不定期日記(2024) ネタは随時募集しております。ぜひ御一報下さい。
日頃頂きましたメールには全てお返事を差し上げているつもりですが、万一「返事が来ない〜」等、
お急ぎの場合は遠慮無く電話でお申し付け下さい。03-5452-5298
or 携帯へお願い致します。
2025/01/15, 16 2025AGEM (Tainan, Taiwan) *keynote invited, 参加
2025/01/20-21 IPEROP25 (Kyoto, Japan) *invited, 参加
2025/12/15-20 Pacifichem2025 (Hawaii, USA) *参加
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【2025.2.25 来客にて】
フランスのフランス国立科学研究センター CNRS より Research Professor の Dr.
Lionel Buchaillot 及び Director of the CNRS Tokyo Office の Dr. Jacques Maleval
氏にお越し頂きました。
5 分じゃ無理。 :)
【2025.2.23 天皇誕生日】
やり残した仕事が山積しているのですが、ひとまず気分転換させて頂きます。モウシ
ワケナイ。
いつもの。筋肉痛。 :)
【2025.2.19 PVEXPO】
なんだかんだで年に 5〜6 回は足を運ぶ東京ビッグサイト。今回は珍しく太陽電池
展単独で看板が出ています。全盛期には及ばないものの、まぁまぁの盛り上がり。
----- [UtmoLight / 中国] --------------------
ガラス製 600mm X 1,200mm モジュールと業界最大の 1,223mm X 2,308mm モジュ
ールを展示。前者は 150MW の生産ラインを、後者は 1GW の生産ラインを既に構築
済み。ここまで知識としては知っていましたが、実際に横に並びますと、とんでもなく
大きいことが実感できます。このサイズになりますと、運搬時に私の研究所のエレベ
ーターには入りませんね (凄げー)。
ガラス基板ということもあって、パッと見には塗布ムラや欠陥も無く、普通に製品とし
ての体裁は整っているように見受けました。それよりも感心したのはブースの説明員
の応対が非常に丁寧で、「日本の市場を席巻してやろう」的な邪悪な雰囲気は微塵も
ありませんでした。
余裕のなせる技でしょうか? 300mm 角のフレキシブルタイプのモジュールは誰でも
触れる状態で、ついでのように展示されており、またこれらを製造する生産ラインの構
築支援と設備一式の販売も行っているとのこと。
現在技術者を募集しているそうなので、中国からの留学生など就職がまだ決まって
いない方はぜひお問い合わせ下さい。
----- [GCL / 中国] --------------------
会社名は正確には「GCL Perovskite」で、シリコン太陽電池パネルの製造販売を主
業とする GCL グループの一つです。今回は敢えてペロブスカイト太陽電池だけに焦
点を当てて出展。
G5 世代のガラス製 1,000mm X 2,000mm モジュール (安定化効率 19.04%) と、同じく
1,000mm X 2,000mm の高効率タンデムモジュール (安定化効率 26.36% @1.71m2) を
展示。
下地の単結晶 c-Si パネルは GCL グループから調達。将来的に上層のペロブスカ
イト太陽電池の劣化による取り替えを見越して 4 端子接続です。最新の 10 inch シリ
コン単結晶モジュールを工業的に生産している会社ならではの説得力ある提案です。
対案として Oxford PV などアカデミック色の強い一部の企業では 2 端子型タンデム
セルを開発していますが、現状は試作段階で止まっており、投資家向けのサービスと
言っては恐縮ですが、、、現実性の乏しいミスコンセプトだと思います。
GCL 社の製造現場は現在江蘇省蘇州市の昆山 (クンシャン) 市にあり、100MW ライ
ンでペロブスカイト太陽電池モジュールを生産中ですが、近々 1 月以内に近くへ移動
し、工場を更にスケールアップして 1GW の生産を目指すとのこと。
また研究開発はシンガポールで行っており、1 日当たり最大 300 セルを試験評価し、
なおかつ AI を駆使して性能向上に努めているそうです。
----- [台湾ペロブスカイト研究産業協会 TPRIA / 台湾] --------------------
透過率 15% のシースルー型を展示。昨年より大きなアップデートは無し。配布カタロ
グも無し。いけいけの中国勢に水をあけられた感じ。
----- [倉元製作所 / 日本?] --------------------
中国から日本へ帰化した新社長の下、主要株主も中国人という微妙な立ち位置に
あって、最近ペロブスカイト太陽電池に取り組まれた模様。あいにく詳細を伺うことが
出来ませんでした。展示は基本的にフィルムタイプ、製造は UtmoLight / 中国 と思
われ。将来的に製造ラインとノウハウも UtmoLight から提供されるのでしょうか?
時間の都合で、これ以上見れませんでした。各ブース訪問毎に無駄なおしゃべりしてた私が悪いんですが。 (反省)
【2025.2.18 JEITAにて】
堀内先生から御講演を頂きました。写真のセルはエネコートテクノロジーズ社製。
会議全体の趣旨は「IoT向けエネルギーハーベスティング(→微弱電流の回収)」で、
かつ「標準化セミナー(→国際規格化について)」だったのですが、予想を超えて皆レ
ベルが高く、充実した講演会でした。
フィルムデバイス>逆構造、ガラスデバイス>順構造ですかね? :)
【2025.2.12 JENESYS2024 台湾】
外務省主催の「日本ASEAN学生会議 JENESYS2024」の一環として、台湾から 25 名
の学生さんが来られました。1 時間の講義と、更に 1 時間の研究室見学を実施致しま
した。
なぜ私が?という話もあるのですが、昨年、国際会議で私の講演を覚えていて下さ
った先生から御指名を頂きました。
大盛況。 :)
【2025.2.12 記事の御紹介】
■株式会社環境フレンドリーホールディングス *Perovskite
杭州衆能光電科技有限公司との業務提携に向けた基本合意書
(2025年2月12日付 日本経済新聞)
■エースネットワークス株式会社 *Perovskite
第23回 SMART ENERGY WEEK【春】 / 第6回 GX経営 WEEK【春】に出展
(2025年2月12日付 NIKKEI COMPASS)
どちらも中国系。
【2025.2.11 記事の御紹介】
OPV の記事 2 件御紹介します。効率が 10% 付近で伸び悩み、一時期は「死んだ
(OPV is dead)」とさえ言われていた有機薄膜太陽電池ですが、ホール輸送層を脱フ
ラーレン化し、見事に復活を遂げました。
ただし手放しで喜べる状況ではなく、このホール輸送層 (p-型ポリマー) が尋常じゃ
ないほど高価です。一例として PBDB-T-2F(PM6) 100mg \110,000、P4T2F-HD
100mg \83,600、PBDB-T 100mg \\75,500、PTB7-Th(PBDTTT-EFT) 100mg \103,000、
PTB7 100mg \79,800 などなど、以上 Aldrich 調べです。
最近金が高騰したと言っても今日の値段で 15,719 円/g (=\1571.9/100mg) ですか
ら、その 50〜70 倍もする狂気の材料競争となっています。
■中国の有機薄膜太陽電池メーカー、事業化に向けて量産体制の準備急ぐ *OPV
(2025年2月11日付 36Kr Japan)
■ペロブスカイトに強力ライバル、有機薄膜が単接合変換効率20%超え *OPV
(2025年2月7日付 Nikkei Business Publications)
追光科技社はスロットダイ方式ですね。 :)
【2025.2.11 ソラフィルとは?】
もしかして秘密情報?なのかもしれませんが、公知なので御紹介。特許庁HPを
辿って「SOLAFIL」の商標登録を調べますと、あの会社が出てきます。
区分は「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,太陽電池,太陽
光発電パネル(以下略)」。
曰く「ちゃんと登録しました」「問題無い、大丈夫」とのお話でしたが、海外ではイギ
リスの会社が一字一句全て同じ名前で「SOLAFIL」という歯科治療用充填剤を製造
販売していますので、将来製品を輸出する際には色々と問題が起きることが予想さ
れます。
乞う御期待?
【2025.2.10 講演会のお知らせ】
JEITA のセミナーです。講師 4 人目にエネコートテクノロジーズ取締役/最高技術
責任者の堀内保先生をお招きして「エネコートの作るペロブスカイト太陽電池「どこで
も電源」について」という御講演を頂きます。
こうしたイベント、通常は CEO の加藤代表が務めることが多いのですが、技術的な
内容に踏み込んでお話を聞ける?珍しい機会だと思います。オンライン聴講は制限
ありませんが、対面参加の場合は会場の都合で 40 名に限られますので、お早めに
お申し込み下さい。
■IoT向けエネルギーハーベスティングの
動向と標準化セミナー *Perovskite
主 催: 一般社団法人 電子情報技術産業協会
日 時: 2025年2月18日(火) 13:30〜17:45
参加費: 3,000 円(資料代・消費税含む
場 所: 子情報技術産業協会402会議室
東京都千代田区大手町 1-1-3 大手センタービル4階 map
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乞う御期待。
【2025.1.31 取材です】
テレビ東京。
【2025.1.30 RENEWABLE ENERGY 2025】
■第19回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム
お分かり頂けましたでしょうか? 日に当てなくても壊れる太陽電池??
エネコートテクノロジーズのフィルム状ペロブスカイト太陽電池。NEDO ブースの一
角に、鉄道模型と一緒にライトに照らされた 30cm 超のモジュールが展示されてい
たのですが、緑色のトップ層 (の下でしょうか?) が見事に全面まだら模様に変色し
ている様子が観察されました。
昨日に続き、フィルム状ペロブスカイト太陽電池の開発現状を垣間見た思いです。
これ、製品になるんでしょうか?
【2025.1.30 積水化学のモジュールを見学に行きました】
■東京都との港湾施設における国内最大規模のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の検証について *Perovskite
(2024年5月24日付 積水化学工業株式会社/ニュース)
お分かり頂けましたでしょうか? 日に当てると壊れる太陽電池??
ちょうど今日、東京ビッグサイトにて会議があったため、帰りがけに東京国際クルー
ズターミナルへ立ち寄ってみました。積水化学工業のペロブスカイト太陽電池モジュー
ル。ぱっと見にはまずまず良さそうに見えますが、近くに寄りますと、18 パネル中少な
くとも 5 枚はストライプの一部に白化 (ブリーチング) が観察されます。
*直列接続の場合、面内に一ヶ所でも不良セルがあるとモジュール全体がほとんど
発電しなくなる恐れがあります。最悪の場合、ここがホットスポットになって火事に
なる恐れもあります。
更に目を凝らしてよく見ますと、フィルム表面の汚れに隠れていますが、斑 (まだら)
状の黄変がかなりの面積に広がっています。
実証試験の場所は、ほぼ西向きの垂直設置。日陰部分は目視で損傷は見当たりま
せんが、日が差す側に置いたパネルは何らかしらの不具合を抱えています。これ、ま
だ 1 年も経っていませんよね?
かかる状況は日夜ペロブスカイト太陽電池研究に取り組んでいる我々からすれば、
ほぼ「予想通り」で意外性は無いのですが、ありのままに「10年の耐久性を目指す」の
ではなく、「
業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認」と平気で言ってのけるところ
が関西のノリなんでしょうか?
国は本事業にこれから 1,000 億円以上の資金を投入するわけですから、もし仮に嘘
を付いて補助金を得たとすれば、いずれ罰が当たると思います。
いや、ほんとに。
【2025.1.30 記事の御紹介】
■積水化学工業、ペロブスカイトの量産化へ新会社 *Perovskite
(2025年1月30日付 Housing Tribune)
■総額3145億円を投資 積水化学が「曲がる太陽電池」を事業化へ *Perovskite
(2025年1月28日付 財界オンライン)
■積水化学が「1GWペロブスカイト太陽電池工場」、技術者の確保もカギ *Perovskite
(2025年1月9日付 日経BP)
お疲れ様です。 :)
【2025.1.28 中国製? or 日本製?】
情報の点と点が繋がって、朧気ながら全貌が見えてきました。今日取り上げるのは
株式会社 SILFINE JAPAN (シルファインジャパン)。薄型単結晶シリコンを用いたフレ
キシブルソーラーパネルを販売しているのですが、『「軽い・薄い・曲がる」というペロブ
スカイトライクな特徴を実現した』とある通り、ペロブスカイト太陽電池を意識した PR
をされています。
ホームページを拝見しますと、会社名に JAPAN を冠するものの『年産1.5GW規模の
海外製造工場とのタイアップにより誕生した日本国内の「ファブレスフレキシブルソー
ラーパネルメーカー」です』とある通り、製造は恐らく中国です。
また本会社、住所地は福岡の新宮 (しんぐう) で、ごく普通の住宅街の一角にあり、
工場ではなく事務所だけが置かれているものと思われます。
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前置きが長くなりましたが、先日中国製フレキシブル型ペロブスカイト太陽電池の日
本進出のリークネタを披露しましたが、事業開始の予定地が「新宮」なのも偶然では
無いと思われます。即ち、実際に日本への投資は行わずに、出先の販売拠点だけを
置き「国内メーカーとして日本市場に最適な製品を設計/提供」するのではないかと予
想します。
ちなみに本会社、主要取引先の筆頭が中国 UtmoLight 製ペロブスカイト太陽電池
の輸入販売を手掛ける丸紅エネブルというところも符合します。
この先、こうした微妙な「日本メーカー製(海外OEM生産)」ペロブスカイト太陽電池
が着々と増えていくものと思われます。
X(旧twitter)あります。
【2025.1.24 来客にて】
ペロブスカイト太陽電池の蒸着で有名な Henk Bolink 先生です。
IPEROP の帰りにお立ち寄り頂きました (ありがとうございます)。
【2025.1.21 IPEROP25 Day2】
幹事役の伊藤先生、若宮先生、大北先生、大変お疲れ様でした。
【2025.1.20 IPEROP25 Day1】
初日基調講演は Kovalenko, Maksym からの量子ドットペロブスカイト材料の安定
性と発行特性他。続く Chueh, Chu-Chen (C-C-C) 教授は 2D ペロブスカイト材料に
関するマシンガントーク。ここまで、どちらも太陽電池特性に関する情報はなし。
朝一の聴講者は実数で 90 人弱。→最終的に 120 人程度へ。
【2025.1.16 ペロブスカイト太陽電池モジュールの御紹介2】
先日、昨年末に御紹介した中国製フレキシブル型ペロブスカイト太陽電池の続報が
飛び込んできました。開発は順調に進んでいるようで、これと同じものが今年 5 月か
ら福岡工場で量産される予定です。*噂情報です
そもそも論として、製造はともかく「一体誰が買うのか?」問題があるわけですが、そ
れを差し置いても、いずれ価格面で日本より圧倒的に安い (中国製?) フィルム状ペ
ロブスカイト太陽電池が市中に出回ることを思いますと、再エネの「切り札」「救世主」
と持てはやされる昨今の日本の取り組みは、むしろ「風前の灯火」に見えてしまうのは
私だけでしょうか?
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絵に描いたような「井の中の蛙」状態。
【2025.1.17 AGEM2005 Day2】
写真右下の台南駅(臺南火車站)は 1900 年に着工し、1908 年に開業しました。現
在の駅舎は 1936 年 (今から 89 年前) に完成した 2 代目で、国の文化財「国定古蹟」
に指定されています。 by Search Labs | AI による概要
今日の午後台北に移動して一泊し、明日朝のフライトで帰国します。
【2025.1.16 AGEM2005 Day1】
■Advanced Green-Energy Materials Conference *DSC, Perovskite
(先進グリーンエネルギー材料会議)
(2025年1月16日 Tainan, Taiwan)
ホテルも会場もエアコン (冷房) 掛かってるんですが… :)
【2025.1.15 移動日】
飛行機→電車→電車(新幹線)→電車→徒歩→ホテル
【2025.1.8 論文の御紹介】
■Inorganic CsSnI3 Perovskite Solar Cells with an Efficiency above 13.6% *Perovskite
with Varied Stoichiometries and Morphologies Stressed at Various Condit
(効率13.6%以上の無機 CsSnI3ペロブスカイト太陽電池)
Ha. Yu, Z. Zhang, H. Dong, X. Li, Z. Liu, J. Huang, Y. Fu, Y. Shen and M. Wang
(2023年11月14日付 ACS Energy Lett. 2024, 9, 12, 5870-5878) DOI: 10.1021/acsenergylett.4c02742
こちらは鉛フリーの CsSnI3 ペロブスカイト太陽電池で効率 13.6% を記録した論文。
先に御紹介した AgBiS2 10.2% 論文と同じグループで、武漢大学の Mingkui Wang 教授
からの報告です。
金属錫や錫の無機化合物自身に毒性はありませんが、かつての水俣病がそうであ
るように「有機水銀は使っていません」「製造工程上、有機水銀はできません」と言って
水銀廃液を海に垂れ流し続け、とてつもない環境汚染と健康被害をもたらしたことから
しますと、鉛を錫に置き換えたところで安全と言い切るのはかなり問題あると思われます。
*「水俣病の原因究明 (環境省)」は、結構読み応えのある解説です。
もともとこうした錫/鉛混合系のペロブスカイト太陽電池はタンデムデバイスにおける
バンドチューニング技術として早瀬先生が提案されたものであり、毒性を緩和するのが
目的では無かったのですが、勘違いしている先生がいることも確かです。
いずれにせよ、初期効率はともかく、耐久性 (特に耐酸素、耐湿度) に問題があるこ
とは従来通り。
鉛ペロブスカイト太陽電池よりはマシですが...
【2025.1.6 仕事始め】
年末に公開すべきか逡巡したのですが、時代の歩みを止めることはできず、いずれ
明らかになる話なのでここで初めて披露致します。世間の注目はペロブスカイト太陽
電池ですが、かつ我々も日々全力でこのテーマに取り組んでいるわけですが、それと
平行する形で次に来るであろう太陽電池を模索しています。強いて言うなら「次世代
ペロブスカイト型太陽電池」。組成は AgBiS2 (cubic) で、略して「ABS」と呼んでいます。
驚くべきはそのポテンシャルで、短絡電流密度が 31 mA cm−2 を超えます (1200
nm まで光吸収があり、かつ電荷分離が出来ています)。現在世界最高効率のペロブ
スカイト太陽電池でも 26 mA −2 止まりなので、残る課題は電圧、即ちこの材料と組
み合わせるホールコンダクタの探索ということになります。
この化合物ですが、2013 年という比較的最近、量子ドットを用いた ABS 太陽電池
が効率 0.53% という報告がなされたのを始まりとして、長らく数 % 台で停滞していた
のですが、昨年 7 月に突然 10% を超えた値が中国から発表されました。
日本での取り組みは、当時宮坂研ポスドクの Ajay 氏が手掛け、これを引き継ぐ形
で昨年 Cojocaru 氏が溶液法を確立しました。両名とも、今は瀬川研の准教授として
活躍しています。かつ、彼らが唯一だと思います。
*3/26 日本化学会春の年会で披露されますので、お楽しみに 訂正:同日、先約の別会議日程と重複のためキャンセルとなりました (残念)
■Solution-Crystalized AgBiS2 Films for Solar Cells Generating *Perovskite
a Photo-Current Density Over 31 mA cm−2
(31 mA cm−2 を超える光電流密度を生成する溶液結晶化法による AgBiS2 太陽電池)
L. Cojocaru, A.K. Jena, M. Yamamiya, Y. Numata, M. Ikegami and T. Miyasaka
(2024年5月15日付 Advanced Science) DOI: 10.1002/advs.202406998
そうこうしているうちに、10 月にはスペインのグループが更に効率を上げて 10.8% と
いう報告をしてきました。(1) 鉛フリーで (2) 抜群の耐久性を有し (水に濡れても問題
なし)、(3) 印刷で製造可能 (かつグローブボックスやドライルーム不要) ということで、
俄然期待が高まります。
デバイス 1 m2 当たり 0.2g と僅かですが銀 Ag が含まれるのも利点で、使用済みと
なって廃棄される時には必ずこれを回収・リサイクルする動機付けにもなります。
今年中には間違い無く 11% を超えるでしょうし、12, 13, ... と続いて 15% を超えるよう
でしたら、多くの課題と問題を抱える今のペロブスカイト太陽電池の代替となることも
夢ではありません。 *ChatGPT による解説はこちら
色素増感太陽電池の出現から 34 年、ペロブスカイト太陽電池が効率二桁を記録
してから 13 年、技術の世代交代は着々と進んでいます。
いいね!
【2025.1.6 続・お正月】
■雪、雪、雪…弘前も記録的な大雪に *Snow
(2025年1月4日付 web東奥)
■JR東日本、奥羽本線の大館〜弘前駅間で運転見合わせ 大雪の影響で当面の間 *Snow
(2025年1月5日付 RAB青森放送)
■苦情・要望1,800件以上…桜の名所・弘前公園が倒木などで大部分“立ち入り *Snow
禁止”に 1月の観測史上最大積雪も観測した青森県弘前市
(2025年1月6日付 RAB青森放送)
私の実家の弘前は記録的な大雪のため、正月から一週間経過した今日になっても
まだ JR 線 (奥羽本線) が動かず、陸の孤島状態に。
降雪量 (気象庁調べ) は年を追うごとに少しずつ増しており、我が家では FF 式ファ
ンヒーターの排気管が埋もれないよう、高さを 1.5 m ほど嵩上げしていました。
昨年はロンドンでも 11月に雪が降り始めましたし、「地球温暖化」って一体何の話?
【2025.1.1 お正月】
そう言えば今年の干支は私と同じ巳年でした。TVを付けたら新年早々ペロブスカイ
トが話題に取り上げられていました。どちらも「あああ」。
皆様、よいお年を!