不定期日記(2001)前期(1〜6月)
【講演会情報 2001.6.29】
しばらく前からメニューに「講演会・学会」という項目を追加したのですが、更新しました。来月北九州で開かれる電子情報通信学会です。結構、中身が濃いです。
少し前、人づてに聞いてはいたのですが、早瀬先生は東芝から九工大に移られたのですね。南野隆二(のうのりゅうじ)ガンバレ!(笑) 引用してくれてありがとう。
-----------------------------------------------------------------------------
電子情報通信学会 有機エレクトロニクス研究会
(OME)
専門委員長 松重和美 副委員長 勝部昭明
幹事 小野田光宣・佐藤正春
日時 平成13年7月26日(木)10:00-17:00
場所 北九州市若松区ひびきの 産学連携センター
議題 有機エレクトロニクス材料・デバイス
1. 導電性高分子、ポリチオフェンによるソフトアクチュエータ
○渕脇正樹, 金藤敬一(九工大)
2. トロポノイド液晶・ゲル
森 章 (九大)
3. 有機単分子膜のCs→ C∞v相転移現象と変位電流の解析
○渡嶋 淳, 日吉良平, 間中 孝彰, 岩本光正(東工大)
4.
ケルビンプローブ法による導電性高分子/電極界面の電子状態の検討
○堀 圭児, 多田和也, 小野田光宣(姫路工大)
5. <Invited Talk>
Recent development of plastic solar cells」
○Dieter Meissner, Niyazi Serdar Sariciftci and Christoph J. Brabec
(Johannes Kepler Univ. Linz. Austria)
6. 疑固体色素増感太陽電池
早瀬修二(九工大)
7. オープンセルを目指した色素増感型太陽電池
○南野隆二, 古川昌司(九工大)
-----------------------------------------------------------------------------
【特許出願人 2001.6.28】
色素増感型太陽電池関連特許出願人別ランキング
2001.6.25 公開分まで
合ってます?
【分光感度 2001.6.27】
5/16 に分光計器(株)さんでお世話になった時、こちらが持ち込んだセルを
CEP-2000
分光感度測定装置で測定した結果です。使用したセルは標準的な材料で構成した効率
2.6%、FF 0.57、電極面積 1 cm2
のものです。*基板抵抗が大きいので 5
mm 角なら 5%
は確実に出るものです
グラフ
以下、文語調で解説(間違っていたらごめんよう):
太陽電池、特にアモルファスシリコン系の分光感度測定では
AC
モードでチョッピングされた光に対する電流の周波数応答を電圧の変えながらロックインアンプで検出して行うのが通常である。この時、セル抵抗の影響も反映されることが知られており、色素増感太陽電池ではどのような周波数を選択するべきか評価方法がまだ確立していない。そこで各種装置パラメータを変えて結果を比較した(Fig.
3)。
シリコン系では数百 Hz
のレンジに渡って変化がないが、色素増感型では 10 Hz
でも大きな出力(JSC)の減少が確認され、半分程度になった(2→1→4)。照射光強度の違いでは
0.25 mW×m-2 で 4.8 mA×m-2、2.5
mW×m-2 で 6.1 mA×m-2
とそれほど影響を受けないことが分かった(3 vs
2)。白色光バイアスをかけて測定した場合は、そうでない時と比べてやや大きめの値が出ている(6
vs 1)。
【特許情報 2001.6.26】
特許情報更新しました。と言いますか、漏れチェックしました。新たな?メーカーが多少追加されています。御指摘いただいた藤田様、ありがとうございました。
今日までに調べが着いた「色素増感太陽電池」関連特許総数は
209
です。ここ数年で急激に伸びてきた件数ですが、やや頭打ちになりつつあるように思います。
昭57 |
昭60 |
平01 |
平05 |
平06 |
平07 |
平08 |
平09 |
平10 |
平11 |
平12 |
平13 |
2 |
1 |
1 |
1 |
2 |
4 |
7 |
7 |
14 |
41 |
86 |
(43) |
先週末に NEDO
より「革新的次世代太陽光発電システム技術研究開発」のテーマ決定が公表されました。御当選おめでとうございます。色素系はわずか3件だったんですね。よく見ると「富士写真フイルム」さんも「東芝」さんも「出光興産」さんも名前が見あたらない、ということは手を挙げなかったんですね? 研 究 開 発 テ ー マ 提 案 者 めっきプリカーサを用いたCuInS2
薄膜太陽電池の研究開発 新光電気工業株式会社 ナノ構造制御シリコン太陽電池の研究開発 独立行政法人産業技術総合研究所、九州大学大学院システム情報科学研究院、凸版印刷株式会社、スタンレー電気株式会社、日本板硝子株式会社 ミクロ分散的組成分布を持ったSiGe
多結晶をベースにした新しい太陽電池の研究開発 東北大学金属材料研究所 完全固体型色素増感太陽電池の開発 東京大学大学院工学系研究科、財団法人地球環境産業技術研究機構 Cat‐ CVD
法による低価格太陽電池製造技術の研究開発 北陸先端科学技術大学院大学、大阪大学大学院基礎工学研究科、大阪大学産業科学研究所、岐阜大学大学院工学研究科 シート型ベータ鉄シリサイド(β‐
FeSi2 )太陽電池の製作に関する研究開発 システム技研株式会社、独立行政法人産業技術総合研究所 超高光閉じ込め型薄膜シリコン太陽電池の研究開発 旭硝子株式会社 シリコン系太陽電池技術研究開発(MCSB
太陽電池の技術研究開発) 株式会社クリーンベンチャー21 低コストで高性能な色素増感太陽電池技術の研究開発 独立行政法人産業技術総合研究所、住友大阪セメント株式会社、古河機械金属株式会社、株式会社林原生物化学研究所、シャープ株式会社
つい先日、ご多分に漏れず NEDO
も名指しで業務内容の見直し→合理化が指摘されていましたので、最後の大盤振る舞いだったかもしれません。
【最適酸化チタンペーストへの道(24)
2001.6.22】
いよいよ最終回。ここまでの話を要約します。
(1)
良く分散したナノサイズの酸化チタンペーストは粘度が低い
(2) これを解決するため増粘剤を検討した
しかしながら PEG #20,000
では(実験室的には全く問題ないですが)量産化を考えた場合、あるいは更なる厚膜化をはかりたいといった場合には粘度がまだ不足するという第2の壁に当たりました。
ではどうしたら良いか?来週25日発売予定のエコインダストリーという雑誌に「色素増感太陽電池の量産化に向けた課題と基礎技術」(第6巻
第7号
ページ5〜16)と題して寄稿しましたので、参考にしていただけると幸いです。
エコインダストリー
B5判・66頁
(1996年7月創刊)
毎月25日発行
年間購読料 本体45,000円+税
編集・発行/株式会社シーエムシー
ふー、退屈な話が続いてすみませんでした。残りのデータはほとぼりが冷めた頃にまた改めて出そうと思います。御静聴ありがとうございました。
【最適酸化チタンペーストへの道(23)
2001.6.21】
PEG #20,000 に関してはこうした問題がなく、420℃ 程度で綺麗に
100% 揮発してくれます(Fig.15)。
ところで、仮に PEG #20,000
を用いたとして、一般的なスクリーン印刷に必要な 10,000 cP
を得ようとするといったいどれくらい添加しなければならないでしょうか?ということで調べたのが次の結果です(Fig.16)。ペーストの粘度は
PEG の添加量にほぼ比例して増加しますが、酸化チタン/水の固液比を
30wt% と限った条件においては、PEG の添加は1,400 wt% vs
TiO2
というとんでもない量が必要になることが分かります。まずいです。続く
あ〜a、つまんないの。NEDO
不採用。ヒヤリングがない時点で先月から分かってはいたんですが。十年間ブレークスルーがないのに、何で実績を重んじるわけ〜?>
NEDO などどと負け惜しみを言いたくなる気持ちを抑えつつ、やっぱりしょうがないよなぁ。“開発事業”って感じじゃなかったしな。何とかして
15% くらい出さないと。。。
【最適酸化チタンペーストへの道(22)
2001.6.20】
加熱しても残留分があることです。PVA
を例にとりますと、500℃の加熱でも 3wt%
ほど“燃え残り”があることが分かりました(Fig.14)。
こうした“燃え残り”は酸化チタン粒子の表面に被膜のような形で存在して電子の通りを妨げるため、量が僅かであっても非常に都合が悪いです。PVP
でも同様の結果が得られました。続く
昨夜の NEWS23 に「金持ち父さん貧乏父さん」で有名なロバート・キヨサキ氏が出ていました。この本を読んだ時に、自分がそれまでしてきたことは間違っていなかったと確信しましたね。この年で?8年も前から投資活動してますもん。今20代でこれから社会に出る人、あるいは出立ての人、いずれ資産運用は避けて通れない問題になるはずです。誰も未来の自分を救ってくれないよん。
【最適酸化チタンペーストへの道(21)
2001.6.19】
増粘剤には PEG
の他にもいろいろな有機ポリマーが候補としてあげられます。PVA (Poly
vinyl alcohol)、PVP (Poly vinyl pyroridinon)
についても検討しました(Fig.13)。
これらは 1/10 量、即ち 4 wt% vs TiO2 の添加でも PEG
#20,000
に匹敵する高い増粘効果が得られます。しかしながら致命的な問題点が1つ。続く
【最適酸化チタンペーストへの道(20)
2001.6.18】
Fig. 12 に平均分子量の異なる各種 PEG
(Poly ethylene glycol)
を、酸化チタン/水ペーストに添加した時の粘度の違いを示します。酸化チタン量は
30wt%、PEG の添加量は酸化チタンに対して 40 wt% で一定です。
予想と意図に反して #200〜#4,000 までは #500 と #2000 を除いて PEG
の添加により粘度が減少しました。逆に #20,000 では約 2
倍に増加することが分かりました。続く
【学校で出来る
2001.6.15】
BBS
で話題が出ていたので、代わりと言ってはなんですがHPを1つ紹介させていただきます。「学校で出来る色素増感太陽電池」と題して酸化チタン膜の作り方も含めて電池の作製過程が詳しく説明されています。恐らく今年2月後半にできたページだと思います(間違ってたらごめんなさい)。作者は大阪大学の伊藤省吾先生・柳田研です。
そうそう、写真を見るとちゃんとゴム手袋をしてるんですよね。どこぞのU助手のやり方を見習ってはイケません。(汗)
昨夜は純国産ロケット H-II
の開発ドキュメンタリーを見ました。技術者にとって一番大事なものは何か?「意地だ。必ず作り上げるという意地だ」。メインエンジン
LE-7
の開発は度重なる燃焼実験の失敗(爆発!)、不慮の死亡事故を乗り越えて達成されました。ん〜、いつかロケット打ち上げの瞬間を現場で見てみたい。人生変わりそう。
感傷から覚めてふと思った。NHKがこの番組につけたタイトルは「男達の夢、天空に飛ぶ」。 男、、、だけ?
【講演会 2001.6.14】
灯台下暗し。来月初め、多元研(旧素材研)で講演会があるそうな。今をときめく富士写真フィルム(株)の宮坂力氏です。タダで講演が聴けます(ありがたい)。そう言えばホスト役の杉本先生は同社から教授へ転任されてきたんでしたっけ。質問、代理で受け付けます(笑)。
特別講演会「電気化学における光応答電極材料」
富士写真フィルム株式会社足柄研究所主任研究員 工学博士 宮 坂 力
氏
日時:7月6日(金)午後3時〜5時
場所:東北大学多元物質科学研究所素材工学研究棟第一講義室(1号館3階)
をを〜、小泉首相からメールが来ましたよ。例の小泉内閣メールマガジンです。[らいおんはーと
〜
小泉総理のメッセージ]、[大臣のほんねとーく]等々、結構イケてます。
【STA 2001.6.13】
先日オーストラリアの Sustainable Technologies Australia Limited
(STA)
社より「Titania DSC
Technology(チタニア色素太陽電池技術)」という CD-ROM
が届きました(って、自分で注文したんだけど)。いかにもお手製という感じで、中に
PDF ファイルが1つだけ入っています。全44 ページ、ファイル作成日は
2001/5/11
になっていました。図はやや汚いですが、製造設備の写真は結構参考になります。スクリーン印刷機やレーザー線引き?(scribing)装置やベルト型の加熱炉などなど。送料税金込みでオーストラリアドルで
$51。
そういえばこの会社、今年5/2に華々しく色素増感太陽電池生産工場の落成式を開いたようです。開発には1200
万ドルの資金と 7
年の歳月を注ぎ込んだそうで。
意外と元気で一安心。
【最適酸化チタンペーストへの道(19)
2001.6.12】
ネタが切れたら穴埋めに書こうと思っていたんですけどね。気がついたら二ヶ月ぶりでした。話が飛びすぎてわけが分からん状態と思いますが、続けます。概要としては
(1)
ナノサイズの酸化チタンを水溶液に添加すると pH が急上昇する
(2) 上昇した pH が等電点近傍にあると凝集を起こしてしまう
(3) 高い分散を維持するためには pH
をうんと低く保つ必要がある
といった話になります。しかしながら、このような高い分散状態のペーストでは粘度が低く、厚膜を作るには向かないというジレンマを抱えることになります。
ではどうするか?手っ取り早くはポリエチレングリコール(PEG)等の増粘剤を添加すると良さそうです。濃厚剤、Thickener
としての PEG の添加には
(1)
粘度を高める だけでなく、
(2) 焼き物の釉薬と同じような役目で膜の付着強度を増す
(3) 加熱蒸散することで多孔質な酸化チタン膜を形成する
といった複数の利点があると考えられています。ここでは増粘効果のみに注目して調査を行いました。続く。
聡一郎、気管支炎で入院。今頃何やってっかな。。。
【出場予定 2001.6.11】
ちょっと先の話になりますが、こちらの学会発表出場予定です(太陽電池関連のみ)。
(1) 日本セラミックス協会 第14回秋季シンポジウム
9月26日〜28日、東京(東京工業大学・大岡山)
【講演題目】色素増感太陽電池に向けた酸化チタンペーストのレオロジーと最適化の検討
【発表者】○内田 聡・殷 シュウ・佐藤次雄、東北大多元研
【概要】色素増感太陽電池研究の国内外における研究開発の現況を分析すると、実用デバイスとして製品化するために必要とされるものは更なるエネルギー変換効率の向上だけでなく、量産化に向けた基礎技術の開発が挙げられる。本研究では
Rheology
の観点から、より均一に分散した酸化チタンペーストができるための諸条件を検討し、色素増感太陽電池の酸化チタン電極成膜に向けて最適化をはかった。
【テーマ・コード】「B.環境・エネルギー問題とセラミックス材料の新展開」(3)エネルギー関連材料:B30
【講演題目】ナノサイズ酸化チタン粉末の水熱処理と光電極への応用
【発表者】○冨羽 美帆・内田 聡・殷 シュウ・佐藤次雄、東北大多元研
【テーマ・コード】「B.環境・エネルギー問題とセラミックス材料の新展開」(3)エネルギー関連材料:B30
(2) 日本化学会第 80秋季年会
9月20日(木)〜9月23日(日)、千葉市(千葉大学・西千葉キャンパス)*内田は参加しません
【講演題目】メソ- マイクロ-
多孔性二酸化チタン電極の作製と電気化学特性
【発表者】○柏木 由行・内田 聡・殷 シュウ・佐藤次雄、東北大多元研
(3) 電気化学会
2001年電気化学秋季大会
9月20日(木)〜9月21日(金)、東京(東京理科大学)
【講演題目】1〜2件、思案中
【発表者】○内田 聡・殷 シュウ・佐藤次雄
“知ってるつもり?”で紹介された「米百俵」の話、感動しました。目先の利益に囚われて誇りを失うな、人材育成が大事だというお話ですね。うちの、、、$なんか食うに困ってるでもなし、会議費水増し&カラ出張しまくり
> 最低
大阪小学校児童に黙祷(悲)
【DASHC成形法 2001.6.8】
最近見つけたサイト。
■新タイプの太陽電池の製造概要
■新タイプの太陽光発電システムの概要
結構、勇ましいことが書かれていますが、とりあえずは“技術を確立中”ということで。。。
【シャープ技報
2001.6.7】
「色素増感太陽電池の現状と展望」シャープ技報
No.11 通巻79号(2001年4月)
差し障りのない範囲での総説のような報告です。むしろ、関心がある?ということの方が意義深いかも。“むすび”として「〜様々の改良研究が行われたが、シリコン系太陽電池に対抗するには、さらに技術改良を行う必要がある。」とあります。ごもっとも。
【dye バンド計算
2001.6.6】
前からできることは分かっていたのですが手をつけていなかった
Ru
色素のバンド計算を始めました。使用マシンは SGI 社の Power
Challange XL、CPU は MIPS R8000(90 MHz)×12 processor
という構成で、今となってはすっかり年代物です。しかしながらソフト(CASTEP
v4.2)も OS(IRIX 5.6)も並列計算に最適化されていることと、メモリーと
CPU 間のデータのやり取りが桁違いに速いので、昨今の GHz
マシンよりは速いです。
CASTEP
ですが、擬似的なクラスター計算ではなく結晶専用なので精度の高いピシッとした答えが出ます、いや、出るはず。計算がいつ終了するかは不明。予想二週間くらい。イオン化ポテンシャルの測定値と照らし合わせて、電子移動が議論できたら良いなと思っています。
(1)
Ru(4,4'-(COOH)2-2,2'-bpy)2(NCS)2
の第一ブリユアンゾーン
(2) セルを Primitive に変換した時の第一ブリユアンゾーン(←計算時間を短縮するため)。
図中の黄色い点線に沿ってバンド計算を進めます。中心はガンマΓ点。青い点線はおなじみ、結晶学的な単位格子です。
Task |
Single Point Energy |
Method |
GGA-PW91 |
Basis Set |
Medium |
Band No. |
468!(価電子帯の軌道数) |
特許情報を更新しました。新たに追加というよりは、収録漏れを追加と言った方がいいかと思います。今現在、知り得た範囲で引っ掛かった件数は以下の通り。
昭57 |
昭60 |
平01 |
平05 |
平06 |
平07 |
平08 |
平09 |
平10 |
平11 |
平12 |
平13 |
2 |
1 |
1 |
1 |
2 |
4 |
7 |
7 |
14 |
41 |
79 |
(33) |
改めて驚かされました。研究者なら皆さん御存知かと思いますが、サイテーションインデックスというのがあります。自分の論文が他人の論文に何回引用されたかという1つの指標なんですが、M.グレッツェル教授の
1991 年の論文は 2001.5.31 の時点でなんと
891 回!
というか、そもそも科学雑誌のヒエラルキーの頂点に立つ?“ネーチャー(イギリス)”への掲載回数が
11
回!!なんか、教授5人分くらいの仕事っぷりって感じですね。そのくせアメリカ側の頂点に立つ?“サイエンス”には掲載回数が
0 回。
以下、驚異の調査結果を御覧あれ。
年 |
タイトル |
引用回数 |
2001 |
Materials science - Ultrafast colour displays |
0 |
2000 |
From space to earth: The story of solar electricity |
0 |
1998 |
Solid-state dye-sensitized mesoporous TiO2 solar cells with high photon-to-electron conversion efficiencies |
88 |
1993 |
BIOCATALYSIS - CHARGE OF THE LIGHT BRIGADE |
1 |
1991 |
A LOW-COST, HIGH-EFFICIENCY SOLAR-CELL BASED ON DYE-SENSITIZED COLLOIDAL TIO2 FILMS |
891 |
1991 |
CLUSTER PHYSICS - ALL SURFACE AND NO BULK |
6 |
1989 |
SEMICONDUCTOR CLUSTERS - GETTING SMALLER BY DESIGN |
10 |
1987 |
METHANATION AND PHOTO-METHANATION OF CARBON-DIOXIDE AT ROOM-TEMPERATURE AND ATMOSPHERIC-PRESSURE |
62 |
1984 |
MICROWAVE PROBING OF ELECTRONIC PROCESSES IN SMALL PARTICLE SUSPENSIONS |
25 |
1981 |
PHOTOCHEMICAL CLEAVAGE OF WATER BY PHOTOCATALYSIS |
181 |
1979 |
HYDROGEN EVOLUTION FROM WATER INDUCED BY VISIBLE-LIGHT MEDIATED BY REDOX CATALYSIS |
105 |
いよいよあの男が学会デビューします。 |
ん〜、いいですね。表紙の色も Ru
色素の色そのままって感じで雰囲気が出ています。厚みはちょうど New
iBook くらい、いやいや、2.5 cm
ほどのしっかりした装丁です。
中身はですね、えーと(パラパラめくりながら)、「グレッツェル・セル登場以前の色素増感太陽電池の研究」と題して松村道雄先生が寄稿されています。グレッツェルが
1991
年にイギリスの科学雑誌ネーチャーに論文を載せた時、文中に名前が引用されていた先生ですね。日本語で読めるので嬉しいです。
少し変わった所として「特許編」というのもありますね。絵がたくさんあって面白いです。話が前後してしまいますが、荒川先生の「グレッツェル・セル作製の実際」と題して詳細なレポートがありますので、これから新たに挑戦される方には必須の本かと思います。
バカ面して写っているのは私です。言わずもがな。
【ハ○○○○ 2001.5.30】
事情により削除。えー、、、その気になればなんとか入手できると思います。(汗)
【特許紹介 2001.5.29】
ちょっとおもしろそうな特許があったので紹介致します。意味深でしょ?
【発明の名称】光電変換素子及びその製造方法
【公開番号】特開2001−110462
【出願人】日立マクセル株式会社
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、一方の面上に金属酸化物半導体層が被着された電極と、この電極の前記金属酸化物半導体層と対峙する対電極と、該電極の前記金属酸化物半導体層と対電極との間に配置された電解質層とを有する光電変換素子において、前記金属酸化物半導体層を構成する個々の金属酸化物半導体粒子の表面に増感色素が担持されていることを特徴とする光電変換素子。
【請求項2】 少なくとも、一方の面上に増感色素担持金属酸化物半導体層が被着された電極と、この電極の前記金属酸化物半導体層と対峙する対電極と、該電極の前記金属酸化物半導体層と対電極との間に配置された電解質層とを有する光電変換素子の製造方法において、前記増感色素担持金属酸化物半導体層は、前記電極を有する基板を、金属ハロゲン化物錯体と、増感色素と、ハロゲン化物イオンのスカベンジャーとを有する水溶液中に浸漬し、取り出した後、乾燥させることにより形成されることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項3】 前記金属ハロゲン化物錯体はチタンフルオロ錯体であり、前記ハロゲン化物イオンのスカベンジャーはホウ酸又はアルミニウムであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
ぅがー、操作ミスで書き貯めておいた不定期日記の原稿を消してしまった(泣)。
【遂に出版 2001.5.28】
色素増感太陽電池の最新技術
●企画監修:荒川裕則(産業技術総合研究所)
■ 体裁/B5判・330頁
■ 発行/2001年5月
■ 価格/(本体65,000円+税)
ISBN4-88231-314-6 C3054 Y65000E
★色素増感太陽電池の国内研究の歴史、基礎技術、材料開発の
最新動向から将来展望まですべてを網羅!
★国内第一線の研究者41名による分担執筆!
予定より少しずれましたが、先週金曜日に遂に発売されました。おめでとうございます。出版は(株)シーエムシーさんです。
注:同社の月刊誌「エコインダストリー」に色素増感太陽電池の話を寄稿しました。>私
来月?発売されますので後御期待。
【花力発電 2001.5.25】
前にも紹介したことがありますが西野田電工さん販売で、どちらかと言うと理科の教材向け色素増感太陽電池キットです。
先日分光計器(株)さんを訪問した時に“実物”を見せていただいたので、写真を撮らせて頂きました。本当にハイビスカスの乾燥チップが入っていました!そうそう、箱の横にはとある先生の名前がしっかりと印刷されてましたよ(笑)。
先週【2001.5.17】で紹介しました金子正治教授の主催で、6月8日に
「静岡大学薄膜基板研究懇話会」
が開催されます。色素増感太陽電池に関する講演も多数盛り込まれております。
1 . 日 時 2001 年6 月8
日(金)10 :00 〜17 :20
2 . 場 所 静岡大学工学部佐鳴会館会議室(浜松市城北3 −5 −1
)
3 . 参 加 費 4 ,000 円(講演要旨集1 部を含む)
プログラム(PDF 8KB)
参加御希望の方は
金子正治(tel&fax 053-478-1153又はe-mail
tcskane@ipc.shizuoka.ac.jp)又は
奥谷昌之(tel&fax 053-478-1155又はe-mail
tcmokuy@ipc.shizuoka.ac.jp)
までどうぞ。
【科学と経済
2001.5.23】
「技術と経済」というそのスジの機関誌があります。手前味噌になりますが、今月号に私が提供した湿式太陽電池の写真とイラストが紹介されています。
執筆は東海大の木村英樹先生、題して「太陽光発電の開発トレンド」。google
辺りで名前を検索すると、ソーラーカー関連でひっかかりまくります。いろいろお世話になりました。
【セミナーのお知らせ
2001.5.22】
「色素増感太陽電池材料の開発」と題してセミナーが開催されます。 10:30〜12:00 色素増感太陽電池の研究開発の現状と新展開 産業技術総合研究所・物質工学工業技術研究所・基礎部長(4月より独立行政法人へ移行 13:00〜14:10 新しい金属色素増感剤の開発 産業技術総合研究所・物質工学工業技術研究所(4月より独立行政法人へ移行) 14:10〜15:20 新しい酸化物混合系光電極を用いる高効率色素増感太陽電池の開発 静岡大学・工学部・助教授 15:20〜15:40 コーヒーブレイク 15:40〜16:50 常温溶融塩色素増感太陽電池の開発〜固体化・ポリマー化目指して〜
産業技術総合研究所・大阪工業技術研究所・エネルギー変換材料部(4月より独立行政法人へ移行)
日 時:2001年6月1日(金) 10:30〜17:00
会 場:コープビル6F第2会議室(東京都千代田区内神田1-1-12 電話
03-3294-3821)
地下鉄/大手町駅より徒歩5分 JR/神田駅西口より徒歩8分
聴講料:43,000円+税(テキスト、昼食、コーヒー代含む)
プログラム
荒川裕則
杉原秀樹
昆野昭則
松本 一
申込方法はHPよりオンラインで登録可能です。問い合わせ先はシーエムシー出版部(担当:江幡
ebata@cmcbooks.co.jp)電話 03-3293-2065 、FAX 03-3293-7985
までどうぞ。
【祝 40,000 アクセス
2001.5.21】
30000 ヒットからは僅か78日でした。
それでは 40000 ヒットのつぶやきを:
「グレッツェルセルの最大の欠点は、誰にでも作れることだ!」
研究者:これなら自分にもできそうだ。おもしろい、やってみよう。
経営者:誰にでもできる程度のものなら、わざわざ(リスクを背負って設備投資してまで)うちがやるまでもない。
要するにオリジナリティーの問題ですが、よほど他者に真似できないような優れたアイデア
や技術があるか、はたまた明確な用途がないとなかなか企業は製品化し難いんだと思います。
【テクノニュースちば
2001.5.18】
「テクノニュースちば」の今月号ですが、興味深い記事が掲載されていたので紹介します。エフエム技研(株)の梶原さんと千葉大学の上川先生からのレポートですが、ZnO
のナノ粒子を合成するというものです。
粒径 20〜30 nm、100 m2/g
程度で、見た目もかなり綺麗な単分散粒子です(写真)。グレッツェルセルへの応用も試みられているようです。また過酸化亜鉛粉末というのもあり、こちらの方は比表面積が〜190
m2/g あります。
「酸化亜鉛及び過酸化亜鉛微粒子分散ゾルを利用した脱臭・抗菌剤の開発」と題して
PDF ファイルも公開されていますので、興味のある方はどうぞ(PDF,
275KB)。よく見ると、見覚えのあるイラストも載っていたりします。(^^)
【金子先生 2001.5.17】
というわけで紹介が遅れてしまいましたが、静岡大学の金子先生が日刊工業新聞に出ておられました。題して
「スプレーで膜を形成 低コスト太陽電池に挑戦」
教授兼ベンチャー企業の社長さんですか、スゴい。。。
【分光感度測定装置
2001.5.16】Afternoon
昨日お邪魔してきたのは分光計器(株)さんです。新しく色素増感太陽電池専用の評価システムが完成したという知らせをいただいて見学に行ってまいりました。簡単なスペックを示すと以下の通りです。値段が高いというのは知っていましたが、それに見合うだけの価値のある装置でした。運良く大型の研究予算が付いた方、ぜひどうぞ。
CEP-2000
分光感度測定装置 |
波長範囲 |
300〜1200 nm |
照射光量 |
0.5〜5 mW(分光感度測定時) |
照射面積 |
10×10 mm |
ただ今整理中。ちょっと待ってねー。
【出張? 2001.5.15】
今日は不在にします。子分1名と一緒に、とある場所にソーラーシミュレータ/評価装置を見学及び測定に行ってきます。わざわざ出かけて見に行くまでの、、、ものです。無論、上には内緒です(ははは)。詳しい報告は後ほど。
【理科実験 2001.5.14】
以前にも紹介しましたが、理科教育ニュース第474号に「植物色素を使って変換効率をアップ新型の太陽電池を作る」と題して色素増感型太陽電池が採り上げられたことがあります。
バックナンバーを請求してちょうど先週の金曜日に届いたのがこれ。
アシスタント:冨羽
てっきり冊子が送られてくるものと思っていたら御覧の通り、ほんと巨大です。というか壁新聞サイズ。
付録で“中学校・高等学校の理科実験室でためす色素増感型太陽電池の作り方”という簡単な別刷りの解説もついてきますので、興味のある先生方ぜひどうぞ。たったの¥510です。
注:作り方の手引きには何気なく二酸化チタン(P25)と書いてありますが、こいつは例によってナノサイズの酸化チタン粉末です。通常試薬の酸化チタンでは導電性ガラスに焼き付けてもボロボロ剥がれ落ちることと思いますので御注意。
【TBA 太り? 2001.5.11】
Soralonix 社のテクニカルマネジャー Toby Meyer 氏によりますと
> Black-Dye Ruthenium 620 is available,
actually it is preferrable to
order
> Ruthenium 620-1H3TBA which as a
partially deprotonated salt that
posesless
>aggrgation problems than the free
acid Ruthenium 620.
>
>The price for Ruthenium 620-1H3TBA
is the same as Ruthenium
620.
部分的にプロトン化した Ru620-1H3TBA の方が凝集問題が なくて
→ 性能が高い?
【TBA 太り? 2001.5.10】
BBSの方にルテニウム錯体の対カチオンとしてTBAがあるが、効能は如何に?という質問を頂いております。俗に Black Dye とも呼ばれるRuthenium620にも塩のものとそうでないものがありますが、どなたか知見のある方いらっしゃいませんか???
溜まりに溜まった疲労がピークに達して風邪を引く→熱→頭くらくら。でも、やっつけ仕事はこれで一区切り。あともう1日頑張れば週末。。。
【patent 2001.5.9】
収録漏れを教えて頂いたので、特許情報を更新しました。藤田さん、ありがとうございました。
昭57 |
昭60 |
平06 |
平07 |
平08 |
平09 |
平10 |
平11 |
平12 |
平13 |
2 |
1 |
1 |
1 |
4 |
5 |
9 |
32 |
65 |
(32) |
他に気付いた方、数の多い少ないに関わらず
uchida@icrs.tohoku.ac.jp
まで御連絡お願い致します。
【直訳2 2001.5.8】
ゴールデンウィーク終了スペシャル企画、グレッツェルの原文を読みこなそう第二段
-------------------------------------------------------------
Solid-state
dye-sensitized mesoporous TiO2 solar cells with high
photon-to-electron conversion efficiencies
U. Bach, D. Lupo, P. Comte, J. E. Moser, F. Weissortel, J.
Salbeck, H. Spreitzer & Michael Graetzel
Nature, 395(8) 583 (1991).
「高光−電子変換効率色素増感型メソポーラス
TiO2 固体太陽電池」
-------------------------------------------------------------
直訳 図は原文を見てね(←翻訳精度は前回より手抜き)
【シンクタンク2
2001.5.7】
1997 年には(株)大和総研より「太陽光発電ビジネスの現状と展望」と題した報告があがっています。
そう言えば昔、(株)三菱総研より「新型湿式太陽電池に関する研究」と題した所報が公開されていたのですが、いつの間にかページがなくなっていました。残念。
連休明け、皆様如何お過ごしでしょうか?話が少し飛びますが、私がちょくちょくチェックを入れているサイトに配達日記というのがあります。「2001年5月3日
息子よ〜」と、そこに出てくる最後の一行「今日から4連休・・・ 仕事より疲れそうです・・・」に、やたら共感。
【直訳1 2001.5.2】
ゴールデンウィークスペシャル企画、グレッツェルの原文を読みこなそう第一段
-------------------------------------------------------------
Brain O'Regan &
Michael Graetzel
'A low-cost,
high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal
TiO2 films'
Nature, 353(24) 737
(1991).
「色素増感されたコロイド状酸化チタン膜からなるローコスト高効率太陽電池」
-------------------------------------------------------------
1991
年、イギリスの科学雑誌「ネーチャー」に発表された論文です。雑誌会が回ってきたので慌てて翻訳し始めたというのが本当です>私。
直訳 図は原文を見てね(←意味無い〜)
【シンクタンク
2001.5.1】
1999 年に「非在来型太陽電池の技術動向調査」と題して色素増感太陽電池に関する調査報告が(財)産業創造研究所よりなされています。ページを辿っていきますと、、、
湿式太陽電池実用化可能性調査
有機材料を利用した発電素子の光電変換効率、寿命等について検討しています。
とのこと。調査報告は「色素増感太陽電池の最新技術」の分担執筆者でもあられる鈴木さん、受託機関 は(やっぱり?)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)でした。
今日から5月
【祈り 2001.4.28】
NEDO、当たってくれ〜〜〜
【リンク 2001.4.27】
エネルギーと太陽電池に関連した学会、財団法人をリンクのページに追加しました。予想以上にいろいろあるもんですねぇ。
エネルギー・資源学会(JSER)
日本太陽エネルギー学会
(財)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
(財)光産業技術振興協会(OITDA)
(財)新エネルギー財団(NEF)
(財) 日本エネルギー経済研究所(IEE)
(財)エネルギー総合工学研究所(IAE)
(財)省エネルギーセンター(ECC)
(財)電力中央研究所(CRIEPI)
(財)産業創造研究所(IRI)
(社)ソーラーシステム振興協会(S.S.D.A)
(社)日本電機工業会(JEMA)
太陽光発電協会(JPEA)
太陽光発電懇話会
太陽電池用原料技術研究組合
太陽光発電技術研究組合(PVTEC)
太陽光発電ユーザー研究会(株)NTT マルチビジネス開発部
NTT 通信エネルギー研究所?
(株)ソーラーシステム研究所
(個人)太陽光発電普及協会
【JIS 目録 2001.4.26】
chika さんから頂いたお話を元に、オンラインで調べてみました >
太陽電池関連 JIS 目録
中身は本を買わないと分からないようです(って、あたりまえか)。
【疑似太陽光 2001.4.25】
BBSで話題が出ていましたので研究評価用ソーラーシミュレーター&光源探し第2段(←1回目はいつ?)
Perkin Elmer 社 |
|
ORC社 |
|
山下電装(株) |
|
(株)東京インスツルメンツ |
200〜500W Xe & Hg (Xe) 光源(ORIEL 社製) |
ウシオ電機(株) |
|
分光計器(株) |
|
浜松ホトニクス(株) |
旭硝子さんのFTOだと思いますが「高品位テクスチャ透明導電基板」。非常に綺麗な写真があったので紹介致します。
以前紹介したここにも「タイプU−TCO」として出ています。
例の続きの話はどうなった、という方は今しばらくお待ちを。
【Patent 2001.4.23】
公開特許公報を見ますと、ほんとアイデアの宝庫といいますかへたな論文より勉強させられることがしばしばですが、逆に「これはないだろ?」というのもあります。具体的にどれとは言いませんが、「〜酸化チタン膜にナノサイズのポアを最低1個は有しているもの」って。。。 おいおい
とりあえず今日のネタはオフレコってことで。
【期待してないけど 2001.4.20
続】
さらば「狭い」「汚い」大学施設 文科省が緊急整備計画
by 朝日新聞
「...ほかに、70年以前にできた施設のうち、耐震性が著しく悪いものなど390万平方メートルを改修する。」って、うち(旧反応研)は40年代からの建物なんですが、古いだけに耐震性は悪くなさそう。しかしなんですね、トイレで用を足したあと手を洗おうとすると真っ赤な水が出てくると泣きたくなりますよ。ほんと。上水はそのまま飲んだら命に関わりそうだし、というか
ICP で測定したら Cu と Sm
がぁ。←地下水も混ぜて供給しているため?
【Patent 2001.4.20】
溶融塩電解質に関する特許は、、、これだ > 特開2001-23705
by 富士写真フィルム(株)さん
【Patent 2001.4.19】
「特許情報」を大幅に更新。出願人も半分くらい明記しましたので、各社のアクティビティーがよく分かります。
今年は知り得たものだけで既に 18
件を数えていますので、昨年度を上回ることはほぼ確実でしょう。というか、富士写真フィルム(株)さん頑張ってます。
【Patent 2001.4.18】
またもや唐突に。Ru-色素に関する国際特許を紹介します。
表題はシンプルに「ORGANIC COMPOUNDS」で発明者は GRAETZEL
単独。公開日が 1994 年 3 月 3
日になっています。15 年後は 2009 年なので、、、あと 8
年!
【頼もしい 2001.4.17】
「本気を出す!」そうです。色素電池の話ですが、中身は想像にお任せ致します。もったいつけてごめんなさい。
【Sorry 2001.4.17 Morning】
ただ今来客中。。。
【ロゴマーク 2001.4.16】
新所の多元物質科学研究所(Institute
of Multidisciplinary Research for Advanced Materials)のロゴマークが決まりました。ほほう。。。
電池と関係ない話でごめんなさい
【NEDO 調査資料
2001.4.13】
ぼーっと Web を眺めていたら見つけました。NEDO
の技術情報データベースに、非常に気になる資料があるんですね。
タイトル:ニューサンシャイン計画
太陽光発電システム実用化技術開発
超高効率結晶化合物太陽電池の製造技術開発
周辺要素技術に関する調査研究「湿式太陽電池実用化可能性調査」
報告書バーコード:010016363
実施年度:1999 (年)
作成者:産業創造研究所
プロジェクト名称:太陽電池製造技術開発
ページ数:109
個人的にはこちら↓もかなり興味があります。
タイトル:即効的・革新的エネルギー環境技術研究開発
即効型高効率太陽電池技術開発に関するLCA調査
報告書バーコード:010016402
実施年度:1999 (年)
作成者:富士総合研究所
プロジェクト名称:即効型高効率太陽電池技術開発
ページ数:55
どなたか池袋のサンシャインビルまで出向いて、ついでに私の分までコピーしてくれるなんて殊勝な方いらっしゃいませんか?(汗)
【最適酸化チタンペーストへの道(18)
2001.4.12】
Fig. 11 に酸化チタンペーストの pH
と粘度の関係を示します。表面電荷が中和されて粒子間の凝集が最も促進される等電点近傍で粘度がピークを示すというほぼ予想通りの結果が得られました。粘度が最高値を示す
pH と等電点の pH のずれは ±1.4
以内でした。以上の現象を要約しますと次のようになります。
(1) TiO2 を水中に分散させた場合、等電点以外の pH
領域では TiO2
表面に界面電位が発生し、その電位量は等電点から離れるほど大きくなる。
(2) 十分な分散状態を形成するのに必要な界面電位量は、TiO2
の形状や粒径などによって異なる。
(3) 特に、ST-01 のような超微粒子 TiO2
では粒子間の凝集力が強いことから、十分な界面電位を与えてやらないと分散が安定しない(すなわち、等電点よりもかなり離れた
pH
域となる)傾向にある。続く。
【エアマス 2001.4.11】
太陽光の強度を示すエアマスについて、資料がありましたので紹介します。
◆ORIEL 社のカタログより
自分でまとめるよりも詳しい解説をされている方がいらっしゃったので、そちらへリンク致します。
◆宇都宮大学工学部機械システム工学科
浦井
勇 技官
のページより。よく見るとソーラーカー研究会の方だったんですね。
【講演会のお知らせ
2001.4.10】
光電気化学研究懇談会
平成13年度第1回講演会
色素太陽電池の普及を目指して
主催 電気化学会光電気化学研究懇談会
協賛 日本化学会
会期 6月15日(金〕
会場 島津製作所大阪支社(大阪市北区芝田1−1−4)〔交通〕阪急「梅田」駅阪急ターミナルビル14F
参加申込締切 6月8日(金〕定員(80名)になり次第締切
1.キャリヤー輸送の考え方(横浜国大)渡辺正義
2.導電性透明電極の基礎と開発(静岡大)金子正治
3.有機多層膜の界面電子現象(静岡大)小野田光宣
参加費 一般5,OOO円(テキスト代を含む),学生1,OOO円(当日集金させていただきます)
懇親会 講演会終了後,講師の方々を囲んで懇親会を開きます。会費5,000円(予定)
参加申込方法 参加者名,所属,連絡先(住所,電話,FAX,E-mail),懇親会出欠を明記の上,E-mail
あるいは FAX にてお申し込み下さい。
申込先 565−0871 吹田市山田丘 2−1
大阪大学大学院工学研究科物質・生命工学専攻 柳田祥三 電話(06)6879−7924 FAX(06)6879−7875 E-mail:photoelec@mls.osaka-u.ac.jp
よく調べたら web
上にも案内がありました。ははは。
【最適酸化チタンペーストへの道(17)
2001.4.9】
余談になりますが、等電点が中性 pH
域にある光触媒ゾル用酸化チタンゾルというのもあるそうです。高い触媒活性(←高分散)を維持しつつ、腐食の問題を解決するために開発したようです。販売は日本パーカライジング(株)さん。
ゼータ電位の測定原理が説明されたホームページもありました。日機装(株)さんです。ゼータ電位がゼロの
pH=等電点と考えてよろしかったんでしたっけ?続く。
【最適酸化チタンペーストへの道(16)
2001.4.6】
Fig. 8
に酸化チタン粉末の電気泳動測定結果を示します。TiO2 (ST-01)
の等電点 pzc は 5.70、TiO2
(MERCK) は 4.65 でした。粒子形態は前者が
7nm (XRD) 、後者が
200-300μmと大きく異なる両者ですが、等電点はほぼ同程度の値を有します。
Fig. 7 の観察結果で得られた変曲点
cripping point の pH と pzc
が大きくかけ離れた理由は、前にも説明しました通り酸化チタン添加後に pH
が大きく変化(増加)したためです。続く。
【NEDO の補助事業
2001.4.5】
一昨日のホームページアクセス件数は
140、昨日は
182
でした(←日記を書くためのモチベーションにもなっているため、毎日チェックしています)。新学期の異動時期にもかかわらずあまり落ち込んでいない所を見ると、ズバリ【公募情報
2001.3.7】で触れた NEDO
の予算公募(「太陽光発電技術研究開発」の委託先公募並びに提案公募について)に申請書類を提出するための情報収集の一環と予想しますが、どうですか?
私のような大学人としましては、科研費の3倍は労力がかかるためそろそろ疲労が溜まってヘロヘロになっている所です。NEDO
の担当者の方からお話を伺う機会があったのですが、予算規模はともかく、10
年程度の将来を見据えた長期ビジョンがしっかりあって、それに対して「初年度の
13
年度はこういう仕事(研究)をしてここまで達成させるのでこういう機材が必要だ」という調子の作文がよろしいそうです。いずれにせよ、“従来の概念にとらわれない、新しい材料・構造・製造方法等により大幅な低コスト化が実現可能と考えられる新しい発想”が重要ということになります。皆さん、10
日の〆切に向けて頑張りましょう。
余談:採点は大学の先生が行うそうですが、、、ホント?私の聞き間違い??
【最適酸化チタンペーストへの道(15)
2001.4.4】
再掲になりますが(違いましたっけ?)、Fig.
7 に各 pH に調整した硝酸水溶液に TiO2 粉末(ST-01,
30wt%)を添加したペーストの室温 15 日間静置後の写真を示します。
写真から明かなように、pH = 1.32
以降のペーストでは固液分離が生じています。また pH = 1.03 と pH = 1.32
を境に溶液の粘度が激変しており、前者では水のようにユルユルなのに対して、後者ではネットリした感触となりました。pH
が僅か 0.3
しか違わない条件でこのように大きな境界線ができる理由として、この pH
付近に酸化チタン粒子の等電点 pzc (point
zero charge)
が存在するためと考えられます。続く。
【続・こんにちは多元研
2001.4.3】
気が付いたら机の上に辞令が置いてありました。これで、、、通算4枚目?
おそらく昨日はいろんな方が新天地でそれぞれのスタートを切ったことと思います。
一昨日は「大学に残って研究者を志望する人」には先行き暗い印象を与えるような話しをしてしまいましたが、こと、女の人で材料を扱うような研究者はこれからかなり有利になると予想します。なんせ国策で女性研究者の割合を
20%
まで引き上げることが決まっていますから。“目標”などという曖昧なものではなく“義務”なんです、これは。男は、、、だめだな(笑)。安心して進学してください>あなた
色素増感太陽電池の研究者
For Sale!
【こんにちは多元研
2001.4.2】
そうです、今日から多元研です。さし当たり実生活上での変化はそれほどあるわけでもなく、廃墟のような建家もそのままです。個人的にはノドンミサイルでも打ち込んでいただき、一日も早く壊れてくれないかと願って止みません(あぁ、最近心が荒れている)。
名目上3所を寄せ集めただけのことはありまして、規模としては教官数で175名の、文部科学省管轄では東大の生産研に次ぐ日本で2番目の大所帯となりました。郵便、電子メールのアドレス等は当分の間昔のままでも構いませんので、連絡される方はよろしくお願い致します。
【さよなら反応研
2001.3.30】
今日でここ「反応化学研究所」は消滅致します。来週からは「素材工学研究所」と「科学計測研究所」の3所が合併して、「多元物質科学研究所」という1つの組織に再編されます。国立大の付置研究所ではありますが、リストラの一環と解釈してくださって結構です。正直言って「年々居心地の悪い環境になっていくのぉ」というのが実感ですが、(こんなこと言うと怒られそうで怖いのですが)国研よりはまだマシなのかもしれません。
最近採用された助手さん等は公務員とはいえほとんど口約束なり一筆したためるなりして任期付きですし、今いる中堅の助手・助教授陣にしても仕事内容の出来・不出来に関わらず(仮にポストがあったとしても)内部昇格はほぼ絶望的です。昔のように学生の面倒をよく見たとか、日々雑多な研究室の活動に寄与したというのが評価される時代でもなくなりました。裏を返せば、“教授”様の力と権威が(ついでにモラルも)落ちたということなんでしょう。しかしながら、エライ先生方だけはこうした軋轢からは無縁です。(←
一般論ではないので誤解無きよう)
さあ、これで追い立てられる生活から抜け出るためのルールは見えました。なんでもいいから、とにかく早く教授になれ!(笑) あとは良くも悪くも好き勝手し放題です。
ps. しばらく前からのベストセラー、「Rich
Dad, Poor
Dad」読んだ方いらっしゃいますか?私の父親は某地方国立大学で教授をしていたのですが(←光化学討論会にもよく出ていました)、昨年の今頃つつがなく定年を迎えました。母親は今でも“いい大学に入っていい企業に勤める、もしくは安定した公務員になり定年後は年金暮らしすること”を固く理想と信じております。私の奥さんは同業で、夫婦揃って共働き。そのまんま本に出てくる「ラットレースから抜け出せない
Poor
組」...いやだ〜
【最適酸化チタンペーストへの道(14)
2001.3.29】
Fig. 6
に粘度と回転速度、スピンドルの種類の関係の“例”を示します。本来、どのような条件で測定しても同じペースト溶液に対しては同じ粘度が測定されなければならないわけですが、粉末が懸濁していずれ個液分離してしまうような流体では測定の仕方によっていろんな価が測定されてしまうため苦労がありました。
しかしながら回転速度の速い領域ほどデータのバラツキは減少するようで、なおかつ微少重量測定用のスピンドル(#27)を用いることによりほぼ再現性の良い(かつ正確な?)データが取れることが分かりました。続く。
【最適酸化チタンペーストへの道(13)
2001.3.28】
話が多少前後しますが、測定に使用した粘度計と円盤(スピンドル
Fig.5)です。測定レンジに応じて適したスピンドルを用います。
粘度計にはクラッチのような機構がついており、試料液体中でスピンドルを所定スピードで回転させることにより生じるズレを見ることで粘度が測定されます。続く。をー、あと少しで
paper 完成(←独り言)。
【卒業式 2001.3.27
Afternoon】
うちは他大学に比べて少し遅めになっていますが、今日が“卒業式”です。4年生、修士2年の皆様、御卒業おめでとうございます。
そつ‐ぎょう【卒業】‥ゲフ
(1) 一つの業をおえること。
(2) 学校の全課程を履修しおえること。「―式」「―生」
(3) 比喩的に、ある程度や段階を通り越すこと。「漫画はもう―した」
【製品紹介 2001.3.27】
面白そうな分析機器を教えていただいたので、紹介致します。「イオン化ポテンシャル・仕事関数測定装置」モデル名:AC-2
本格的な UPS
よりは安く、また大気中で測定が可能という大きな特徴があります。色素、導電膜、酸化チタンのエネルギー準位を調べるにはうってつけの装置だと思います。
問合せ先:日製産業株式会社
生産システム部 貝貫(かいぬき)
TEL: 03-3504-7366
FAX: 03-3504-7178
e-Mail:
kainukit@nst.nisseisg.co.jp
【最適酸化チタンペーストへの道(12)
2001.3.26】
そこで(唐突に)、酸化チタンペーストの粘度測定により粒子の分散状態を評価することを試みた。Fig.
4 に pH 5.75 の硝酸水溶液にナノサイズ TiO2 粉末
(ST-01) 30 wt%
を加えた時のペーストの粘度の経時変化を示す。
この pH
では粒子間の分子間力による強い凝集が起きているため、時間を置くと個液分離してしまう。粘度測定では液体中で円盤(スピンドル)を回転させながら慣性モーメントを測るので、このような不均一流体の場合は正確な粘度測定が難しいが、最終的には撹拌直後の価に戻ることが確認できたので、調製して直ぐにデータを取ればよいことが分かった。続く。 う」、時間との勝負。。。
【応用物理学会、触媒学会
2001.3.23】
応用物理学会はと言いますと、一件だけ見つかりました。
とき:3月28日(水)〜3月31日(土)
ところ:明治大学(駿河台キャンパス)
6 薄膜・表面 6.3薄膜新材料 3月30日 13:00〜17:30
“Zeoliteを添加して作製した色素増感TiO2太陽電池の評価”
名工大 L. Damodare,M. Rahman,○T. Soga,K. M. Krishna,T.
Jimbo,M. Umeno
触媒学会はと言いますと、、、見つかりませんでした。見落とし?
2001.
3. 27 (火) - 28 (水)
大阪府
吹田市山手町3-3-25 関西大学100周年記念会館
どこもかしこも学会シーズンですな。白川先生、お気の毒なくらい大忙し。
ところで、例の常温超伝導話はどうなったんだぁ〜?(藁
【化学工学会、電気化学会
2001.3.22】
化学工学会第66年会(広島大学)で検索したら1件見つけました。
新規なナノ構造体を用いた色素増感太陽電池への応用
H203 (京大エネ理)
○(学)岡田一誠・(正)足立基齊・(学)村田雄輔・(大工研) 松田敏彦
発表は2001年4月3日 9:40〜10:00。
本命の?電気化学会はと言いますと、、、一頃よりずいぶん増えましたね(増えてみえる?)。
日時:平成13年4月1日(日)〜3日(火)
場所:神戸大学工学部(神戸市灘区六甲台町)
第2日・4月2日(月)
(9:30〜10:30)
2G03 スプレー熱分解(SPD)法による色素増感太陽電池の作製(静岡大工)奥谷昌之,中出耕治,長 大介,金子正治
2G04 色素増感型太陽電池における TiO2
焼成条件の光電変換機能への影響(京大院エネ科・総合人間)荒巻慶輔,松原孝治,片桐 晃
特2G05 ナノスペースを有する
TiO2薄膜と光増感型化学電池(阪大院工)柳田祥三
(10:30〜11:15)
2G07 化学的手法による
TiO2ナノ粒子の分散と多孔質薄膜の調製(阪大VBL・院工)伊藤省吾,北村隆之,和田雄二,柳田祥三
2G08 酸化チタン多孔質膜の電子輸送特性に及ぼす表面処理の影響(阪大院工,NOKIA)神戸伸吾,中出正悟,北村隆之,和田雄二,柳田祥三
2G09 色素増感太陽電池の導電性基板/酸化チタン界面におけるフラーレン分子の効果(阪大院工)松田瑞穂,神戸伸吾,北村隆之,和田雄二,柳田祥三
(11:15〜12:00)
2G10 色素増感型太陽電池の電圧降下要因の解析評価(九大院総合理工,京大院工)星川豊久,菊地隆司,佐々木一成,江口浩一
2G11 イオン性液体中でのレドックス拡散挙動と色素増感太陽電池特性の相関(産総研生活環境系,科技団)松本一,松田敏彦,小池伸二,宮崎義憲
2G12 高濃度のヨウ素を含むヨウ化物塩融体を用いた色素増感型太陽電池の特性評価(科技団,産総研生活環境系)松田敏彦,松本 一,小池伸二,宮崎義憲
(13:00〜14:00)
2G17 チタニアナノチューブの創製と色素増感太陽電池への応用(京大エネ理工研,科技団,産総研生活環境系)足立基齊,岡田一誠,村田雄輔,吉川 暹,松田敏彦,小池伸二
2G18 シアニン系有機色素を用いた色素増感太陽電池の高性能化(産総研,東理大,林原生研)佐山和弘,森 徹,原浩二郎,阿部芳首,大賀保代,神宝 昭,菅 貞治,荒川裕則
2G19 Ru
フェナントロリン錯体を用いた色素増感太陽電池の光電変換特性におけるアンカー基の効果(産総研)原浩二郎,杉原秀樹,佐山和弘,加藤隆二,堀内宏明,柳田真利,村田重夫,荒川裕則
2G20 増感色素複合型太陽電池の作製および評価(東北大反応研)伊原 学,伊藤晃寿,横山千昭
(14:00〜14:45)
2G21 静電噴霧法による酸化物半導体の作製と色素増感太陽電池特性評価(産総研生活環境系,科技団)小池伸二,松田敏彦,松本 一
2G22 Improvement of Dye - sensitized Solid - state Photovoltaic Cell
by Modifying CuI Layer (Shizuoka Univ.) G. R. A. Kumara, R. Hata, A.
Konno
2G23 酸化チタンと誘電体の複合体を電極とする光化学電池の挙動(芝浦工大)荻野速雄
第3日・4月3日(火)
(10:15〜11:00)
3G06 ゼオライトマトリックスへの CdS
微粒子の固定化(愛媛大工)客野太郎,八尋秀典,岡田元次
受3G07 半導体粒子の機能化と光電気化学特性制御(阪大院工)烏本 司
(11:00〜12:00)
3G09 "n-Si/金属ナノ微粒子/CuI"
接合を用いた新型太陽電池(阪大院基礎工)飯森弘恭,北村貴彦,村越 敬,中戸義禮
3G10 Bドープダイヤモンド/Si電極の光電気化学特性及び
CO2
の光電気化学還元(電通大)小野 洋,斉藤大輔,森崎 弘,湯郷成美
3G11 有機固体系における光誘起電荷分離反応の電界依存性(V)(東北大院工)梅田 実,伊藤 隆,モハメディ・モハメド,内田 勇
3G12 アドバンスド・ゾル-ゲル法による TiO2
薄膜の作製法(富山大工・機器分析セ,長岡技大)蓮覚寺聖一,袖澤真吾,中村優子,山田明文
(13:00〜14:00)
3G17 光電気化学エッチングによる TiO2
ナノロッドの作製(岐阜大院工)杉浦 隆,大下将広,安野 聡,吉田司,箕浦秀樹
3G18 鋳型プロセスによる
TiO2ホールアレーの作製(都立大工,NTT)守屋芳隆,柳下 崇,西尾和之,中尾正史,横尾 篤,玉村敏昭,益田秀樹
3G19 陽極酸化アルミナによる二次元フォトニック結晶の形成と光伝播特性(都立大工,NTT)阿相英孝,大宅正恭,柳下 崇,浅野麻理,中尾正史,横尾 篤,玉村敏昭,益田秀樹
3G20 自己組織化超格子構造の光学特性(埼玉大理)永井和則,エレーナ・ドミトリエフナ・ミシナ,中林誠一郎
(14:00〜15:00)
3G21 単泡性超音波発光現象の磁場効果と電気化学(埼玉大理)阿部裕樹,柳田英雄,中林誠一郎
3G22 強磁場中でのコロイド結晶の作成と光結晶への応用(埼玉大理)藤田有真,中林誠一郎
3G23 酸化亜鉛/色素複合膜の電気化学的自己組織化機構の in situ
吸収スペクトル測定による解明(岐阜大院工)萩原一秀,吉田 司,岡部健次,杉浦 隆,箕浦秀樹
3G24 自己組織化酸化亜鉛/色素複合膜の積層によるカラーチューニングと感光波長拡大の可能性(岐阜大院工)安藤宏明,吉田 司,杉浦 隆,箕浦秀樹
一部のマニアの間では、明後日リリースされる Mac OS X
がどうこう(見たとか見ないとか)騒がれているようですが、正式な
Developper には既に Mac OS X Release Candidate (CONFIDENTIAL)
と称して白い CD が配布済みなのでした > 私
【セラ協 2001.3.21】
話を逸らしてしまいますが、セラミックス協会、今年の春の年会(早稲田大学)での色素増感太陽電池は、、、以下の3件だけですね。少ないが故に、敢えて紹介してみました。
3 月22日(I
会場)〔企画講演〕
(14:00 )(座長今井宏明:慶大)
1I26
色素増感太陽電池の研究開発の現状(物質研)荒川裕則
〔環境・エネルギー関連材料/エネルギー変換材料/太陽電池〕
(15:12 )(座長金村聖志:都立大)
1I32
色素増感太陽電池におけるZnO
ナノ結晶厚膜の光散乱と効率との関係(慶大院)○細野英司・藤原忍・木村敏夫
1I33
酸化鉄系半導体薄膜の可視光照射下での光電気化学特性(東工大院)○久保山賢一・亀島欣一・安盛敦雄・岡田清
私の弟子の Masakins
は、こちらで出ています。頑張りや〜
3 月22 日(木)(K 会場)
〔プロセス/ケミカルプロセス/液相・水熱合成法〕
1K04
CsxTi2-x/4□x/4O4
の水熱合成と特性評価(東北大)○正木成彦・内田聡・佐藤次雄
【春分の日
2001.3.20】
今日になって始めて気が付きました。全国的に休みだったのね。(笑)
【最適酸化チタンペーストへの道(11)
2001.3.19】
今度は酸化チタン量を 30 wt% と一定にし、様々な pH の硝酸水溶液に
TiO2 粉末を添加したときのペーストの pH
変化を調べました。
Fig. 3
に酸化チタン投入前の調製溶液の pH と、酸化チタン投入後の pH
の関係を示します。ナノサイズ TiO2
粉末(ST-01)では、調製溶液 pH 2
付近において特異的にプロトン(H+)吸着能力が最も高いことが分かります。続く。 う」、最近忙しい。
【出張再び 2001.3.16】
またまた未来日記ですみません、
今日は東工大の資源研で講演をしてきます。題して「水熱反応による金属酸化物セラミックス粉末の合成」。色素増感、、、の話は“少しだけ”します。メインは関係ない水熱合成の話になります。待っててね
> machan
【最適酸化チタンペーストへの道(10)
2001.3.15】
話がかなり飛び飛びになってしまいました。道程は長い(笑)。
Fig. 1
の解説の続きになりますが、pH 1.28
をスタートとしてナノサイズ酸化チタン粉末 ST-01(d = 7 nm, 300
m2/g)を添加すると pH は急激に上昇し、固形分 44 wt% では
pH 5.12
まで達します。くどいようですが、酸化チタン粉末を入れただけでこれだけ
pH が変化します。比較として、ミクロンサイズ(d = 0.1〜0.3
μm)の MERCK 製酸化チタン粉末では pH 変化がほとんどありません。
酸化チタンペーストの pH
コントロールに必要な酸の種類にはいくつか候補がありますが、装置の腐食性や加熱による残留物の有無等を考慮すると硝酸(HNO3)が適していると考えられます。Fig.
2 に硝酸濃度と pH
の関係を示します。硝酸は希薄濃度では完全解離するため、水溶液の pH
コントロールは容易です(あたりまえ)。続く。
【PCPM 2001 2001.3.14】
「今さら(紹介が)遅いっ」と怒られてしまいそうですが、今日から始まるんですよね。実は先週、佐山先生からパンフを頂いて気付いた次第です。
第4回
物質研 光反応制御・光機能材料 国際シンポジウム
平成13年3月14日(水)〜16日(金)
工業技術院筑波研究センター共用講堂
なかなかねぇ、出張行かせてもらえないのよね。。。 昨年度は科研費外れちゃったし。あと期待するとしたら
NEDO の公募しかないですね。
【リエゾン・ネット
2001.3.13】
紹介しちゃっていいですか?
リエゾン・ネットの「時代を翔る科学人」のコーナーで、右上の
BUCK NUMBER
をクリックすると出てきます。栄えある第1号です(謎)。
本サイト↑は全国約5万人規模の科学技術に関する専門家(大学・研究機関などの研究者)の研究活動情報(データベース)を構築するとともに、研究者ネットワークを保有する我が国最大の中間機関(リエゾン機関)である株式会社アイ・ビー・エル・シーの運用によるものです。と。
ちなみに表題が「熱反応を利用した...」となっていますが、「水熱反応を利用した...」の予定でした(はは)。
今(11:30)見直したら、既に訂正されておりました。早いっ!
【絶縁体? 2001.3.12】
佐山先生に教えて頂きました!「そもそも酸化チタンって、絶縁体じゃないですか?」という疑問ですが、私の寝ぼけた頭での理解では
(1)
四端針法などによる電気伝導度の測定では、伝導帯に僅かに残って(非局在化した?)数少ない電子(←キャリア)の移動を見ているため、固有抵抗
1013 ohm-cm といった高い抵抗値が値として出てくる。
(2) 光伝導の場合は伝導帯に直接、電子(のみ)が注入されて移動するので
(1) の状態で測定される現象とは違う
ということらしいです。
公演後も丁寧に解説してくださり、とっても気さくな方でした。どうもありがとうございました。
今日は 9:00〜16:00
まで停電のためサーバーが停止します。
【出張2 2001.3.10】
既に日付は 10 日。んー、疲れました。朝 5:00
に家を出て、東工大の資源研に着いたのが
10:00。でもって、寄り道せずに帰ってきたのが 23:00。
講演会を組織・運営してくださった成毛治朗先生、石川英里先生ありがとうございました。来週またお世話になります。
【出張 2001.3.9】
未来日記(笑)。今日は朝から佐山和弘先生の「色素増感型太陽電池の開発の現状」という講演を聴きに行ってまいります。
【最適酸化チタンペーストへの道(9)
2001.3.8】
色素増感太陽電池に使用する酸化チタンは通常の顔料用粉末とは違い、広大な比表面積を有しています。このため、溶液への添加量に応じてプロトン(H+)吸着量が変化し、pH
も変化します。
Fig. 1 に pH 1.28
の硝酸水溶液、もしくは pH 5.75 の純水に TiO2
粉末を少しずつ添加したときのペーストの pH
変化を示します。続く。
【公募情報 2001.3.7】
出ましたね?よりによって、久々に不在にしていた間に。「太陽光発電技術研究開発」の委託先公募並びに提案公募について
先月から毎日のようにチェックを入れていたのですが、
(3) 革新的次世代太陽光発電システム技術研究開発 |
従来の概念にとらわれない、新しい材料・構造・製造方法等により大幅な低コスト化が実現可能と考えられる新しい発想の太陽光発電システムに関する実用化研究、要素研究、シーズ研究について幅広く提案公募を実施し、有望なテーマを採択し、委託研究により実施する。 |
期待して見に来られた方、大変申し訳ありません。月・火と研究室の分散会で不在にします(有給休暇)。Appi
にスキーなわけですが、その実、期待される役割は運転手なわけです。はい。スキーの腕(足?)ですか?うまいですよ>私。なんたって、弘前高校卒ですから。はっはっはー。
余力があったら夜にでも更新致します。
【最適酸化チタンペーストへの道(8)
2001.3.5】
少し前の話になってしまいますが、前回お見せした写真の説明を補足致します。
硝酸で調製した異なる pH 溶液にナノサイズ酸化チタン粒子 ST-01 (7
nm)を 30 wt% 懸濁させて、15
日放置した後の状態を観察したものです。図では少し分かりにくいかも知れませんが、pH
1.03 と 1.32 というわずか 0.3
程度の違いだけで溶液の粘性は劇的に変化します。即ち、pH 1.03
以下の溶液に酸化チタンを懸濁させたペーストはいつまで経っても高い分散状態を維持して、粘性はユルユルの溶液になるに対して、pH
1.32 以上ではほとんど pH
に依存せず同程度の凝集が生じて個液分離した状態になります。これは、後に述べるちゃんとした理由があります。続く。
【御退官 2001.3.2
Night】
「自由な発想と緻密な実験」ですか。うちの研究室は対極にあるな。。。
「連帯を求めて孤立を恐れず」と。
大学の将来像は、地域社会との関わりにあるというお話を頂きました。
【御退官 2001.3.2】
話の続きを期待していた方、ごめんなさい。
今日は私が始めて助手になった最初の3年間、お世話になった「徳田昌則」先生の最終講義があります。もともとは製鉄が専門の先生ですが、狭い大学の枠を越えてあちこちで活躍されていましたので御存知の方もいらっしゃるかもしれません。退官後は大学評価・学位授与機構において将来の大学のあり方を検討する仕事に就かれるようです。
今まで大変お世話になりました、心から本当にありがとうございました。
【祝 30,000 アクセス
2001.3.1】
今日から3月。最近早いなぁ。
30000 ヒット、おめでとうございます!>EP82 さん。29999
は偶然、私でした。
それでは 30000 ヒットのつぶやきを:
「そもそも酸化チタンって、絶縁体じゃないですか?」
光触媒のような使い方で紫外線励起するとか、加熱したりすれば
n-型半導体になりますが、室温で可視光照射したり 1V
前後の電圧を印加した程度では固有抵抗
1013 ohm-cm
もの絶縁体ですよ!何で電流が流れるんですか?
仮にナノサイズの超微粒子酸化チタンを使ったとしても、粒径(直径)が
10 nm とすれば1粒当たり 107 ohm
もの抵抗があることになりませんか??
私の勘違い?誰か教えて下さい。お願いします、教えて下さい。
【最適酸化チタンペーストへの道(7)
2001.2.28】
いよいよ本題。ペースト状態における酸化チタン粒子の分散状態が、あとあと成膜時に電池特性として大きく影響を与えることが分かりました。
“分散”と言えば、溶液の pH
やら増粘剤やら界面活性剤やら(無論、それらの種類と添加量に至るまで)いろいろと思い当たるファクターがあるのですが、1つ紹介致します。
写真1
これは異なる pH 溶液中にナノサイズ酸化チタン粒子 ST-01 (7
nm)を懸濁させて、15
日放置した後の状態を観察したものです。続く。
【本の紹介 2001.2.27】
昨年【本の紹介:2000.12.20】でも触れたのですが、依頼?がありましたので改めて宣伝致します。
---------------------------------------
「色素増感太陽電池の最新技術」
■企画監修:荒川裕則(物質工学工業技術研究所)
■発 行:2001年4月予定
■体 裁:B5判・約330頁
■予定価格:(本体65,000円+税)
■予約特価:(本体57,000円+税)
出版社・シーエムシー
---------------------------------------
他に情報提供ありましたらいつでも御紹介致しますので、遠慮なくお申し出下さい(→
uchida@icrs.tohoku.ac.jp
内田 聡 まで)。
【最適酸化チタンペーストへの道(6)
2001.2.26】
先週は XPS
で、、、分析していないと書きましたが、実際にはしたような気がします(忘れてしまった)。
ない知恵を絞って考えた理由その2は、「粒子の凝集と分散の仕方」の違いでした。酸化チタン粒子
ST-21 (20 nm) を水に分散した状態で遊星ボールミル処理した時の SEM
写真を示します。
ST-21
ミル処理前の凝集状態 ST-21
ミル処理後の分散状態 続く。
【最適酸化チタンペーストへの道(5)
2001.2.23】
話を少し戻します。遊星ボールミル処理を加えただけで、電池にしたときのエネルギー変換効率が2倍に向上した理由その1として考えられるのは、「メカノケミカル効果により表面が活性化されて焼結した時の粒子間の接触が改善されたため」というのが上げられます。
しかしながらミル処理後の酸化チタン粒子の TEM
観察では、表面に格子の再配列が起きていたり、フリンジができている様子は見られませんでした。
(ST-21 のミル処理後の TEM
写真 bar=50nm)
物理的に変化がない以上(XPS
で確認するようなことまではしていませんが)、理由1ではないと思われます。では次に考えられるのは、、、続く。
【はて? 2001.2.22
Afternoon】
今日の午前のアクセスはたったの 25 と異常に少なかったのですが、不通になってます?
【最適酸化チタンペーストへの道(4) 2001.2.22】
ほぼ同じ出力が得られた上位グループの酸化チタンは ST-01, ST-21,
P-25 で、大きく落ちて ST-41、電池としてはほとんど使い物にならない
ST-31 といった序列になりました。
ST-01 (7 nm), ST-21
(20 nm), P-25
(25 nm) >>ST-41
(10 nm)>ST-31
(7 nm)
不純物として ZnO を 13 wt% も含む ST-31
はさておき、データが少なくて断言はできないものの粒子径と I-V
特性との相関関係はそれほど密接ではないように思われます。
TiO2 よりも ZnO の方が電池特性が劣る理由としては、前者が
d 軌道を有するのに対して、後者は S
軌道しかなく、色素からの電子の授受において不利だという説があります。
まだまだ続く。先は長い話になります。
【最適酸化チタンペーストへの道(3)
2001.2.21】
原料の酸化チタン粉末ですが、それまで光触媒の研究に用いてきたという成り行き上、石原産業さんの
ST シリーズ、更に比較として Degussa
社の定番 P-25 を用いました。Solaronix
社のペーストを使わず、敢えてこれらを選択した理由は
(1) 入手のし易さと
(2)
値段といったあまり深いものではなかったのですが、このことが後で幸いしました。それにもう一つ、(3)
研究テーマとして扱うのに(すでに出来上がったペーストではなく)酸化チタン部分にオリジナリティーを出したかったというのもあります。
商品名 |
粒径 / nm |
比表面積 / m2・g-1 |
ST-01 |
7 (XRD) |
300 |
ST-21 |
20 (XRD) |
50 |
ST-31 |
7 (XRD) |
250 |
ST-41 |
50 (XRD) |
10 |
P-25 |
25 (XRD) |
50 |
昨日のグラフの見方ですが、酸化チタン粉末に水を添加しただけのペーストに
600 rpm, 4 min
ほど遊星ボールミル処理を加えただけで、電池にしたときのエネルギー変換効率が2倍に向上したわけです。ペーストの性状や外観、塗り心地等に違いは見られません。照射光強度に関しては、残念ながら(怨念の)熱量センサーを買ってもらえなかったため不明です。電池の性能が低いときは特に、どんな改良を加えてもすぐに影響を受けやすいものですが、そのような事情を割り引いても(原因はともかくとして)今回のような簡単な処理を施すことで大きく特性が大きく上がったのは驚きでした。
しかしながら、もう一度思い出していただきたいのですが、遊星ボールミルで粉砕できる粉体の最小粒径はせいぜい数μmまでです。始めからナノサイズの酸化チタン粉末を原料として用いているわけですから、微粒化は期待できないことは承知の上だったわけですが、担当学生の柏木君が卒論に煮詰まって苦し紛れに「やってみたい」と言うので、内心「無駄だなぁ」と思いつつ口では「やってみたら」と返事したらこのような結果が返ってきたわけです。(笑)話は続くので、慌ててマネしないように。
【ローズティですか? 2001.2.19
Afternoon】
色素増感型太陽電池の製作が写真入りで紹介されています。若狭先生、水くさいなぁ。教えていただければもっと早く宣伝したのに。。。
あぁ、よく調べたら岡山教育センターの生部先生の所でも。日本中、色素増感型太陽電池だらけ(笑)。
【最適酸化チタンペーストへの道(1) 2001.2.19】
全てはこの1枚のデータから始まりました。今から2年ほどさかのぼります。(1999.3)
遊星ボールミルって御存知ですか?鉱石などを粉砕して微粉末化していく工程で最後に用いられる装置ですが、コーヒーカップの原理を応用してメノウの容器と中に入れたメノウのボールが逆方向に回転することにより、間に挟まれた試料に強力な剪断応力が掛かって効率的に粉砕されるというものです。性能としては数μmまでの粉砕が可能と言われています。続く
【レポート2 2001.2.16
Night】
質問には全て返事を書きました。まずはおしまい。
今日で修士課程の学生は論文提出も発表も終わりですね。お疲れさまでした。うちのM2様の柏木君は「高分子ミセルを鋳型とした多孔質二酸化チタン薄膜の合成と湿式太陽電池電極への応用」というずいぶんハイテクな題目で発表していました。しかして結果は、、、?(笑)
【レポート1 2001.2.16】
今日はなかなか更新作業ができませんでした。と言うべきか、未だ書き込み中。
すっかり遅くなってしまいましたが、【授業:2000.12.19】で出した色素増感太陽電池に関するレポートの一部を公開します。いや、ほんと遅くなって申し訳ありませんでした。
続く(17:15)。
あ〜、そろそろ聡一郎を保育園に迎えに行かなければ。。。
【予告 2001.2.15】
明日、いや、もしかして来週からここ1年間のデータの一部を公開致します。
【Expired 2001.2.15 Morning】
朝からムスムス。
最低だ > QuickTime 5。今朝いきなり「使用期限が切れました」といって
iBook
の画面に表示が出て音が出なくなったので、更新作業をしたら今度は起動しなくなってしまった。あれこれ試行錯誤して、10回以上再起動を繰り返して、システムを一部入れ直しても治らず。もう。朝の貴重な1時間を完全に潰してしまったじゃないか!Mac
歴10年の私でこの様よ?モデムユーザーだったらいちいちプロバイダーに接続して、ちまちま
Download しなければならないわけ?
そういえば、先日オンラインの AppleStore から(代理で)PowerBook G4
を注文したら、なかなか最後の「購入」ページまでたどりつけず、あきらめて別なページを見ている間にいきなりメールで注文確認書が届いてしまった。しかも“3台お買い上げ、ありがとうございます”だって!(冗談じゃない)どうやらブラウザの「戻る」ボタンを押すと注文品が二重に加算される仕組みらしい。Apple
御自慢の WebObject&One-Click システムって、そんなもんかい?
【Question 2001.2.14】
さて問題です。この写真はいったい何の部品でしょう?あんましおかしかったんで(笑)ついついネタにしてしまいました。写真を撮らせて下さった方、公開しちゃっても構わないですか?
【Sorry 2001.2.14 Morning】
2/5 もそうですが、昨日 2/13
の午前中も外部からこのホームページに接続できなかったですよね?何か変。 ただ今来客中。
【ずれとる! 2001.2.13
Afternoon】
久々にボロアパートに帰って来たら、セラミックス協会から機関誌が届いていた。無機合成に関する文献調査なら、巻末のタイトルサービスを見るのが手っ取り早いし便利だ。日本語だし。そろそろ出たかな〜(前のやつ)、、、えTっ? 何でこうなるの??
【蛍光寿命測定(9) 2001.2.13】
前回の光反応式に従って、粉末状態で測定した25℃のデータでは粒子間における電子の移動がないものと仮定すると、んー、あくまでも“仮定”の話なんですがね、蛍光寿命τは
τ=1/(kr+Knr)=2.26 (ns)
∴kr+Knr=4.42×108
(1/ns)
これより500℃の時の粒子間を流れる電子の移動速度を推定すると
0.66×109=1/(4.42×108+Ket)
∴Ket=1.07×109
(1/ns)
即ち、速度定数109 (1/ns)
オーダーで電子が移動していることが推定できます。説明が前後しましたが、定数にくっついている符合のkr、Knr、Ketの違いはそれぞれ以下の通り:
kr:電荷の再結合により光放出を行う過程(radiation)の速度定数
Knr:電荷の再結合により熱放出を行う過程(non-radiation)の速度定数
Ket:バルク粒子へ電荷移動する過程(electron
transfer)の速度定数
だからどうした?と言われればそれまでのことなんですが、、、ははは。終わり。
【もぅだめ
2001.2.10-12】
親子そろって風邪&うちのおっかあは腰痛で
Down。一路、かみさんの実家の一関へ。
【蛍光寿命測定(8)
2001.2.9】
ただ今取り込み中。とりあえずこれまでのスペクトルの重ね書きと、加熱しない粉末状態の酸化チタンの蛍光寿命のデータ(25℃)を加えた図をアップします。
【蛍光寿命測定(7) 2001.2.8
Afternoon】
解析の対象としたレンジの整合性(特にデータの収集性が悪くなる End
Position)を考慮して、 200
℃と400
℃のデータは計算し直しました。
結果、焼成温度と平均発光寿命の関係は以下の通り。
Temp./℃ |
<τ>/ns |
- (単結晶) |
1.83 |
25 |
2.26 |
200 |
1.07 |
300 |
1.05 |
400 |
1.03 |
500 |
0.66 |
600 |
- |
温度の逆数との関係でグラフ化しますとこのようになりました。と言いますか、そういうふうに(傾向が出るように)まとめてしまいました。ははは。速度という観点からも(無論、加熱時間や粒子の表面状態の差異にも依存するでしょうが)、酸化チタンは400
℃ 以上で焼き付けるべきだと思われます。
で、今度は単結晶の TiO2
の傾向寿命を測定することによって、電荷移動の速度定数を求めることが可能となります。光反応式は次の通り。続く
【蛍光寿命測定(6) 2001.2.8】
今日は 500 ℃。
図16
蛍光スペクトル(生データ)
図17 波長スペクトル
図18 時間スペクトル
図19 3Dスペクトル
図20
蛍光スペクトル(フィッティング)
前回、400 ℃に比べて発光強度は更に落ちました。積算回数は 1000
Count。得られた発光のほとんどが散乱によるものです。ちなみに 600
℃では発光が弱すぎて測定できず。続く
【蛍光寿命測定(5) 2001.2.7
Afternoon】
図11
蛍光スペクトル(生データ)
図12 波長スペクトル
図13 時間スペクトル
図14 3Dスペクトル
図15
蛍光スペクトル(フィッティング)
著しく蛍光強度が低くなってしまったため、これまで積算回数は 250
Count で測定していたものを、400
℃の試料では 4 倍の 1000 Count
で計りました。寿命は若干長くなり 1.31 ns
ですが、これが何を意味するのかは分かりません。
試料間で見た目にあまり差がないにも関わらず、劇的に蛍光強度が小さくなった理由としては
(1)
電荷分離が起き難くなったか、あるいは電荷分離の過程には変化がなくて
(2)
再結合するはずだった電子とホールが移動し易くなって消失したためと解釈されます。粒子間の電気的な接触が、高温の加熱によって改善されたと考えれば、後者の説明があっているように思います。
要するに、基板にガラス等を用いるのでしたら酸化チタンを焼き付ける温度は最低でも
400 ℃
以上にするべきだと思われます。
では、更に高温で焼き付けた酸化チタン膜や単結晶の酸化チタンではどうなるかと言いますと、、、続く
【蛍光寿命測定(4) 2001.2.7】
200 ℃と300 ℃のデータ解析で、平均発光寿命<τ>は偶然 1.05 ns
で一致しました(マジ)。今日は400
℃のデータ。
ただ今格闘中。。。
【蛍光寿命測定(3)
2001.2.6】
400
℃の結果の前に、「(パルスレーザーによる)蛍光寿命測定のデータ解析で陥りやすい罠」について、別にまとめましたので紹介致します。
この件につきましては、フラーレン(C60とC70)と種々の有機化合物との間での電子移動初期過程を専門とされる同僚の藤塚守先生に教えて頂きました。物腰穏やかですが、めちゃめちゃ仕事のデキる人です。アドバイスありがとうございました。年度が明けて一区切りがついたら、内田-藤塚セルを組みましょう!
【はて 2001.2.5
Afternoon】
な〜ぜか今日だけ?はカウンター伸び悩み。ネタつまんなかったですかね > 蛍光寿命測定?? 量産化の話でも書くかな。。。
【蛍光寿命測定(2) 2001.2.5】
ナノ結晶酸化チタン粉末を FTO
ガラス基板に塗布して焼き付けた試料の蛍光寿命の話。今日は
300
℃!
図6
蛍光スペクトル(生データ)
図7 波長スペクトル
図8 時間スペクトル
図9 3Dスペクトル
図10
蛍光スペクトル(フィッティング)
フィッティングはまだ解析途中です、済みません。
200℃の時のデータと比べて時間は長めで強度は少し上がっていますが、それほど大きな差にはなっていません。面のある固体試料なので散乱の影響を受けやすく、誤差範囲と言って良いかと思います。ところが、、、(続く)
【出版のご案内
2001.2.2】
ちょうど昨日、ダイレクトメールをいただきました。折角なので宣伝致しましょう(笑)。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
監修 大阪大学 大学院 工学系研究科
教授 柳 田 祥 三
「色素増感型太陽電池(Gratzel
型)の基礎と応用」
先行特別予約開始!!限定100部出版
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■先行特別予約価格(2001年3月31日まで)
本体43,000円+税
(予価)本体53,000円+税
■体裁 B5判 約180項 上製(ハードカバー)
■発行予定 2001年3月
■発行 技術教育出版社
〒161-0034 東京都新宿区上落合1-18-5
技術教育出版社[営業部宛]
TEL 03-3951-1799
頼まれれば書くんだけどなぁ...
【蛍光寿命測定(1)
2001.2.1 Afternoon】
学会発表まで待てないので、データの一部をさっさと公開しちゃいます!
題して「酸化チタン膜内の光電子移動について」
内容:各種の温度で FTO
ガラス基板に焼き付けた酸化チタン膜にレーザー光を照射し、蛍光寿命測定を行う
目的:酸化チタン膜内における電子の移動速度(移動のし易さ)を調べる
今日は
200℃で焼き付けた試料の結果を示します。励起波長は
365 nm
なので、酸化チタン自身を励起して電荷分離を起こさせ、再結合する時に発っする蛍光(時間と波長と強度)を見ています。
図1
蛍光スペクトル(生データ)
図2 波長スペクトル
図3 時間スペクトル
図4 3Dスペクトル
図5
蛍光スペクトル(フィッティング)
通常、蛍光強度は
I=A1exp(-t/τ1)+A2exp(-t/τ2)+・・・となり、平均発光寿命は
<τ>=ΣAiτi2/ΣAiτiで表されます。蛍光スペクトルの曲線を1成分
single component decay
で表した場合、時間発光スペクトルの解析より得られた結果は
<τ>= 1.05 ns
となりました。同様に
300℃、400℃、500℃で焼き付けた酸化チタン膜だとどうなるかと言いますと、、、(続く)
【依頼講演 2001.2.1】
今日から2月。
私信モードで:石川先生、ありがとうございました。幹事様のお取り計らいのお陰で、9日の発表も聞かせていただけることになりました!!
【依頼講演
2001.1.31】
あT〜〜〜っ!(残念)
物質研の佐山先生!東工大の依頼講演、9日に発表されるんですね。
私は自分の日程のことしか考えてなかったので16日にしてしまいました(泣)。いろいろお話を伺いたかったのに。。。
プログラム <
内輪の発表会なので、東工大関係者の方は聞きに行かれると良いと思います。
【文献紹介2
2001.1.30】
今度はスウェーデン(ウプサラ大)より
Gomez, M. M.; Lu, J.; Olsson,
E.; Hagfeldt, A.; Granqvist, C. G. (Department of Materials Science,
Angstrom Laboratory, Uppsala University, Uppsala SE-751 21,
Swed.).
High efficiency dye-sensitized nanocrystalline solar cells based on
sputter deposited Ti oxide films.
Sol. Energy Mater. Sol. Cells, 64(4), 385-392 (2000).
曰く、「蒸着析出させた酸化チタン膜にルテニウム色素(cis-dithiocyanato-bis(2,2'-bipyridyl-4,4'-dicarboxylate)
ruthenium
(II))を取り込ませてナノ結晶太陽電池を作製した。太陽光強度
100 W/m2 において変換効率は 7%
−通常のナノ結晶のものと同程度にも達した。透過型電子顕微鏡による観察ではペンニ型(penniform)の形を成しており、2次イオンマス顕微鏡では色素の取り込みについては蒸着膜の底の部分を除いて均一であることが分かった。」
【文献紹介1
2001.1.29】
例のスリランカのグループより
Tennakone, K.; Senadeera, G.
K. R.; De Silva, D. B. R. A.; Kottegoda, I. R. M. (Institute of
Fundamental Studies, Kandy, Sri Lanka).
Highly stable dye-sensitized solid-state solar cell with the
semiconductor 4CuBr・3S(C4H9)2 as
the hole collector. Appl. Phys. Lett., 77(15), 2367-2369 (2000).
曰く、「半導体
CuBr・3S(C4H9)2
をホールコンダクターとした固体系の色素増感太陽電池を構築した。このセルは近年希にみるほど安定で、1.5
air mass, 1000 W・cm-2
の疑似太陽光において短絡電流と開放起電圧がそれぞれ ~4.3
mA・cm-2 および 400 mV
が得られた」そうです
【作り方
2001.1.25】
結晶化学の専門外の方にはそろそろ飽きたと思うので、話題を変えます。逆に私も有機化学の話をされたとしてもあまり分からんし。一応、学部の授業は受けましたが。
(^^;)
書き残しはまだまだあるものの、電池の作り方を大幅改訂しました。チタニアペーストの塗布(スキージ
squige
法)についても写真を撮り直して更に詳しく解説しています。
ページ最下段のプロペラ&セルの図はそのうち、とある雑誌に紹介されることと思います。キムヒデ先生、ありがとうございました。いいよなぁ
> ソーラーカー。。。
【TiO2のバンドギャップ
2001.1.24】
唯一、間接遷移型を示す
TiO2(B)
の話に触れましたが、光触媒活性を調べると通常の加水分解で調製した
anatase 型 TiO2
よりは(同程度の大きさなら)活性が高く出ます。
内田 聡, 他
"ソルボサーマル反応による高活性光触媒の開発" 色材, 72(11), 581-591
(1999).
せっかくなので、ここまでで登場した TiO2
のバンドギャップ(Eg)の第一原理に基づく計算値を以下に示します。結構、いい線いくもんでしょ?ほんの
5〜6 年前なら最も簡単な TiO2 (rutile)
のバンド構造を解くのにスパコン(Cray
T-3)でさえ数週間かかっていたものが、今ならワークステーション(SGI
PowerChallange)で1時間以内に答えが出てしまいます。UV-スペクトルを計算で出すことも可能。いい時代になったもんです、はい。
Compound |
Eg /eV |
TiO2 (rutile) |
3.01 |
TiO2 (anatase) |
3.08 |
TiO2 (brookite) |
3.31 |
TiO2 (II) |
3.65 |
TiO2 (B) |
3.74 |
Ti2O3 |
2.59 |
Ti3O5 |
4.61 |
K2Ti4O9 |
4.46 |
【文献調査
2001.1.23 Afternoon】
しばらく文献調査を怠っていたら、「色素増感太陽電池」で山ほど出てますね
>
論文。例のスリランカのグループから「固体化」の話やら、「TiO2
蒸着膜で太陽電池」の話やら、「LiI/I2 溶媒への Pt
の溶解」の話や、「色素増感太陽電池で二酸化炭素の固定」の話やら、箕浦先生の所の「ZnO/eosin
Y」の話やら、、、紹介は来週以降ですな。んっ、アドレス変わりましたね??
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
祝 酒井達哉(岐阜大、箕浦研)
第12回日本MRS学術シンポジウムポスター賞受賞!
「光電気化学エッチング処理により形成したTiO2ナノハニカム構造の形態制御」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
↑画像でかすぎ(486
kB)! (^^;)
【TiO2(B)
2001.1.23】
二酸化チタンの多形と言えば
TiO2(B)
というのもあるのですが、4チタン酸カリウム
K2Ti4O9 を酸処理して
H2Ti4O9
にし、空気中加熱することで簡単に単一相が得られます。結晶系は
Monoclinic。
バンド計算をすると分かるのですが、特徴的なのはこの化合物
TiO2(B)
は間接遷移(CVB → ΓCB,
BCB)半導体であることで、フォノン緩和を伴いながら光吸収をすると考えられます。このため拡散反射(DRS)スペクトルのバンド端付近ではフォノン緩和のエネルギー吸収(と放出)によって、緩やかな鈍い立ち上がりを示すと予想され、実際その通りとなります。
第一ブリユアンゾーンとバンド構造(の計算結果)
これ以外の TiO2
は理論的に全て直接遷移型の半導体です。
【亜酸化チタン
2001.1.23】
更に話がそれてしまいますが、二酸化チタンの多形の一つに
TiO2-II
というのがあります。anatase 型でも rutile 型でもなく-II
型です。これは 1962 年に anatase
に高圧をかけることによって初めて見出された二酸化チタンですが、実は高圧をかけなくとも亜酸化チタンを原料に用いて作ることができます。
Ian E. Grey et. al., Mat. Res. Bull., Vol.23, pp.743-753
(1988)
文献によりますと、Ti3O5
を硫酸中で加熱すると得られるとか。
Ti3O5 +
H2SO4---> 3TiO2 + H2O
+ SO2
酸化反応が起きると同時に構造の再配列も起きて、このような変わった酸化チタンができます。結晶構造のモデル図(48KB)
【亜酸化チタン
2001.1.22】
太陽電池の話からは少しそれてしまいますが、Ti2O3
の光触媒活性を調べた結果を示します。ホールをトラップするための犠牲剤には
Na2S を用いていますので、出てくる気体は水素ガス only
です。
触媒活性データ(10KB)
5時間で数 cm3
とか、ほんと大したことない水素生成しか見られないのですが、それでも可視光で動作することは確認できました。
【センター試験
2001.1.21】
今日も朝から試験監督。お疲れさま >
私&受験生の皆様
【センター試験
2001.1.20】
今日は朝から試験監督。お疲れさま >
私&受験生の皆様
【亜酸化チタン
2001.1.19】
二酸化チタン TiO2
は通常、空気中でも水中でも化学的に非常に安定な化合物で、溶液に溶かして定量分析するのに苦労する化合物だったりしますが、通常でない場合、即ち周りに酸素がない(少ない)環境だといとも簡単に結晶構造が崩壊して非晶質の不定比化合物もしくは亜酸化物となります。その様子は色調が劇的に変化することから容易に観察することができ、酸素の比が少なくなるにつれて白→薄黄色→青灰色→灰色→焦げ茶色→黒。
脱酸剤として金属 Ti
粉末を所定比混ぜ、アルゴン雰囲気下で加熱すると得られます。
反応容器(24KB)、生成物の
XRD パターン(68KB)
上の反応容器ですが、蓋に直径1μm、長さ1mmのピンホールが空けてあります。即ち、気体がクヌーセン
Knudsen
拡散をして(気体の出入りは最小限のまま)外部との気圧差が無くなるように工夫がしてあります。
混合する Ti と TiO2
の比を変えることによって、希望組成の亜酸化チタンを合成することが可能です。上の例は
Ti2O3
、Ti3O5
、Ti4O7。この合成方法の欠点は、原料にも依存しますが粒径が大きくなってしまうこと。
【亜酸化チタン
2001.1.18】
例として Ti2O3
を採り上げますと、計算上はバンドギャップ 2.6eV
を持つ半導体で、焦げ茶色の外観からも予想されます通り可視光を吸収します。結論から先に言うと、触媒としてはそれほど活性が高くはなかったのですが、色素のいらない無機顔料系光電池の開発にもいずれ繋がるかもしれないな、と。
バンド構造計算結果(24KB)、光学スペクトルの計算及び測定結果(8KB) 続く
【Report
2001.1.17 Afternoon】
授業のレポート(色素増感太陽電池)でコメントや質問を下さった皆様、必ずフォローしますので今少しお待ちを。
【亜酸化チタン 2001.1.17】
研究紹介を兼ねて一昨日の続き。組成式が
TiOX
で示される亜酸化チタンですが、これらはただ単に酸素の割合が連続的に違うのではなく、ある決まった値を取ります。即ち、結晶構造が異なる
→
電子構造も光学特性(色調)も異なる固別の化合物だということになります。表1(12KB)、相図(12KB)
これらを光触媒に応用した場合は、従来の異種金属イオンをドーピングして無理に可視光応答特性を持たせた酸化チタンとは異なり、格子欠陥や不純物準位を持たない触媒ができあがります。コンセプト(32KB) 続く
【人工光合成
2001.1.16】
少し紹介が遅れましたが 2001.13
の日刊工業新聞から
「人工光合成を実現 電極上で初、アンテナ−電荷分離系を共役」記事(104
KB)
大阪大学大学院工学研究科の福住俊一教授、今堀博助教授らは光合成において光を効率よく集めるアンテナ系と電荷分離系を電極上で初めて人工的に共役させることに成功した。量子収率(色素によって吸収された光子の数に対して流れた光電流の電子数の割合)は50%を示し、光合成型のエネルギー移動と電子移動を人工膜や金属電極上でまねたものでは最高値。有機太陽電池の実現に重要な基礎研究成果として注目される。成果は1月中旬発行されるアメリカ化学会誌に掲載される。
説明の模式図を見る限りでは光電池そのものと言っても良さそうです。
【亜酸化チタン
2001.1.15】
「酸化チタン」と聞くと通常は
TiO2 (anatase)
もしくは TiO2
(rutile)
を想像するのが通常ですが、同じ組成式で結晶構造が異なる
TiO2 の多形が 7
種類も存在することは以前、FAQ
にも書いた通りです。
しかしながら TiOX
で示される亜酸化チタンも含めますと、異常原子価の
Ti2O5 も入れて実に
26 種類も存在します。表1(PDF
12KB) 続く
【特許情報
2001.1.12 Afternoon】
特許情報、更に追加。調べがついたものだけで 92 件、うち 2000 年に公開されたものが 44 件です。ちなみに直近の 【特開2000-357544】 は出願人が「出光興産株式会社」さんでした。
【特許情報 2001.1.12】
特許情報更新。もはや個別に解説していられるほど長閑な状況ではなくなってしまったようです。
【続・酸化チタンの脱水処理 2001.1.11】
ちなみに水蒸気雰囲気以外の試料は、真空中
100℃で加熱することにより物理吸着した水を取り除いてあります。
ここで注目したいのは (1)
空気、 (2)
酸素と (3)
酸素+水蒸気の比較で、いずれも
I-V
特性に有意な差はほとんど見られなかったという結果です。即ち、一般に信じられている?脱水操作には意味がないと考えても良さそうな結果が出ています。
【酸化チタンの脱水処理 2001.1.10】
少し前の論文になりますが、「表面欠陥が色素増感型太陽電池の発電特性に及ぼす影響」と言う趣旨のものが報告されています。J.
Weidmann et. al, Solar Energy Mater. and solar cells 56, 153
(1999). オンラインで
PDF(183K)ファイルとして読めます。無料。
以下の5種類の異なる雰囲気
(1)
空気
(2)
酸素
(3)
酸素+水蒸気
(4)
真空
(5)
真空+水蒸気
中で処理(曝露)した酸化チタン膜にそれぞれルテニウム色素を付け、電池特性を調べた結果、エネルギー変換効率の序列は
(1)(2)(3) > (4)(5)
となりました。またその理由として、表面が真空に晒されることで格子欠陥が増えたためとしています。更に水蒸気による(チタニア電極表面の)水酸基の化学吸着は
VOC
を増加させていることが分かったと結論づけています。続く
今日で聡一郎1歳・。
【今日は世間一般に新年会モードだったりする
2001.1.9】
公約通り?まずは英語ページの表紙を追加。機械翻訳も入っているので訳はめちゃくちゃですが“形”ができることを優先、ってことで勘弁してネ。
明日は「酸化チタン」の脱水処理について検討予定
【研究発表会 2001.1.5 Afternoon】
第20回光がかかわる触媒化学シンポジウム
主催 触媒学会 協賛 日本化学会
会期 6月5日(火)←私の誕生日
会場 東京工業大学・百年記念会館
発表申込〆切 3月9日(金)
予稿原稿〆切 5月31日(木)
依頼講演で「環境浄化光触媒」と「色素増感太陽電池」を予定しているそうです。
あぁ、行きたい。旅費が...
【Dye Sensityzed ... 2001.1.5 Morning】
ただ今、英語ページを作成中。時間と労力をどこまで注ぎ込むかで葛藤。このまま挫折モードに入るかも(泣)。
とりあえず掲示板 (International)
が立ち上がるまではなんとかしたいです。
【仕事始め 2001.1.4】
明けましておめでとうございます。全国延べ
20,000
人の色素増感太陽電池ファンの皆様にとって(笑)、今年は良い年でありますように。
私の抱負ですか? やっぱ国際化でしょう。