内田先生ですか?」「ホームページ見てます」声を掛けられ
て、恥ずかしい思いをする。自業自得。(汗)

----------
樹脂製のフィルム型ペロブスカイト太陽電池について:

 言われてみれば確かにアリかも?思ったのですが、厚めのフッ素系樹脂 (ETFE,
Cytop等) を塗るなりフィルムを上に貼るなどすれば、難燃性を高めて耐火試験をクリ
ヤできるかもしれません。

 あるいは Solliance 社のように窒化ケイ素のようなセラミックスをコーティングするとか。
いずれにせよコストは相当跳ね上がりますね。やっぱり、あり得ない。

 そのうち、いつかN崎先生を御紹介したいと思います。 :)

【2026.1.24 台湾出張(epilogue)】

 「八田與一(はったよいち)」を検索すると重要指名手配犯が出てきますが、過去の
偉人を貶めるための偽名でしょうか? 写真は同姓同名で台湾に縁の深い八田與一
先生です。

 日本人でも知る人は少ないと思いますが、今から約 115 年前に東京大学を卒業し
て台湾に赴任し、治水と農業方面で多大な貢献をされました。

 ネットでは腰を下ろした銅像がハイライトされがちですが、実はその真後ろにお墓
がありまして、私が訪問した時にはお酒とお水、お花が手向けられていました。

 これ、偶然ではなく、恐らく普段から地元台湾の方々に敬愛されてきたんだと思い
ます。同じ日本人として、非常に有り難い話です。
 ちなみにまだ一度も台湾を訪れたことの無い方向けに御説明致しますが、町中の至
る所に、日本がかつて統治時代に作った建物、銀行や百貨店などがまだ残されてい
ます。中を綺麗に改装して、今も大事に使われています。

 上の写真は新竹駅で、どことなく東京駅にも似た雰囲気があります。
 また、より奥地の田舎に行きますと、田んぼの隅っこに古い郷土史館(旧公民館)が
あったりするのですが、興味で中に入りますと、当時のおかっぱ頭の女の子の白黒
写真がそのまま、愛らしい解説付きで飾られていて驚いたことがあります。

 シンガポールにも似て、吉野家・松屋・ファミリーマート・セブンイレブンなど大概のチ
ェーン店がありますし、新幹線駅には大抵モスバーガーがあるのですが、メニューの
裏には日本語が書かれています。

 誤解を恐れずに一言で表すならば、「良い方の中国」。*相性の話です :)

米国に対抗できるのも日本のおかげ、憎しみの扇動は国賊行為 *ODA
  (2026年1月25日付 Record China)

 一方、同じように (あるいはそれ以上に) 処してきた中国と韓国ですが、上の記事に
ある通り。


 そろそろ本当に縁を切っても良いのではないかと。

【2026.1.23 台湾出張 Day3】

 北へ、南へ。台灣汽電共生股份有限公司 (TCC) の取り計らいによるフロート式太陽
光発電現場の視察に行きました。

 以下に仕様と設置に伴うイロイロを列挙致します。
・総発電量 13.7MW, 台湾最大

・パネル 36,000 枚, 効率η=23%, 0.05%/年で劣化, 運用は 3 年, メーカーはセル
 も含めて台湾 (MOTEC) 製

・パネル設置のフレームはアルミ製, フロートは韓国製で専用デザイン, 材料を
 揃えて後、設置に 8 ヶ月, 年に 1 回パネル表面を清掃, 台風被害無し

・設置費用は 6 億台湾ドル(=約 30 億円), 70% を銀行から借りた, 金利は 2.5%

・付近に天敵の鷹とトンビが生息しているため、鳥糞による被害が少ない, 湖の
 水深は 13m

 正直、行くまでは「日本でも施工例、多数あるし」「だから何?(浮いてるだけでしょ)」
くらいにしか思っていなかったのですが、いざ実際に現場に足を運んで、自分の見て
肌で感じた印象はかなり感動モノでした。

 スケールの大きさといい、過酷な自然と対峙する姿といい、私の稚拙な文章では言
い表せないです。陳 (Chen) 社長、貴重な体験をさせて頂き、大変ありがとうございま
した。


 明日帰国します。

【2026.1.22 台湾出張 Day2】

 色素増感あるいはペロブスカイト太陽電池に携わる人なら、一度はお世話になった
ことがあるはずの LUMTEC さんを訪問しました。

 フラーレン系 ETM 及び Spiro-OMeTAD 系 HTM の打ち合わせ。


 清華大学出身の副社長、なかなかのイケメンです。 :)

【2026.1.21 台湾出張 Day1】

 朝 5:00 に起きて羽田から松山空港(台湾)に着き、更に新幹線で新竹市へ移動して
夕方、国立清華大学へ到着。

   着いて早々、研究の打ち合わせ。Science 的にかなり充実した議論ができました。
それはそうと、なぜ Kim さん (Dr. Kim Gyu Min) がここに? :)


--------------------
 先日の BiLight 社ですが、私がコメントした 「フィルムとそれに関わる技術協力は日
本のT社」を訂正致します (済みません、これからの参入希望予定だそうです)。

 なお、同じく日本の総合化成メーカーのソマール株式会社が既に若干の出資をして
いるとのこと。凄い目利きがいるんですね。

 また上の動画ですが、日本の有名アウトドア総合メーカーM社とタイアップされてい
るとのこと。試作品は重さが約 1 kg ですが、今後は更に軽量化したいようです。

 セル構造と作製プロセス、材料に関しても教えて頂きましたが、気になる方は直接
Wei 先生にお問い合わせ下さい(たぶん、丁寧に教えてくれるはず)。


 長い1日でした。

【2026.1.16 YouTube動画の御紹介】

ペロブスカイト太陽電池の電流-電圧特性のヒステリシス【S28-01】 *Perovskite
  (2026年1月16日付 YouTube)

 この後、ペロブスカイト太陽電池におけるキャパシタンスと I-V ヒステリシスについ
て説明が入るわけですが、実は先週の IPEROP26 国際会議にて歴史的な和解?が
ありました。

 続く。

【2026.1.15 IPEROP26 Day3】

 怒濤のフィナーレ。

【2026.1.14 IPEROP26 Day2】

 効率η=27.7% で、さりげなく世界最高記録を主張する Nam-Gyu。
 BiLight 社のデモ品ですが、会社案内によりますと、メチルアミン(MA) もしくはアンモ
ニアガスによる平滑化処理を行っていると思われます。

 いわゆる既存の中国製プラスチックフィルム型ペロブスカイト太陽電池と違って、バ
リアフィルムの上に直接成膜しているのが特徴で、このため基材は手触りがゴムに近
く、高い屈曲性があります。

 これ、なあに? :)

【2026.1.13 IPEROP26 Day1】



The Asia-Pacific International Conference on Perovskite, Organic Photovoltaics
  and Optoelectronics (IPEROP26) *Perovskite, OPV, DSC
  (ペロブスカイト、有機太陽電池、オプトエレクトロニクスに関するアジア太平洋国際会議)
  (2026年1月13-15日 名古屋大学豊田講堂)
 名古屋大学の豊田講堂にて。折に触れ「(この学会) 内田君、なぁんにもしてないで
しょ?」言われておりますが、その通り!

 話が長くなるので割愛しますが、なぜか会議のオーガナイザーに顔を連ねており
ます。

 大人の事情です。

【2026.1.9 YouTube動画の御紹介】

【S28予告編】ペロブスカイト太陽電池とキャパシタンス【東大・内田聡×峯元】 *Perovskite
  (2026年1月9日付 YouTube)

 「チャン・チャン・チャン ...」年明け早々、峯元先生の太陽光発電大学チャンネル
内田先生の解説が再開されました。今回は 5 分間の予告編 (概要) です。

 前回同様、通算 2 時間近い収録を小分けにしてお送り致しますが、慣れたことも
あって、専門でない方にも分かりやすい説明が出来たのではないかと思います。

 本年再び、機会を頂きました峯元先生に深く感謝致します! :)

【2026.1.7 記事の御紹介】

BiLight、CES2026で大成功!柔軟ペロブスカイト太陽光が世界を驚かせ、 *Perovskite
  多分野パートナーとエネルギー革新の時代を開く
  (2026年1月10日付 PR Newswire)
ペロブスカイト技術の革新が業界を震撼!光翼イノベーションズ、 *Perovskite
  CES 2026 に 3 種類の破壊的製品を発表
  〜住宅・商業・アウトドアエネルギー生態系を転換
  (2026年1月7日付 共同通信 PRWIRE)

従来の太陽光発電を変革する: *Perovskite
  Lightwingのイノベーションがフレキシブルペロブスカイト技術の革命をリード
  (2025年12月28日付 中国日報)

 先日動画を御紹介した、巻き取り式のペロブスカイト太陽電池フィルムです。コンシ
ューマー・エレクトロニクス・ショー (CES, USA) にてデモセルを公開。

 BiLight 社の創設者 CEO は明確に国立清華大学 (台湾) 出の方ですが、優遇措置
があるためオフィスと工場は中国広東省の工業団地にあるようです。
QCC Code: QCNVKVG7N1

 記事にはありませんが、フィルムとそれに関わる技術協力は日本のT社であることを直接関係者から聞いております。

【2026.1.7 お大事に】

 いやいや、来なくて良いですし。全然無理されなくて結構です。と、boss もおっしゃっ
ております。


 アイコンが痛々しい。

【2026.1.5 仕事始め】

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。私の方、年末
は帰省もせずに、ダラダラと自堕落な日々を過ごしておりました。

 そう言えば一昨年、「効率で世界記録を狙います」と大口を叩いたその後ですが、グ
ループ内では自己評価でη=27%, JET 認証値でも 25% 後半が出ています(2 年前な
ら世界記録です)。

 がしかし、昨年 1 年の間にペロブスカイト太陽電池の効率は更に上がり、26% 超え
の論文が 10 報近く出され、目標は更に先へ進んでしまいました。

 今年はペロブスカイトもさることながら、引き続き AgBiS2 太陽電池の高効率化にも
注力したいと思います。こちらの目標値はη=15% です。乞う御期待!

 写真は年末の蔵王です。