不定期日記(2015)   ネタは随時募集しております。ぜひ御一報下さい
99通期00通期 01前期01後期 02前期02後期 03前期03後期 04前期04後期 05前期05後期 06前期
06後期07前期 07後期08前期 08後期09前期 09後期10前期 10後期11通期 12通期13通期 14通期

【2015.12.31 大晦日】

 お世話になりました 

 年末は1日だけ特別にお休みを頂いて、26日から9連休を満喫しております。今年
は雪不足が続いておりスキー場もなかなかオープンできず、結果、家に引きこもって
自堕落な日々を過ごしております。そしてあっと言う間に大晦日。

 振り返れば今年も多くの方に御世話になりました。改めて皆様方に心から感謝と
御礼を申し上げます。

 ペロブスカイト 
 今年は堰を切ったように Publication に努めました。特に 4 報目は変化の激しい
ペロブスカイト研究において、トレンドの風化にも耐える内容だと思っております(お
陰様で Editor's Choice にも選ばれました)。つい先月 Open Journal として一般公
開されましたので、自由に Download &閲覧が可能です。
----------------------------------------------------------
4 報目 [CL-150933] 等価回路について *Supporting Information も見れます
3 報目 [CL-150781] 熱膨張率と格子のミスマッチについて
2 報目 [CL-150385] 残留塩素濃度について
1 報目 [CL-150068] 表面処理について
----------------------------------------------------------

 

 実際にはこれを遙かに上回る多くの挑戦・失敗実験や、ここでまだオープンにでき
ない途上の結果が沢山ありますので、来年以降に順次ご報告したいと思います。
上の写真もその一つでして、ハワイの Pacifichem2015 に出掛ける直前の 12/15
に満を持して行った秘密実験の様子を動画に納めたものです(未公開です、済み
ません)。研究室中を巻き込んで大騒ぎになった実験です。

 電流は 70nA と微少ですが、綺麗な I-V 曲線が得られました。がしかし、後になっ
て分かったのですが同じコンセプトの報告が、本当に断片のような結果ですが米国
のグループから出されていることが分かり愕然としました。この分野、本当に競争が
激しいです。年明け早々、巻き返しを図る予定です(まだ勝算あります)。

 最後、自分の話ばっかりになってしまいましたが、それでは皆さん良い年をお迎え
下さい。


 本気でノーベル賞を越えられるかも? 思いましたよ、ははは。

【2015.12.25 忘年会2】

 瀬川研忘年会。皆様、今年一年お疲れ様でした。


【2015.12.24 忘年会1】

 クリスマスイブの瀬川研&宮坂研合同ミーティング。くっ。

【2015.12.23 札幌にて】

 帰国早々再び飛行機に乗り、ファミリーに会うため札幌へ。完全プライベートです。
ラーメン旨い。何を食べても旨い。
 個人的には「北大で教授」って、人生の勝利者だと思う。

【2015.12.22 Green Dye】

 やや久々感のある色素増感太陽電池。某A社から高効率な緑色色素を頂いたの
で大型セルを作製致しました。これに透明電解液を組み合わせれば、更に鮮やか
な色調が得られると思います。

【2015.12.19 Pacifichem2015 Day4】

 加藤研 Dr. Daniel と青学の石井先生。「液晶」流行っているんでしょうか? 昨日・
今日と朝 8:00〜19:00 まで連続してセッションがあり、更に加藤先生のご発表は明日
だとか。聴講者も 30 人強でペロブスカイトを上回っていました。我々は明日帰ります。

 来年は 10/2 に電気化学会主催の PRiME2016 がハワイで開催されます。関係各位に招集が掛かると思
われますので覚悟されたし。


【2015.12.18 Pacifichem2015 Day3】

 済みません、取り敢えず瀬川研だけピックアップ。

【2015.12.17 Pacifichem2015 Day2】

 発表日(内田)。可も無く不可も無く。冒頭、座長からアナウンスを頂いた時に初め
て自分の発表が招待講演(Invited)であることに気付きました。有り難い。橘先生、
プログラム編成ありがとうございました。


【2015.12.16 Pacifichem2015 Day1】

 5年おきにハワイで開催される日本化学会、秋の学会です。2005年、2010年、そし
て今年2015年と連続参加になります。これとは別に電気化学会主催のPRiME20XX
が同じく 5 年毎にありますので、平均すると 2〜3 年に 1 回の頻度で来ています。

 町並みはほとんど変化無し。オバマ大統領が冬休みでこちらに来ているそうで、
入国審査が厳しくなるかと思ったのですが、いつも通りでした。ホ。



The 2015 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies 
日時:2015年12月15日(火)〜20日(日)
場所:Hawaii, USA
 到着早々、激しく行動中(謎)。SPAMおにぎりが旨い。

【2015.12.15 移動日】

 純粋に日程と値段の兼ね合いで United を選びましたが、まさしく値段分の“エコノミー”でした。まあ、
次は無いな。(苦笑)

【2015.12.15 記事の御紹介】

■半透明の有機薄膜太陽電池を量産、変換効率は約5%
  http://www.nikkei.com/article/DGXMZO95097480U5A211C1000000/?
  (2015年12月16日付 日本経済新聞 電子版)

■灰色・半透明の太陽電池、ビル壁面で効率5%超
  http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1512/15/news043.html
  (2015年12月15日付 スマートジャパン)

■ペロブスカイト太陽電池の不安定性を改善、結晶シリコン型並みの効率に道
  http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/121401566/?rt=nocnt
  (2015年12月14日付 日経テクノロジー Online)

【2015.12.14 Dry Box】

 エアーテック社(神奈川)のドライボックスが納品されました。グローブボックス部分
は UNICO 製(筑波)ですが、これに除湿ユニットを接続してドライボックスとして運用
します。瀬川研はこの後ドライルームを拡張する予定で、その中で超ドライ環境を実
現します。

 内圧はフットペダルで加圧・減圧できますが、露点も含めて基本的に全て自動調整
なため、使い勝手が非常に良いです。値段も相場の半額でした。ペロブスカイトには
お勧めかも。

 ドライ到達速度も速いです。

【2015.12.14 from AISIN Cosmos】

 唐突ですが Reddy さんです。本年度のお務め、今日が最終日です。
 お疲れ様でした!

【2015.12.14 来客にて】

 筒井さんです。お変わり無さそうで何よりです。
 iPhone 6s、なか〜ま。(笑)

【2015.12.9 某社研究発表会】

 ス、、、これ以上は書けない(苦笑)。某社研究発表会、終了後の懇親会です。
いつも御世話になりありがとうございます。
 いつか動画を Up してあげたい。

【2015.12.8 記事の御紹介】

■次世代太陽電池に新素材 京大開発、変換効率2割増
  http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20151212000120
  (2015年12月12日付 京都新聞)

■京大、"座布団型"の有機半導体材料で太陽電池を低コスト・高効率化
  http://news.mynavi.jp/news/2015/12/11/475/
  (2015年12月11日付 マイナビニュース)

■ペロブスカイト太陽電池の不安定性を改善、理論限界への設計指針を発見
  − 新型太陽電池のポテンシャルを見極める −
  http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151208/
  (2015年12月8日付 JST プレス一覧)

 状況が刻々と変わるので付いていくのが大変ですが、η=19.4% はペロブスカイト
太陽電池の国内最高値ですね。Fast deposition-crystallization (FDC) 法
= Antisolvent 法で大径粒子を得たことが高効率に繋がったとのこと。

 
■Photovoltaic Performance of Perovskite Solar Cells with Different Grain Sizes  
  band alignment engineering
  Hyung Do Kim , Hideo Ohkita , *Hiroaki Benten and Shinzaburo Ito
  Adv.Mater., 2015,online, 1-6 DOI: 10.1002/adma.201504144

【2015.12.8 ペロブスカイト記録更新】

 先週の MRS/Boston で既に発表あったようですが、グレッツェル研からペロブスカ
イト太陽電池でη=21.02%(Newport 認証値)の報告がありました。


■EPFL Achieves 21% Efficiency for Perovskites
  http://www.4-traders.com/DYESOL-LTD-6500608/news/Dyesol
  (2015年12月7日付 4-treaders)

 技術的にはη=18.4% の以下の論文をベースにしていると思われ。
 
■Highly efficient planar perovskite solar cells through 
  band alignment engineering
  Energy Environ. Sci., 2015,8, 2928-2934
  DOI: 10.1039/C5EE02608C

【2015.12.6 西安交通大学にて Day2】

 午前ミーティング、午後はラボツアー、、、あれっ!? 写真が多いので別ページで。
お招き頂いた Yang 先生、最大限の hospitality を頂き本当にありがとうございました。
-----
 それにしてもこの時期、大変な状況になりました。別な意味で、こちらも記録更新中。

北京市、大気汚染が最高レベルの「赤色警報」に 300μg/m3
  (2015年12月8日付 Record China

北京 大気汚染「赤色警報」 市民生活に影響 over 200μg/m3
  (2015年12月8日付 NHK NEWS web)

中国外務省も北京大気汚染の深刻さ認める over 1000μg/m3
  (2015年12月8日付 産経ニュース)

中国 北京市、大気汚染 初の「最悪」警報 over 1000μg/m3
  (2015年12月8日付 毎日新聞)

北京の大気汚染警報に初の「赤色」、警告に従わない市民も
  (2015年12月8日付 NAVERまとめ)

「街が消える」北京で最悪レベルの大気汚染…日本におけるPM2.5汚染の状況は? 〜600μg/m3
  (2015年12月4日付 Mocosuku Woman)

中国の大気汚染が相当深刻…日本や韓国も被害
  (2015年12月2日付 NAVERまとめ)

中国大気汚染が非常事態 日本大使館「目張りを」と在留邦人に呼び掛け over 2000μg/m3
  (2015年12月2日付 ZAKZAK by 夕刊フジ)

北京の大気汚染、今冬最悪に…視界かすむ 1000μg/m3
  (2015年12月1日付 読売新聞 web)

中国大気汚染、最悪レベル「危険」超え 範囲は日本国土の1・5倍 560μg/m3
  (2015年11月30日付 産経ニュース)

中国、大気汚染禍で1日4千人死亡
  発電用の石炭排出が元凶 米国では「不健康」の大気レベルに約4割が居住
  (2015年8月14日付 産経ニュース)

 リアルタイムの気質指数はこちらでどうぞ。北京は連日500越え、しゃれにならんです。

【2015.12.5 西安交通大学にて Day1】

■Organic/Dye-sensitized/Perovskite solar cell workshop 2015
  (4-6 December 2015 Xi'an, China)
  Organized by State Key Laboratory for Mechanical Behaviour of Materials
  Xi'an Jiaotong University & Hauzhong Univetsity of Science & Technology

 案内を頂いたのは比較的最近で 10 月頃、「行きます(内田)」お返事してから例の
等価回路論文に注力していたこともあって、他の仕事に手が回りませんでした。結
果、アブストラクトはおろか発表題目すら長らく放置したままあっと言う間に時間が
経ってしまい、気付いたら(気付いていたけど)もう 3 日前!

 飛行機を調べる余裕もなく、もはや半分諦めていたら再度催促のメールを頂きまし
た。で、最終的に全ての段取りを主催の Yang 先生が取り仕切ってくれました。申し
訳無いといいますか、ほんと有り難い話であります。
 オマケで。分かるかな!? w

【2015.12.4 移動日】

 成田→上海経由で西安(中国)へ。積もる話はいろいろあるのですが、詳細は明日
へ。

【2015.12.4 長野県松本工業高校の皆さんです】

 ここ 3 年間ほど続いている見学会です。朝 9:00 から小一時間、スライドによりま
す研究紹介とラボツアーの御対応をさせて頂きました。遠来からお越し頂きまして、
大変ありがとうございました。
*******************************************************************
・早く太陽電池が生活に欠かせないものになればいいなぁと思いました。
・普通ソーラーカーはエネルギーを沢山使用するので電圧の低い色素増感太陽電池だと
 走らせるのは無理だと思っていましたが、実際に走っている映像を見て凄いと思いました。
・色素増感太陽電池を自分で製作したときは、ムラができてしまったが、大学のものは、
 ムラが無く、模様が付き、色の境界もはっきりとしていて驚きました。
・1億5千万円もする顕微鏡を使わせてもらう貴重な体験ができて嬉しかったです。
・自分はスクリーン印刷を手動でやっているが、全自動の印刷機で精度が高く驚きました。
・シリコンはシリコンの、色素増感は色素増感のそれぞれの良さがあるので、両方が活きる製品
 が増えてくるといいと思います。
・自分の卒業研究で色素増感太陽電池を扱っているので、その特徴について詳しく知ることが
 できて良かったです。
・日々の生活で英語を使っていると知り、英語が大切だと思いました。
・自分は大学に進学して研究したいと思っている研究内容だったので良い体験ができました。
*******************************************************************

 こちらこそ、ありがとうございました。

【2015.12.3 2015年電気化学会関東支部セミナー】

 都内で開催の今年最後のペロブスカイト講演会です。既に内輪の NEDO ミーテ
ィングでは披露頂いていたのですが、若宮先生より One-step 法による PTAA を
ホール輸送層に用いた太陽電池で η=18.7% 訂正、η=19.3%(国内最高値)の報告
がありました。凄いね。


【2015.11.27 記事の御紹介】

有機薄膜太陽電池で飛躍的なエネルギー変換効率の向上が可能に
  − 新材料開発で光エネルギー損失低減に成功 −
  (2015年12月2日付 JST プレス一覧)

【2015.11.27 学振175委員会「有機系太陽電池分科会」第3回研究会】

 九州工業大学にて、主題はペロブスカイト。早瀬先生ならびにご発表の皆様、お疲
れ様でした。
 ハイレベルな講演発表でした。

【2015.11.27 記事の御紹介】

有機系太陽電池採用 自発光誘導灯 性能実証実験
  (2015年11月27日付 日刊工業新聞31面)

■RATO、有機系太陽電池使った自発光誘導灯の実証実験‐17年度商用化にらむ
  http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00366137
  (2015年11月27日付 日刊工業新聞 web)

太陽電池誘導灯 NEDOが実験 埼玉・所沢に設置
  (2015年11月26日付 日経産業新聞)

■有機系太陽電池の自発光デバイスを実証、埼玉県所沢市で誘導灯として
  http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1511/26/news038.html
  (2015年11月26日付 ITmedia)

■埼玉県所沢市、駅前の植栽に有機系太陽電池を利用した自立型誘導灯を設置
  http://www.kankyo-business.jp/news/011716.php
  (2015年11月26日付 環境ビジネス オンライン)

【2015.11.25 RATO&NEDO 有機系太陽電池の実証実験に関する協定締結式】

 所沢市役所にて「開会の辞」「概要説明」「協定書への署名」「記念品交換」
「市長あいさつ」「事業者あいさつ」「閉会の辞」という流れです。新聞数社によ
る報道及び今日の5時から ケーブルテレビ(CATV) J:COM のニュース放映
予定です。お楽しみに。
  
■有機系太陽電池:実証実験、RATOと協定締結へ 所沢市/埼玉
  http://mainichi.jp/area/saitama/news/20151120ddlk11010146000c.html
  (2015年11月20日付 毎日新聞)

■有機系太陽電池の実証試験を開始 自発光誘導灯を所沢市内に設置
  http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100492.html
  (2015年11月25日付 NEDOニュースリリース)

【2015.11.25 公募のお知らせ】

 募集案愛を頂きました。詳しくはHPでご確認下さい。
■金沢大学 新学術創成研究機構
  「未来社会創造研究コア・再生可能エネルギーユニット」
  
  http://infiniti.adm.kanazawa-u.ac.jp/recruitment.html

1. 公募人員:准教授もしくは助教(ともにテニュア・トラック教員) 1名
・所  属:金沢大学新学術創成研究機構
      (未来社会創造研究コア・再生可能エネルギーユニット)
・任  務:上記研究ユニットにおいて、「若手主任研究者(若手PI)」としてユ
      ニットにおける学問分野融合型研究の推進に当たり中心的な役割
      を担うものとする
(研究ユニットにおける研究内容は、2.公募研究領域 を参照のこと)
・勤務形態:任期付きの常勤准教授もしくは常勤助教(任期は採用日から5
      年間)
・給  与:国立大学法人金沢大学における年俸制を適用
・再任・昇任制度:任期満了後の審査を伴う再任・昇任制度:研究業績に係
      る学内審査の結果に応じて、テニュアを付与し上級職階への昇任、
      あるいは同一職階でテニュア付与。テニュア審査において、テニ
      ュアトラック期間を延長することが認められた場合(最長3年間)
      は、延長後の期間の最終年次に再度審査を実施します

【2015.11.22 ICI石井スポーツ仙台泉店にて】

 今シーズンの靴合わせ。太陽電池は関係無し(ゴメンよ)。調整に調整を重ねて完
璧に仕上げます。ここまで 2.5h。更に靴裏に高さ調整のピースをはめてコバを削り、
角度調整も行うので、仕上がりは来週以降になります。
 競技用スキーは一般用とは比べものにならないくらい手間が掛かります。出費も桁違いですが... 橋山さ
ん、いつも御世話になりありがとうございます。

【2015.11.20 E-SEG Day X】

 太陽電池版“地上の星”かも。今日もこれから所沢市に行ってきます。

【2015.11.18 講演会のお知らせ】

 今年最後の、都内で開催のペロブスカイト講演会です。来週が〆切なのでご注意下さい。

■2015年電気化学会関東支部セミナー
  「ペロブスカイト型太陽電池の最新技術と開発動向」
 
  「http://www.electrochem.jp/event/2015_1203.html

 日 時:2015年12月3日(木)10:00〜17:00
 場 所:東京大学先端科学技術研究センター
       4号館2階講堂(目黒区 駒場4丁目6-1)

 参加申込締切 11月27日(金)
 定 員:100名
 参加費:個人会員・法人会員10,000円,専門研究会員15,000円,
       非会員20,000円,学生2,000円
  

【2015.11.17 所沢市のニュースです】

 遂に始まった、色素増感太陽電池の実用化に向けた本当の(?)実証試験です。
今から多くの取材がありますよう、期待しております。


 

■有機系太陽電池の実証実験に関する協定締結式を行います *DSC
  http://www.city.tokorozawa.saitama.jp/tokoronews/press/h27/201511/20151117.html
  (2015年11月17日付 所沢市ホームページ

【2015.11.17 Reddy さんです】

 11/1 よりアイシン・コスモスの Dr. Reddy さんにお越し頂いて、御講義や研究指導
を頂戴しております。企業研究なので表に出せないのが非常に惜しいのですが、ペ
ロブスカイト・色素増感共に驚異的な成果を見せております。

【2015.11.16 記事の御紹介】

■東京化成 ペロブスカイト太陽電池向け ヨウ化鉛など本格量産
  http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2015/11/18-22592.html
  (2015年11月18日付 化学工業日報)

■ペロブスカイト太陽電池、セル面積拡大と変換効率16%を両立
  http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/111601168/?rt=nocnt
  (2015年11月16日付 日経テクノロジー online)

■【革新!温暖化対策#02】塗るとクルマで発電ができる日本発の太陽電池
  「ペロブスカイト」世界各地で効率更新。東大が世界新
  https://newswitch.jp/p/2654
  (2015年11月16日付 日刊工業新聞)

有機系太陽電池で世界最高効率 東大、事業化目指す
  http://www.nikkei.com/article/DGXLZO94035640V11C15A1TJM000/
  (2015年11月16日付 日本経済新聞 電子版)

【2015.11.14 来客です】

 フランスのエコール・ポリテクニーク(Ecole Polytechnique)から、Prof. Frank Pacard
御一行様です。

【2015.11.11 LIA Next PV Conference Day2】

 Bourdaux 大学や フランス国立科学研究センター(CNRS)を中心とした日仏連携の
次世代太陽電池に関する枠組み、通称 NextPV のミーティングです。


■The 4th NextPV International Workshop, 2015 November 9-10th, RCAST
 Je vous remercie de votre visite.

【2015.11.10 フランス大使館にて】

 後から報告で申し訳ございません。

【2015.11.9 記事の御紹介】

■低コスト・高効率な次世代太陽電池、1000時間の光連続照射試験をクリア
  http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1511/09/news039.html
  (2015年11月9日付 スマートジャパン)

【2015.11.6 論文紹介です】

 ダイクロイックミラーを用いた(通常のハーフミラーではありません)、波長スプリ
ットによるペロブスカイトと色素増感太陽電池のタンデムセルで効率 21.5% を実現。
手段を問わなければ有機系太陽電池だけでもここまで出せると言うのを実証した
内容です。色素は新たに開発した Ru 系 DX3 を使用。

 
■Spectral splitting photovoltaics using perovskite and wideband
  dye-sensitized solar cells

  T. Kinoshita, K. Nonomura, N.J. Jeon, F. Giordano, A. Abate,   
  S. Uchida, T. Kubo, S.I. Seok, M.K. Nazeeruddin, A. Hagfeldt,
  M. Graetzel & H. Segawa

  Nature Communications 6, Article number: 8834 doi:10.1038/ncomms9834

【2015.11.5 記事の御紹介】

■物材機構、ペロブスカイト太陽電池でセル面積1平方cm・変換効率16%達成
  http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720151106eaae.html?news-t1106
  (2015年11月6日付 日刊工業新聞 Business Line

■ペロブスカイト太陽電池、効率と信頼性を向上
  http://eetimes.jp/ee/articles/1511/04/news122.html
  (2015年11月5日付 EETimes Japan

■室内光の発電効率を倍増、色素増感型太陽電池に工夫 *DSC
  http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/363080/110200006/?rt=nocnt
  (2015年11月5日付 日経テクノロジー online)

 奥さんですね。

【2015.11.4 記事の御紹介】

■温暖化対策が新局面 − 人工光合成とペロブスカイト太陽 
  電池、日本の革新技術が本命に

  http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520151104afac.html
  (2015年11月4日付 日刊工業新聞 Business Line)

 「劣化の原因はわかっている。”犯人“の物質を他の物質に置き換えればよい」 ほんまか? :-)

【2015.11.3 東京モーターショー】



第44回 東京モーターショー 2015

 写真が多いので別ページで。ご存知、隔年で開催される車の祭典。震災直後の
2011 年はお葬式状態。2013 年は「電気が足りない」脅されて、やたらエコと省エネ
を意識したイベントでしたが、今年は完全復活です!!!

 私は入場料が¥700 になる 4:00PM から入りましたが、日中は来場者が非常に
多かったと聞いています。家族連れの比率が高いのは「東京」ならではの特徴だ
と思います。久しぶりに明るい日本の未来を感じさせるモーターショーでした。

【2015.10.30 JEITA第4回会議】

 IEC/TC113 を視野に入れた有機太陽電池標準化Gの打ち合わせ。三歩進んで
二歩下がる。落としどころが見えない。ここでぼやいてもしょうが無いのですが、基
準に想定している 1000 Lux (at 5000K) は、どうやって担保するんでしょうか?
 11/1 から南アフリカ (Pretoria) にて定例の IEC ミーティングが始まっているのですが、遂に本家の TC82
でも有機系太陽電池の計測標準化の話が俎上に載った模様。

【2015.10.29 NEDO成果報告会 Day2】


【2015.10.28 NEDO成果報告会 Day1】

 「どうしてこうなった?」思わず声が出そうになる発表会でした。会場:NEDO 報告
会では初のパシフィコ横浜。より正確には別館アネックスなのですが、場所が分か
りづらいです。展示会場を全て突っ切った一番奥の建物になります。受付のテーブ
ルに至るまで案内は一切無しという不親切さ。予稿集:厚さ 3cm 超、重さ推定 1kg、
しかも白黒印刷。CD か DVD にしません? そして聴講者は僅か 100人足らずと
過去最低の出席率と相成りました。かつ、女性の聴講者は一人だけ(これ、あかん
パターンだ)。

 ぼやきはこれくらいにして、発表内容は今までと同等かそれ以上に質の高い発表
が見受けられました。とりわけ DSC は今になって進捗が著しく、フジクラさんは自己
評価ながら 1cm 角でη=12.45% を報告。一時期 OPV に追いつかれた感があった
のですが、ここに来て一気に引き離した印象。

【2015.10.28 ただ今準備中】

 人生ほぼ終盤であることを自覚しております。ただ今次の、恐らく最後のポジション
に向けて〆切目前の公募書類を準備中。既に何度か経験済みなので数時間でほ
ぼ仕上がりました。論文数は決して多くはありませんが、被引用回数 5443 回はまぁ
まぁ Competitive な数字だと思います。被引用回数が 100 件を越えた論文は 13 本、
最多は例のインドリン色素の論文で 850 件でした。これもひとえに DSC 黄金期にア
シスト頂きました皆様方、とりわけ堀内様のお陰です。横浜方面には一生、足を向け
て寝られないです。




 あぁ、でも本当は雪の降る北の大地に行きたい...

【2015.10.27 今日からiMac】

 さようなら PowerMac G5、こんにちは iMac。私のメインマシンとして使用開始から
あと 3 日でちょうど 10 年という時期に遂に故障してしまいました。今の iPhone と同
じアルミ筐体の美しいマシン。とても気に入っていたのに...

 CPU に内蔵された温度センサーが壊れて熱暴走しました。これ、今はもうあり得
ない特殊な水冷モデルなため修理もままならず、Apple 社も受け付けない現状、直
す手立てがありません(相当頑張ったんですが)。というわけで、観念して iMac ユー
ザーになりました。
 MK452J/A, Model No: A1418 素の 21.5"(4K) モデルです。生中継が綺麗になったかも。

【2015.10.26 講演会のお知らせ】

 土曜日の講演ですが、恐らく直ぐに定員に達すると思われます。ご興味のある
方は早めにお申し込み下さい。
■さきがけ研究21「場と反応」領域 20周年記念講演会 
 日 時:2015年11月14日(土)13:00〜17:00
 場 所:東京大学工学部6号館63号室講義室
   (東京都文京区本郷7-3-1)
 参加費:無料 定員120名
 登 録:http://hannou-20th.science/
  
 もう一件。こちらは北九州です。
■学振175委員会「有機系太陽電池分科会」第3回研究会 
 日 時:2015年11月27日(金)13:30〜17:00
 場 所:九州工業大学・生命体工学研究科・端末室 1(2F)
 参加費:無料
 登 録:http://www.gakushin175.org/

【2015.10.22 Chemistry Letters (Published)】

 ペロブスカイト 4 報目 [CL-150933]、速報としてオンライン上で今日!公開されま
した。間接的な証拠を積み上げて、ヒステリシスが生じる原因は TiO2/Perovskite
界面における格子のミスマッチが主因であると結論付けた 3 報目を補完するもの
です。今回はそれを裏付ける決定打となります「等価回路」を提案し、界面における
poor な接触により誘起されるキャパシタ成分が I-V 曲線を分裂させる ことを計算
機上で再現できることを証明致しました。

 これまでの仮説として (1) メチルアンモニウムイオンのダイポールモーメント (2)
Perovskite の誘電性 (3) イオンのマイグレーションなど諸説ありましたが、我々の
提案ではこうした材料そのものの性質には起因せず、単に層間の接合の善し悪し
(デバイスの出来不出来)がヒステリシスの多寡に影響を与えることを意味します。
かつ、これまでの経験と照らし合わせても符合致します。

 Chem.Lett. では、ここしばらく競争が激化しているペロブスカイト太陽電池研究に
配慮して審査プロセスを大幅に見直しており、今回はそれに合わせて時短を最優
先してこちらに投稿しました。結果、Submit から審査を受けてオンライン公開まで僅
か 2 週間足らずと、恐らく世界最速の対応を頂きました。関係の皆様方に心から感
謝申し上げます。


■Origin of the Hysteresis in I-V Curves for Planar Structure
  Perovskite Solar Cells Rationalized with a Surface Boundary  
  Induced Capacitance Model
 
  Chem. Lett. DOI: 10.1246/cl.150933
 何通りか試したモデルのうち2つは Supporting Information に収録されています。公開は1月程度先に
なりますので、あとしばらくお待ち下さい。

【2015.10.17 Chemistry Letters】

 我々のここ最近のペロブスカイト太陽電池に関する集大成。Chem.Lett. 今年 4 報
目です。金曜日深夜にも関わらず、メールで「Accept」のお知らせを頂きました。素早
い対応を頂きました編集委員の皆様、また繰り返しになりますが(ほんといつも申し訳
ございません)論文審査頂いた先生方に感謝致します。
> ==================================
> Manuscript ID: CL-150933.R1
> Manuscript Title: Origin of the Hysteresis in I-V Curves for Planar Structure
 Perovskite Solar Cells Rationalized with a Surface Boundary Induced Capacitance
 Model
> Authors: Cojocaru, Ludmila; Uchida, Satoshi; Jayaweera, P.V.V.; Kaneko, Shoji;
 Nakazaki, Jotaro; Kubo, Takaya; Segawa, Hiroshi
> Submitted Date: 16-Oct-2015
> ==================================
>
>
> We are pleased to inform you that your revised manuscript
> is acceptable for publication in Chemistry Letters.


 早ければ来週中にもオンラインで公開されます、御期待下さい。

【2015.10.16 リンゴジュース】

 週末、いつものように新幹線で仙台へ戻るべく東京駅へ。喉が渇いたので自販機
でリンゴジュースを買う。お値段¥160也。正直「少し高いな」思ったのですが、弘前
出身の身としては応援せざるを得ない。がしかし、封を切って口にした瞬間「!!!」
驚きました。これ、昔HPでもご紹介したことがある本物のリンゴジュースです。まさか
こんな所で飲めるとは。

 市販のリンゴジュースはペットボトルは無論のこと、缶ですら通常は酸化防止剤の
アスコルビン酸(ビタミンCです)が必ず添加されているため舌に薬っぽい後味が残
るのですが、絞りたてのジュースは一度味わうと決して忘れられないくらい爽やかな
風味があります。密閉技術が進んで、なおかつ品物の回転も早いので実現できたん
ですね。これ、倍の値段でも十分見合う価値があると思います。

 話は少し逸れますが本物のリンゴについて。この時期まだ本格的な出荷には早い
のですが、地元民がお勧めなのは黄色い「トキ」という種類。「キオウ(黄王)」とは違
うので、お間違えの無いよう。「フジ」ほど水々しくは無いのですが酸味が少なく、い
かにも果物っぽい感じの良い味がします。お試しあれ。


■青森りんご 紅玉ブレンド
  http://www.acure-fun.net/products/acuremade/apple/
  (2015年6月30日付 acuremade りんごシリーズ)

【2015.10.16 記事の御紹介】

■銀:ペロブスカイト太陽電池のコスト低減に最有力の電極材料
  http://www.oist.jp/ja/news-center/news/2015/10/13/21725
  (2015年10月14日付 沖縄科学技術大学院大学 ニュース)

【2015.10.14 論文の御紹介】

 ペロブスカイト型太陽電池の熱膨張率に関する論文。同じく A. Hagfeldt 先生から。
公開されたのは一昨日の10月12日ですが、受理は7月3日と我々よりもむしろ数ヶ月
先んじています。

 熱膨張係数 Coefficient of thermal expansion, CTE を見ますと、下記論文ではαv
= 1.57×10^4 K^-1 で、我々の結果 [CL-150781] は平均値で 1.52 とほぼ同じ値が
報告されています。


■Determination of Thermal Expansion Coefficients and
  Locating the Temperature-Induced Phase Transition in
  Methylammonium Lead Perovskites Using X-ray Diffraction 

  Inorg. Chem., Article ASAP
  10.1021/acs.inorgchem.5b01481

【2015.10.14 記事の御紹介】

■「ゾンビ太陽電池」が発見される *DSC
  乾燥した電解質が色素増感太陽電池改良のブレークスルーに!?
  http://ascii.jp/elem/000/001/063/1063813/
  (2015年10月13日付 ASCII.jp×Digital)
  High-efficiency dye-sensitized solar cells with molecular  
  copper phenanthroline as solid hole conductor

  DOI: 10.1039/C5EE01204J

 Anders, Good job!

【2015.10.9 CSJ化学フェスタ2015】

 日本化学会のイベントです。今日は私、説明員としてポスターの前に立っております。^^;

第5回CSJ化学フェスタ2015
  日 時:2015年10月13日(火)〜15日(木)
  場 所:タワーホール船堀


【2015.10.9 ペロブスカイトMtg】

 NEDO「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」 プロジェクト集
中研ミーティング。瀬川先生に代わって急遽、私の方から最近の進捗を御報告させ
て頂きました。既に論文公開された等価回路ですが、当初はトランジスタを用いた増
幅回路を想定しておりました。


【2015.10.9 CEATEC2015】

 「何か違う」。活気があるとか無いとかではなく、質的に今までと全く違うイベントに
なっていました。TVの解説では「家電からロボットへ」でしたが、私の印象は「巨大な
パーツ市場」。どちらかと言うと自動車産業を意識した「秋葉原祭り」みたいな印象。
その証拠にソニーも東芝も出展が無く、代わりに本田技研とマツダ自動車が一角を
占めていました。

 パナソニック(と、シャープ)ではかろうじて 4K テレビをデモしていましたが、イベン
ト全体からすると決して主流ではなく、そして肝心の太陽電池は、、、従来のシリコン
系含めて影も形もありませんでした。市場は、もはや誰も太陽光発電に期待してい
ないということでしょうか。トホホ。


CEATEC Japan 2015(シーテック ジャパン)
  日 時:2015年10月7日(水)〜10日(土)
  場 所:幕張メッセ

 唯一、日本ケミコンさんが色素増感太陽電池を展示されていました。

【2015.10.7 ノーベル化学賞発表日】

 来年に期待します。私、色素増感の HP 開設以来初めて NHK からスタンバイ要請が掛かったのに...

【2015.10.7 International Garden Party】

 年々グレードアップしている外国人研究者・留学生との懇談会です。
 オマケ

【2015.10.6 セル作製トレーニング】

 コジョカル博士によりますペロブスカイト太陽電池作製講習会。NEDOプロジェクト
がスタートして新たに参入したメンバーが対象です。効率はη=14.5%でした。上出来。
 ちゃんとマスクしてますよ〜

【2015.10.5 Lecture】

 東工大の米谷先生によります講演会、先端研でレクチャー頂きました。
 ありがとうございました!

【2015.9.30 移動日】

 機内映画感想メモ。評価順に以下の通り。

・Pitch Perfect2 ピッチ・パーフェクト2 (2015) ◎ ハイライトシーン
・Boychoir ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 (2015) ◎
Yasmine (2014) ○○
・Terminator Genesis ターミネーター:新起動/ジェニシス (2015) ○
・SPY (2015) ○
・Aloha (2015) ○
・Parasyte Part2 寄生獣 完結編 (2015) ○
・A Little Chaos ヴェルサイユの宮廷庭師 (2014) ○
・Far From The Madding Crowd (2015) △
・The Age of Adaline アデライン、100年目の恋 (2015) △
・Mad Max: Fury Road マッドマックス 怒りのデス・ロード (2015) ×
・Furious 7 ワイルド・スピード SKY MISSION (2015) ×

【2015.9.29 PSCO-2015 Day3】

 I did my best. ダイポールモーメント、イオン・マイグレーションなど諸説ありますが、
応物でお話しました通り、ペロブスカイト太陽電池のヒステリシスは材料に依存しな
いことを報告。効率面ではまだ一二歩遅れていますが、サイエンスではヨーロッパ
勢を僅かに出し抜くことができたことを静かに、でもしっかりと知らしめて参りました。


 先日ご紹介した下記論文 [CL-150781] 、ヒステリシスは TiO2/Perovskite 界面の
物理的な格子のミスマッチに起因する
ことを提案したものですが、十数日遅れでグレ
ッツェル研からほぼ同じ内容の論文が出たとのこと。素早い対応を頂いた Chem.Lett.
編集委員の皆様と、審査頂いた先生方に感謝です。そして、何よりもコジョカルさん、
Liuda, Good job!

 発表終わって Hagfeldt らに取り囲まれ「お前の言うとおりだ」「同じ事を考えていた
んだよ(やられた!)」などなど。でも、表情は皆笑顔でした。知識を共有できたという
意味ではお互い様ですからね。ペロブスカイト太陽電池が世に出て以来、悩まされ
てきたヒステリシスの議論に決着が付いたと確信した瞬間でした。夜はそのまま
Team Anders に誘われて一緒にディナーへ。Thank you Anders!


■Temperature Effects on the Photovoltaic Performance of 
  Planar Structure Perovskite Solar Cells
  L. Cojocaru, S. Uchida, Y. Sanehira, V. Gonzalez-Pedro, J. Bisquert,
  J. Nakazaki, T. Kubo, Hiroshi Segawa 
  Chem. Lett. DOI: 10.1246/cl.150781

 未解決の等価回路についても、学会会期中、遂に謎が解けました(でも公表はしませんでした)。
次の発表は来年ですね。

【2015.9.29 記事の御紹介】

 海外出張中の取りこぼし記事です(今頃すいません)。三菱化学の有機薄膜太陽
電池です。


「曲がる太陽電池」で日本メーカーが中国勢に反転攻勢
  数年後の世界市場が一変する可能性も
  (2015年9月29日付 産経ニュース)

【2015.9.28 PSCO-2015 Day2】

 ご報告したい話が沢山あるのですが、明日の発表に備えていろいろ準備致します。
グレッツェル先生から予定通りη=20.8% の報告がありました。

【2015.9.27 PSCO-2015 Day1】



第1回ペロブスカイト太陽電池及びオプトエレクトロニクス国際会議(PSCO-2015)
  日 時:2015年9月27日(日)〜29日(火)
  場 所:スイステック・コンベンションセンター (Lausanne, Switzerland)

【2015.9.26 移動中】

 羽田(HND)→パリ(CDG)→ ジュネーブ(GVA)でローザンヌへ。帰りは現地 30 日
(水)9:40 ジュネーブ(GVA)→フランクフルト(FRA)→10/1 日(木)6:30 羽田(HND)
着です。

【2015.9.24 論文の御紹介】

 色素増感太陽電池。独自にトリメトキシシランをアンカーに用いた新色素 ADEKA
-1
とコバルトレドックス対を組み合わせて最適化を行い、自己申告ながら効率 η=
14.3%
の世界記録を報告。1/2 Sun 条件下ではη=14.7% に達します。同じく自己申
告のグレッツェル先生の報告がη=13.0% ですので、実に 1% 以上もの進歩になり
ます。太陽電池の歩みからすると約 4〜5 年分のブレークスルーに相当。

 でもな。せっかくここまで良い仕事をしたなら、きちんと第三者の評価機関で認証
を受けて欲しかった...。今ですと有機系太陽電池の評価でしたら AIST でなくとも
KAST@神奈川 や Newport@米国、SEMI@台湾などでも受け付けてくれますからね。


■Highly-efficient dye-sensitized solar cells
  with collaborative sensitization
  by silyl-anchor and carboxy-anchor dyes 

  Chem. Commun., 2015, Advance Article
  DOI: 10.1039/C5CC06759F

 これで電解液にクレイを添加すればη=15% を越えるんじゃないでしょうか?

【2015.9.23 エピローグ・応用物理学会】

 「ふうか」様より掲示板へ新たに書き込みを頂きました。ありがとうございます。

 「何で私が?」思いつつも、同業者として見過ごすわけにも行かず。応用物理学会
では大勢人が集まることが予め分かっておりましたので、かつ発表時間も少し長め
に頂いておりましたので、ペロブスカイト太陽電池の鉛問題に関して私の方からス
ライド5枚ほどアナウンスさせて頂きました。御参考になりましたら幸いです。

【2015.9.22 MRS Fall Meeting 2015】

 ペロブスカイト関係。去年もありましたが、12/1日(火) 「Symposium NN/OO
Special Rump Session, 5:15 pm - 7:00 pm in Ballroom B」 にて、公開プログラムと
は別に 5-8 分程度の短い口頭発表からなる追加のセッションを開催するとのこと。

 USA の動向はあまり気にとめていなかったのですが、今数えたら 11/30-12/4 に
渡って合計141 件もの発表が予定されています。アメリカならではですね。その昔、
有機 EL が行き詰まると研究者は大挙して有機薄膜太陽電池へシフトし、それがま
た一段落すると今度はペロブスカイト太陽電池へ移っている印象。予算の都合と思
われますが、研究テーマに関しては日本より遙かに自由度が少ない印象。違いま
すかね?


2015 MRS Fall Meeting & Exhibit
  日 時:2015年11月30日(月)〜12月4日(金)
  場 所:Hynes Convention Center, Boston, USA

【2015.9.19 記事の御紹介】

■どんどん上げていくよ! *DSC
  ハイブリッド・ソーラーパネルで発電効率が跳び上がり 
  http://www.gizmodo.jp/2015/09/hybridsolar.html 
  (2015年9月15日付 GIZMODE)

【2015.9.18 SENSOR EXPO Japan です】

 最終日の夕方、予想外に出発が遅れたので慌てて電車に飛び乗り 「セーフ」 思っ
て安心したら、そのまま眠ってしまいました。気付いたら、なぜか逆方向の武蔵小杉
駅へ到着(あり得ない!)。情勢を立て直すべく必死に時間を計算して成田エクスプ
レスに乗り換え、東京ビッグサイトに着いた時は終了 10 分前でした。激疲れ。

 という前置きで、日本精工 NSK さんの透明色素増感太陽電池セルを視察に行って
参りました。今回は無線機との組み合わせを提案されていました。
 色素増感の展示はこれ1件でした。

【2015.9.18 レーザー加工装置です】

 諸事情で Web 上に製品案内やカタログはありませんが、(株)インデコ取り扱いの
レーザー微細加工システムが納品されました。
これで FTO ガラス基板のエッチング
を行います。スペックは YAG Laser (1050nm) 20W、加工エリア 100×100mm と強力
ですが、相場の半額以下と驚異的に低価格です。まぁ、人柱かも。この後、保護カバ
ーと集塵機を追加購入する予定。
 <注>『株式会社インデコ』は平成29年1月4日付けで自己破産し、営業を停止しました。

【2015.9.17 所沢市市役所です】

 ゆるキャラ“トコろん”でお馴染みの(?)埼玉県所沢市市役所へ来ました。有機系
太陽電池組合 RATO が受けた NEDO プロジェクトの一環で、色素増感太陽電池も
しくは有機薄膜太陽電池を搭載した緊急時自発光誘導デバイス(E-SEG)の設置許
可を頂くための打ち合わせです。早ければ 11 月から稼働する予定。市長立ち会い
の記念セレモニーをやるとかやらないとか。。。
 外の RATO 行事はなぜか毎度雨。誰ぞ?>雨男

【2015.9.16 SPD研究所です】

 名古屋からの帰り道。ウナギを食べに、、、ではなく、SPD研究所(浜松)へ立ち寄
りました。先日ご紹介した 「PV Power Analyzer」 ですが、我々実際に使用した後で
細かいソフト&ハードの仕様変更をお願いし、東京から持ち込んだ機械はその場で
改造して頂きました。メーカーの既製品と違って完全自社開発なため、大概のリクエ
ストに応えられるのはベンチャーならではの強みだと思います。

 お陰様で当初一方向からしかスキャンできなかった MPPT 測定ですが、ペロブス
カイト太陽電池に合わせて両方向から最適動作点を追尾できるようになり、かつ電
圧の振れ幅などのパラメータも可変できるようになりました。金子先生、ビラジさん、
どうもありがとうございました!
 ソフトは(ハードも)デザイン含めて全てビラジさんが一人で作製しています。凄いね! *サービス動画 (22MB)

【2015.9.15 AISIN精機です】

 応用物理学会の最終日、同じく愛知県の刈谷市に移動して AISIN 精機さんを訪問
致しました。創立 50 周年を記念してリニューアルされた新製品展示館へ。圧巻は建
物1Fの窓側にずらりと並べられた色素増感太陽電池パネルで合計 22 枚。これ、ど
こまでお話して良いのか分かりませんが、素材はフィルムで、かつ電解液フリーの全
固体型
です。
[色素増感太陽電池パネル搭載緊急時自発光誘導デバイス(E-SEG)]
[フレキシブル全固体型色素増感太陽電池パネル]
[新製品展示館(アイシンG・コムセンター)]
 お招き頂き、大変ありがとうございました。

【2015.9.15 久しぶりの再会です】

 刈谷市にて。元太陽誘電、伝説の DSC ソーラーカー 1st ドライバー。今は立派な
ママさんです。(^^;)
 リンク先の写真、真後ろの方が旦那さんですよ〜。

【2015.9.14 応用物理学会です】

 ざっと見、200 名程度の会場は朝から満員でした。ペロブスカイトというキーワード
で皆ここに集まったわけですが、登壇者のほとんどは普段、応用物理にあまり馴染
みの無いメンバーが多く、逆に聴講者は従来から参加しているシリコン or 化合物半
導体薄膜の関係者がほとんどで、分野を横断した異色のミーティングとなりました。
第76回応用物理学会秋季学術講演会
  日 時:2015年9月13日(日)〜16日(水)
  場 所:名古屋国際会議場

【2015.9.13 移動日】

 学会会場の下見を兼ねて名古屋城へ。
石垣の作りが、まんまペロブスカイト。

【2015.9.12 電気化学会です】

 いつもの「光電気化学とエネルギーの変換」セッション。参加者は 50 名ちょっとで
しょうか? これまでは光触媒と色素増感太陽電池が二分して2日に渡って開催する
のが常だったのですが、掲示板にも少しやりとりがありますが、後者は遂に発表たっ
たの 1 件!とお寂しい状況に。完全に流れが変わったのが実感されます。


2015年電気化学秋季大会
  日 時:2015年9月11日(金)〜12日(土)
  場 所:埼玉工業大学(埼玉県深谷市普済寺1690)
 かく言う私も、もともと DSC を発表するつもりでいたのですが、間違えて応物のア
ブストラクトを電化用に手直しして出してしまい、ペロブスカイトの話をすることになっ
てしまいました。まぁ、結果オーライなんですけど。
 しかも、間違いに気付いたのがつい最近だったりして。疲れてますな >私。

【2015.9.10 論文紹介です】

 ペロブスカイト 3 報目。瀬川研と Bisquert らの連名で、今回も Chem.Lett. です。
ちなみに近々投稿する 4 報目も Chem.Lett. を予定。Advance Publication なので
正式な番号が付くまで Supporting information が公開されないのが残念ですが、実
際は補足説明の方が本文よりもページ数が多く、載せきれなかった写真やグラフが
いろいろ集録されています。 [CL-150781]

 内容ですが、温度調節器が付いた XRD で -100℃〜+100℃の範囲で結晶構造の
変化を観測しつつ、同じく -38℃〜+103℃の範囲で I-V 測定を行い結果を付き合わ
せました。ヒステリシスと太陽電池効率は室温付近で最大となり、それより先の相転
移温度 56℃付近で効率が大きく下がり、ヒステリシスも無くなります。

 また XRD 測定から熱膨張係数を求めますと、鉛ペロブスカイトのそれは TiO2 よ
りも 5.6倍も大きいことが明らかになりました。即ち、温度の影響をあまり受けない
FTO ガラス(F:SnO2)や TiO2 に対して CH3NH3PbI3 は体積膨張・収縮を起こしや
すく、とりわけ TiO2 / CH3NH3PbI3 界面では機械的なストレスが蓄積しやすいこと
が分かります。

 その他、結晶格子のミスマッチ等の検討からも前二者間の不整合は最小でも 12%、
平均して 20〜30%と非常に大きく、本質的に接合しない(できない)馴染みの悪い
組み合わせであることが計算により求められました。続きの解説は来週の応用物
理学会で。


■Temperature Effects on the Photovoltaic Performance of 
  Planar Structure Perovskite Solar Cells
  L. Cojocaru, S. Uchida, Y. Sanehira, V. Gonzalez-Pedro, J. Bisquert,
  J. Nakazaki, T. Kubo, Hiroshi Segawa 
  Chem. Lett. DOI: 10.1246/cl.150781

 レフェリーの先生方、毎度貴重な時間を割いてコメント頂きありがとうございます。

【2015.9.8 RATOです】

 ラーメンを食べに、、、ではなくて、隣の埼玉県所沢市の JR 航空公園駅付近にて
夜間の人の往来調査と道路の明るさを測定しに行って参りました。最終的に、こうし
た現場に色素増感太陽電池パネルを搭載した緊急時自発光誘導デバイス(E-SEG)
を設置し、実用性を評価します。
 評価を終えて戻ってきたら、0 時過ぎていました。お疲れ様でした。

【2015.9.7 Fermi surface of Perovskite】

 っしゃー! 解けたぞ。計算で求めた鉛ペロブスカイトの「フェルミ面」です。鉛原子
を中心とした真ん中とそれを囲む 4 ヶ所、軸方向に真っ直ぐ並んで導電パスを形
成している様子が観察されます。

 一度電荷分離した電子はフェルミ面に沿って他のチャンネルと緩衝することなく一
方向だけに流れるため、ホールと再結合し難い理由の一つがこれで説明、、、本当
にこれで合ってるかな? 来週の応用物理学会で披露致します、お楽しみに。
 モザイクごめん。

【2015.9.7 理科大野田キャンパスにて】

 ペロブスカイトの謎を探るべく、表面光電子分光のエキスパート、中山泰生先生を
辿って東京理科大学の野田キャンパスへ来ました。個人的には10年振りくらいかも。
廊下の案内を良く見たら、見知った先生が何人かいらっしゃる! 野田キャンパスだっ
たんですね。
 御対応、ありがとうございました。

【2015.9.4 経済産業省にて】

 会議です。私がここに足を運ぶことはそれほど無い(基本、出来るだけ避けたい)
のですが、大型予算の立ち上げや新しい事業を始める上での制度確認だったり等、
どうしても打ち合わせが必要な場面が出て参ります。

 先方、さすがに課長クラスになりますとスケジュールがタイトでいろいろ調整が難し
いのですが、夕方遅くに貴重なお時間を頂いてアドバイス頂きました。

 お忙しい中、ありがとうございました。

【2015.9.3 記事の御紹介】

京大、ペロブスカイト半導体単結晶内での光キャリアの振る舞いを解明
  (2015年9月3日付 日刊工業新聞 Business Line)

物材機構、太陽光波長領域を840nmに拡大したペロブスカイト太陽電池用材料を開発
  (2015年9月2日付 日刊工業新聞 Business Line)

【2015.9.1 ミラーのクリーニング】

 瀬川研に6台あるソーラーシミュレータの1つでY社製のもの。例によってミラーが
ヘタって光量が 1sun 出なくなったため、磨きました。私個人的にはこれが 3 度目の
経験なため、手際良くさっさとバラして→磨いて 30 分程度でお仕舞いです。

 当然ですが力加減を間違えると蒸着膜が剥げて修復不能になりますので、試され
る方はくれぐれも自己責任でお願い致します。

 楽勝!

【2015.8.28 実験 Day8】

 怪しい実験レポート8回目。しばらく間が空きましたが、遊んでいたわけではありませ
ん(一応)。全力でペロブスカイトに取り組みつつ、その一方で全く異なる材料で“それ
らしい”セルを模索しています。いろいろ検討した結果、半導体加工技術を駆使して遂
に超薄膜になりました。スゲー(笑)。

 効率はまだそれほどでもありませんが、鉛ペロブスカイトも既にcm級の単結晶の論
文が出始めましたので、いずれ「如何に薄く削るか」が勝負の物理デバイスになって
いくのかもしれません。

 与えられたチャンス(=テストピースの数)は21枚です。合計ン十万円。I-V 曲線が、、、出てくれないと困ります。

【2015.8.28 プチプチ祭り】

 ノーコメント ^^;)

【2015.8.26 お疲れ様です】

 村上拓郎先生@AIST、東大先端研(瀬川研)にて初のセル作製と I-V 測定です。

【2015.8.26 SPD研究所です】

 これはいい!本当は来月の応用物理学会の発表まで伏せておこうと思ったので
すが、公開しちゃいます。2004年6月に静岡大学名誉教授の金子正治先生が設立
されたSPD研究所で新たに開発した「PV Power Analyzer」。試作第1号機をデモし
に来てくださいました。
 正直、I-V 測定器は自分の研究室に何台もありますし、その他の機能はオマケ?
程度に認識していたのですが(失礼)、目新しい点としては最大電力点追従機能を
備えています。俗に言う MPPT (Maximum Power Point Tracking, MPPT) ってやつ
です。技術的には昔からある手法で、屋根に太陽電池パネルを置いている御家庭
には須く「パワーコンバーター」と称する装置の中にこの MPPT が組み込まれてい
るわけですが、本機は太陽電池計測用に汎用性を持たせた仕様になっています。

 さっそくその場で特別にヒステリシスの大きな PSC を用いて Pmax を追尾計測し
たところ、Reverse η=14%(Forward はη=8%)級のセルで Reverse (=Voc) 側から
走引した場合、30分程度はそのまま Pmax を維持していることを確認できました。

 ヒステリシスのあるセルについては、これまで国際会議などで散々「過大評価だ」
「間違いである」等、科学的な議論・裏付けや根拠も無いまま一方的に非難されてき
たわけですが、それどころか Nature 系の雑誌ではわざわざ緊急声明とガイドライン
まで作製して「排除」してきたわけですが、我々の結果では Planar 構造の PSC に
おいて Reverse scan で出た高い側の効率は純粋に照射光エネルギーを変換した
結果の値であることが<ほぼ>確かめられました。続きは電化@埼玉工大もしくは
応物@名古屋国際会議場で。

PV Power Analyzer VK-PA-25 
 デモ機は、そのままお買い上げとなりました。(苦笑)

【2015.8.25 標準化活動】

 電子情報技術産業協会、通称 JEITA にて。有機系太陽電池の低照度環境下での
評価測定方法について標準化活動を進めています。最終的に“有機”には拘らない
規格になる模様。

 最初から予想される話ではありますが、太陽電池の計測手法よりも光源そのもの
の定義をどうするかで苦慮しています。
 私(と KAST)はオブザーバー参加です。と言いつつ、なぜか副主査だったりします。(苦笑)

【2015.8.25 記事の御紹介】

物材機構、ペロブスカイト太陽電池の劣化を理論計算で解明空孔介し陽イオンも拡散
  (2015年9月1日付 日刊工業新聞)

次世代太陽電池の劣化問題、理論計算で解明
  (2015年8月25日付 EE Times Japan)

ペロブスカイト太陽電池の劣化問題の原子レベル機構が理論計算から明らかに
  〜耐久性と安定性向上への貢献に期待〜
  (2015年8月21日付 科学技術振興機構(JST)共同発表)

 「(前略)これまで注目されて来なかった陽イオン分子も空孔を媒介として容易に
拡散し、移動しうることを世界で初めて証明しました。」
ありますが、陰イオンである
「I- migration」の理論計算だけでなく、陽イオン分子の移動に関しても既に下の別
な論文中で図解入りで詳しく述べられています。

■Ionic transport in hybrid lead iodide perovskite solar cells
  Nature Communications 6, Article number: 7497 | DOI: 10.1038/ncomms8497
 

 いずれにせよ仮に何らかのイオンが動いたとして、あるいはダイポールモーメント
がシフトするなり誘電特性が発現したとして(←ここまでは散々、既にいろんな人が
議論してきた話です)、それが次にヒステリシスなり電池寿命とどうリンクするのか
は未だに Unclear だと思います。

【2015.8.25 続2・ALD】

 前回真っ黒けになった失敗を踏まえて、ALD による TiO2 成膜時の雰囲気温度を
少し下げて再度お願い致しました。膜厚違いで2水準、まだうっすらと着色がありま
すが、まあまあ許容範囲かも。この後 PSC を構成して特性評価します。


【2015.8.21 来客です】

 徳島県立徳島科学技術高等学校の生徒さん。遠来から見学にお越し頂きまして、
大変有り難うございました。


【2015.8.20 復活!】

 ご存知の通り?本 kuroppe サーバーは東北大の片平キャンパスにあります。現
在、御世話になっているのは横山千昭先生です(感謝です!)。先々週の土曜日に
定期点検のためキャンパスが停電になり強制終了。電気はほどなく復帰したのです
が、そのままお盆休みに入ってしまったためしばらく電源を入れることができません
でした。ご心配お掛けして申し訳ございませんでした。


 にしても、長かった...

【2015.8.18 つくば訪問】

 つくばの産総研建屋内に本拠地を持つ CEREBA を訪問致しました。太陽電池を屋
内で使うことを想定した規格作りの一環です。ここでの取りまとめを JEITA 規格とし、
ゆくゆくは JIS → IEC 標準を目指します。
 ラーメン、旨めぇ〜〜〜っ!

【2015.8.17 ドライルームです】

 導入から4年近く、今日までノーメンテナンスで運用してきた瀬川研のドライルーム
ですが、フィルターの目詰まりにより余圧が保てなくなってきたので交換しました。開
けてびっくり! 超絶に真っ黒なフィルターが出て参りました。毎日休み無く使用してき
たので、まあ、当然かも。
 N崎先生、お疲れ様でした。それにしても、なぜ真夜中に???

【2015.8.12 英弘精機です】

 元々メガソーラーのモニタリングなど野外気象観測用に設計されたものですが、新
しくバージョンアップした「I-V カーブトレーサー(MP-180)」ができたというお話を頂
いたので、早速ペロブスカイト太陽電池を測定させて頂きました。以前のモデルと違
い、今度はきちんと暗電流も計れます。
 お盆期間中にも関わらずお付き合い頂きまして有り難うございました。

【2015.8.12 量子ドット】

 瀬川研、実は密かに(?)CdS系量子ドット型太陽電池もやっています。東陽テクニ
カさんの御協力を得て、たまたまお盆休み中に極低温まで測れる冷却セルをお借り
することができたので、IPCE 測定を行いました。ペルチェ素子ではなくて液体窒素を
使う本格的な装置です。
 王さん、お疲れ様でした。

【2015.8.7 記事の御紹介】

窓に貼る太陽電池 三菱化学、米3Mと開発 
  オフィス向け、年内発売
  (2015年8月7日付 日本経済新聞*面)

三菱化学、窓に貼る太陽電池 米3Mと開発
  (2015年8月7日付 日本経済新聞 電子版)
シースルー有機太陽電池フィルムの市場開拓を開始 
  (2015年8月7日付 三菱化学株式会社 ニュースリリース)
 M島様、有り難うございました。

【2015.8.7 修理です】

 納品から7〜8年? 酷使してきた分光計器製の IPCE 測定装置。瀬川研には単色
光 5mW ハイパワータイプと二光源式の高精度タイプの2台、更に定エネルギーでは
ない普通のものも入れると3台あるのですが、最初のものが光量不足に陥り、ミラー
とリフレクターを交換することになりました。

 中を開けたらびっくり、予想以上に焦げて(酸化が進んで)いました。前回、ORIEL
のリフレクターはカタログに「ロジウムメッキ」と書いてあったので自分でピカール
磨いたら再生しましたが、こちらのものは蒸着で作製した薄膜なので「恐らく無理」と
のこと。
 近藤さん、有り難うございました。

【2015.8.6 修理です】

 「目の付け所が日立だね」ときどき本気でそう思う。詳細は割愛しますが、今回は真
空張り合わせ装置のバッテリー交換です。なんでも、基本的に工業製品を量産する
ことを前提に設計されているため、大学のような装置の稼働率が低い条件ではバッ
テリーへの負荷が増えてエラーを起こすとか。
 技術はピカ一です。問題は、営業が○※#▲...

【2015.8.6 記録更新です】

 一月半ほど見落としていたのですが、「Progress in PHOTOVOLTAICS」誌の太陽
電池の効率記録テーブル ver 46 がアップデートされていました。今回のポイントは
色素増感太陽電池!
■Solar cell efficiency tables (version 46)
  Progress in Photovoltaics DOI: 10.1002/pip.2637 

 フジクラさんに代わり再びシャープ&東京理化大が minimodule でη=10.0% を報
告しております。これで (1) ミニセル (2) ミニモジュール (3) サブモジュール、全ての
カテゴリーでシャープが記録保持者となりました。凄いね! その他の太陽電池は

-------------------------------------------------------------------
NRELのチャート、最新の6/9版で、以前のものからの変化は、
Single-Junction GaAs / Single crystal:26.4→27.5%
Crystalline Si Cells / Thick Si film:削除
Thin-Film Technologies / Nano-, micro-, poly-Si:削除
Thin-Film Technologies / Amorphous Si:H :13.4→13.6%
Emerging PV / Organic cells:11.1→11.5%
Emerging PV / Inorganic cells (CZTSSe):11.1→12.6%   地道な変化です。
-------------------------------------------------------------------

だそうです。以上、全て中崎先生からのレポートでした。 (^^;)

 ペロブスカイトは NIMS のη=15.0% が集録されています。

【2015.8.6 論文紹介です】

 ペロブスカイト 2 報目 [CL-150385]、再掲で申し訳ございません。ようやく晴れてペ
ージナンバーも付き、Supporting information も公開されました。オープンジャーナル
のペロブスカイト太陽電池特集ページに Focus Collection として収録されています。

 塩素に関しては抜群の感度を持つイオンクロマトグラフィーですが、通常、ヨウ素の
定量はピーク位置が定まらないため不可能とされています。しかしながら過去のク
レイ電解液を用いた色素増感太陽電池の経験から、検量線を力業で作成することで
相関係数 0.9997 の精度で完璧に求めています。

 上記の分析から最終生成物の組成は CH3NH3PbI2.94Cl0.06 でした。学会では「混
合ハロゲン(Mixed halide)」と言う表現を良く見かけますが、実際はハロゲン中の Cl
量は痕跡程度の 2 atom% しか残っておらず、この議論に決着を付けることができた
と自負しております。
■Determination of Chloride Content in Planar
  CH3NH3PbI3-xClx Solar Cells by Chemical Analysis
 
  Chem. Lett. DOI: 10.1246/cl.150385
 3 報目と4 報目も既に投稿目前です。今年の目標はペロブスカイトで 10 報?

【2015.8.5 授業です】

 今日は授業名「エネルギー資源 II 集中講義」の一環で講義を臨時担当。ただし、
全て英語です。

【2015.8.4 ペロブスカイト Mtg in 東京】

 オールジャパン体制で始める NEDO ペロブスカイト太陽電池プロジェクトのキック
オフミーティングです。

 「再エネはこの20年の競争で勝ち抜いて欲しい」「頼れるエネルギーになることを確
信している」 by METI 松山課長。
 オマケ

【2015.8.3 続・PV Japan2015】

>不定期日記ですが、PV Japanのこと、記憶違いでは?
>少なくとも三年前からビッグサイト西展示場で開催ですよ。

 確かに、自分の日記を確認したら 2013 から西棟でした。御指摘有り難うございま
す。
 写真は見ての通りのテスラ (Model S) です。 F原様、ありがとうございました。

【2015.7.30 PV Japan2015】

 去年は海外出張のため参加できなかったのですが、いつの間にか会場が東棟か
ら西棟へ大幅に規模縮小され、有機系太陽電池に至っては遂に出展ゼロというお
寂しい状況でした。

 そもそも Si や CIGS 太陽電池製造企業も長年の価格競争(安く!安く!)で完全
に疲れきってますし、おまけに政府が原子力再稼動に梶を切って再エネの予算を切
りつめているので、この10年間で見ますと“風前の灯火”感が痛々しいイベントであ
りました。

 「エコ (eco)」があれだけ一般受けして盛況なのに、「再エネ」だと途端に分が悪くな
るのはここ最近の傾向です。
 「内田先生は来ていないのか?」問い合わせをいくつか頂戴したようですが、申し訳ございません、明日は
見送りさせて頂きます。

【2015.7.29 神奈川科学技術アカデミー (KAST) にて】

 距離的に(心理的に)近いこともあって、「平成27年度 KAST研究報告会」へお邪魔
させて頂きました。



 徳丸先生! お久しぶりです。

【2015.7.27 ファインカッター】

 先日 【2015.7.6 治具の御紹介】 で御紹介したペロブスカイト太陽電池測定治具にセ
ルがぴったりフィットするよう、今度は FTO ガラス板を切る治具を作製致しました、い
や、作って頂きました。

 アステラテック(株)製の「ファインガラスカッターIII」を改造した物で、我々の基板サ
イズに合わせてベースをくり抜いてあります。イイ!
 三好社長、どうも有り難うございました。

【2015.7.21 続・ALD】

 成膜に若干の不具合を抱えていたため、メーカーさんの協力を得て再挑戦します。
今回は色味判断のため 2 inch のシリコンウエハーを使用。鏡のようにピカピカです。

 当初予定のA社(米国)、B社(米国)に加えて新興のC社(日本)も検討したのです
が、「うちはアルミナしかやったことが無い」「酸化チタンのテストにはアレとコレと、、、
が必要で 100 万円掛かる(←なわけがない!)」という、どうにも心許無い状況だった
ので、結局B社メインで考えています。


【2015.7.16 E-SEG実証試験場所の選定会2】

 有機系太陽電池研究組合(RATO)で採択された E-SEG 実証試験場所の選定会
第二弾。屋内での実施場所は神奈川技術アカデミーがあるKSPビルを予定していま
す。

【2015.7.16 Chemistry Letters】

 Chem.Lett. | CSJ Journals 誌でペロブスカイト特集サイト、2015年3月から最新のデ
ータである6月までの論文毎のアクセス数&PDFダウンロード数のトップ10リストです。

 ダウンロードは宮坂先生の Highlight Review [CL-150175] が1位、アクセスは瀬川/
内田/Cojocaru [CL-150068] が1位です。今年はまだまだ出しますので、お楽しみに!


■Focus Collection (Perovskite Solar Cells)
  http://www.journal.csj.jp/chem-lett/theme/perovskite-solar-cells

【2015.7.15 記事の御紹介】

化合物系薄膜太陽電池 光→電気変換効率18%台
  米ファーストソーラー 世界最高水準、17年投入
  (2015年7月15日付 日経産業新聞11面)

 今日の更新は Twitter 並みですね。

【2015.7.15 実験 Day7】

 怪しい実験レポート7回目。遂にサンプルが届きました。鉛フリーのペロブスカイト型
太陽電池の再々(?)挑戦。特性評価は明日以降です。


【2015.7.15 g2e & SFL-Technologies】

 色素増感太陽電池。5/1〜10/31 まで(184日間)ミラノ国際博覧会(EXPO Milano
2015)で展示されている glass2energy (Switzerland) and SFL-Technologies (Austria)
の DSC パネルです。
  
 S水様、お知らせありがとうございました

【2015.7.15 Ski Graphics】

 太陽電池関係ないけど御紹介致します。今月のスキーグラフィック誌、撮影は私。(苦笑)
 コーチはアルペンスキーの元レーサーで、現在技術選で3年連続全国4位と活躍
中の大場朱莉(おおば あかり)先生。とても凄い方に習っていたことは重々承知して
いたのですが、FB によりますと先月から日本のナショナルチーム(Japan Alpine Ski
Team)に選抜されて、オーストリアでトレーニング中とのこと。選手としての参加か?
思ったら、なんとなんとチーム監督でした。


 「なでしこジャパン」に例えれば、佐々木監督じゃないすか!? 愉里先生、朱莉コーチ、大変御世話になりました。

【2015.7.14 NEDO エネルギー・環境新技術先導プログラム】

 こっちは太陽電池のオフグリッド利用に特化したプロジェクトで色素増感系。第2回
全体会議です。最終的に新エネ・省エネ・CO2 削減を目指します。
 ご発表の皆様、お疲れ様でした。

【2015.7.14 論文の御紹介】

 ペロブスカイト。これでいいのか?という思いで1つ御紹介致します。粒子の大き
いセルほど効率が高いという主張で上から見たSEM 像、訂正、光学顕微鏡写真を
載せていますが、これ、あくまでもホールコンダクタの PCBM の観察であって、ペロ
ブスカイトについては単なる想像図がイラストで紹介されているだけです。

 圧巻なのは太陽電池効率のヒストグラム。プロットが線で繋がれていることから、
1つのセルを50回!ひたすら I-V 測定を繰り返して、効率が最も高く出た 18% を
最高値として報告しております。こうなると、もはやサイエンスでも何でもなくて、論
文掲載のための新しいテクニック(?)ですね。アメリカのグループからの投稿で
Science へ。


■High-efficiency solution-processed perovskite solar cells
  with millimeter-scale grains

  Science, Vol. 347 no. 6221 pp. 522-525
  DOI: 10.1126/science.aaa0472

【2015.7.14 三菱製紙です】

 先日御紹介した色素データベース。DP(Purple Dye) を40種類追加して計150種
となりました。


三菱製紙DSSC用増感色素データーベース

問い合わせ先:dye-solarcell@mpm.co.jp

【2015.7.13 論文の御紹介】

 ケミクレアと凸版印刷の共同研究でインドリン系青色色素です。

■Novel Near-Infrared Carboxylated 1,3-Indandione Sensitizers for
  Highly Efficient Flexible Dye-Sensitized Solar Cells

  Chemical Communications, Just Accepted Manuscript
  DOI: 10.1039/C5CC03049H

【2015.7.10 東京大学です】

 東京大学には「エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(EMP)」というコースがあり
ます。半年間の授業料が 600 万円!という VIP 向けの企画でございます。講師陣
も特別に御用意致しますし、普段は非公開の最先端の研究室現場訪問などもあり
ます。今日はその見学対応。

 「一体誰がそんな授業を受けるんだ?」「そもそも、それだけの対価は得られるの
か?」といった声が聞こえてきそうですが、そのレベル(どのレベル?)の方々が集
うという意味で、人脈作りにまたとないチャンスだったりします。今では、むしろ募集
を制限しなければならないくらい人気の講座です。

【2015.7.9 田中貴金属です】

 おっとと、既に YouTube で公開されていたのですね。Ru 金属錯体色素 DX1 と
CYC-B11 の正式なライセンシーである田中貴金属さんからのプロモーションビデオ
です。


■Future Power Generating System using Dye-Sensitized Solar Cells
  

【2015.7.9 有機系太陽電池技術研究組合(RATO)です】

 第五回E-SEG合同会議&第六回用途開拓懇談会の風景です。お陰様で今年度は
新規加入4社を迎え、以前よりも確実にアクティビティーが増加しています。

【2015.7.8 三菱製紙DSSC用増感色素データーベース】

 やや久しぶり感のある色素増感太陽電池ネタです。

 既に各種の論文や展示会のデモセル等で実績のあるインドリン色素 D102, D131,
D205, D358 に加えて、これまで開発を行ってきたン百種類の色素の中で太陽電池
向きのもの 110 種類を厳選し、色別にデータベース化して公開された模様。

 価格、出荷量等は御要望先に応じて三菱製紙さんが個別に対応・御相談頂ける
そうですので、ぜひお問い合わせ下さい。


三菱製紙DSSC用増感色素データーベース

問い合わせ先:dye-solarcell@mpm.co.jp
 凄いね!

【2015.7.7 応用物理学会】

 応用物理学会、秋の講演プログラムが公開されました。ペロブスカイトはポスタ
ー発表含めて90件くらいと思われます。色素増感は1件のみ。DSC は今まで通り
電気化学会がメインとなります。


第76回応用物理学会秋季学術講演会 
  期間:2015年9月13日(日)〜16日(水)
  場所:名古屋国際会議場

 私は DSC と PSC 両方を別々の学会でしゃべります。

【2015.7.6 国際電気化学会】

 国際電気化学会 (ISE) における 2016-2018年の次期議長は末永智一(Tomokazu
Matsue)先生@東北大になった模様。


Election of ISE VICE PRESIDENT

 おめでとうございます。

【2015.7.6 電気化学会功績賞】

 御退職された後も FB で弾けまくっている箕浦先生! 電気化学会で 
久しぶりに登場です。おめでとうございます。


H27年度電気化学会功績賞 箕浦秀樹先生

【2015.7.6 見つけた!】

 ハート型のプチプチ。1万個に1つだそうです。

【2015.7.6 治具の御紹介】

 分光計器さんにお願いしてペロブスカイト太陽電池測定専用の治具を作って頂きま
した。DSC と違ってセルの個体差、、、どころか1枚のセル内であっても場所によって
ムラと言いますか、効率の善し悪しがあるため、X-Y ステージでスキャンできるように
してあります。本末転倒(→安定したセルを作ることが先)なのは重々承知しておりま
すが、自己評価で最高値を出すにはかなり有効です。

 セルへの接続も OPV で使うような針状のコンタクトプローブではなく、レバーを倒す
ことで凹凸の付いた“面”でがっちりと押し当てるような凝った作りになっています。予
想していたより遙かに出来が良くて、かなり
満足です!
 これで予算があとン十万(?)あれば、PCとステップモーターを組み合わせて最適ポイントの測定が全自
動でスキャンできるんですが。。。

【2015.7.6 論文の御紹介】

 早速ですが、4日前に中国から公開された ALD を用いたペロブスカイト太陽電池の
論文です。“透明”で“逆構造”で“ALD 成膜”ということで、本当のウリが(オリジナリテ
ィ)がどこにあるのか把握しづらいですが、いずれにせよ薄い Al2O3 で被覆することに
よりセルの耐久性を向上させたとのこと。


High-Performance, Air-Stable, Low-Temperature Processed Semitransparent
  Perovskite Solar Cells Enabled by Atomic Layer Deposition
  Chem. Mater., Just Accepted Manuscript
  DOI: 10.1021/acs.chemmater.5b01933

 当てにしていた NEDO プロは直前に経産省からの指導(?)で大幅に予算が縮小され、執行は更に
1〜2ヶ月遅れる見通し。基本的に経産省はアンチ太陽電池、Welcome 原子力です。

【2015.7.2 ALD】

 悲願の ALD(Atomic Layer Deposition)マシーン、日本語だと「原子層堆積装置」。

 お陰様で NEDO プロが採択されたので、購入を検討中。今を遡ること 5〜6 年前、
DSC の全固体型セルでη=7%の最高値が報告された頃、グレッツェル先生が来日時
にナイショで(?)この技術を教えて頂いたのですが、当時は値段が 2 千万円を超え
ていたので、とても手が出せませんでした。ペロブスカイト太陽電池の緻密層を作る
にはうってつけかと思います。実際、ALD を用いたそのものズバリの論文も既にいく
つか出ております。

 もっとも、これだけペロブスカイトが騒がれていながらALDが普及しないのには理由
がありまして、成膜速度が遅いです。ほぼ over night。また装置も大掛かりで、ガスの
配管取り回しや除害設備も相当なものが必要でしたが、現在は卓上型のものも現れ
ています。

 下は現在検討中のA社とB社で TiO2 前駆体を 50nm と 25nm で積層してもらった
もの。正直、微妙。不均一な成膜になっているはガラス基板の裏側にガスが回った
ためと思われ。微妙。やはりプラズマ ALD にしないとだめでしょうか?

 これで韓国やシンガポールに負けていた分の遅れを取り戻したいと思います。

【2015.7.1 鉛問題再び】

 「ミスリードを起こしかねない」と御指摘を頂きましたので、掲示板の一部を抜粋致します。
御参考になりましたら幸いです。


---
15/07/01(水)09:59:30 投稿者[くろっぺ]
【No.1802】 タイトル[RE:No-Title(Res#1801)] 記事の変更・削除
 恐れ入ります、話がやや噛み合わないのですが「心配です3」さんは「ふうか」さんと
は別の方でしょうか?

>二次被害(正確には間接被害でしょうか)が出ているとのことですし、
>実験室環境中に拡散している可能性はかなり有ると思います。

 あいにく当事者ではないため、そもそも話の発端である汚染の原因に関しても(残念
なことに)正確な検証ができておりません。その後の経過や対策についても同じです。
「より安全のためにマスクをしましょう」というのが私の意見・提案です。

>ペロフスカイト実担当者以外の人にもマスクを常時装着しなさい、と指示できますか?

 私の研究室では作業部屋に人数分(厳密には使い回す場合があるので、それより少
なめ)のマスクを用意しております。長時間滞在する場合にはペロフスカイト実験担当
者以外の人にもマスクを常時装着するよう指示しております。

>ミスリードを起こしかねない記載は避けていただきたいのです。

 具体的にどのような「ミスリード」を懸念されていますでしょうか? マスクをするのは意
味が無いというお話でしょうか? 事故の無い作業環境を心掛けるのは当たり前の話で
あって、マスクをすればそれでOKといった説明はしておりません。

 本掲示板も本文と同じように多くの方が見ていますので、「心配です3」さんの御意見
もここで十分周知されておりますが如何でしょうか?

【2015.6.26 来客にて】

 サプラーイズ! でもないか。今度の新しい NEDO プロ開始に合わせて、席を用意し
てお待ち致しております。
 頼りにしております > DSC ね。(笑)

【2015.6.25 試しにちょっと】

 実験にやや行き詰まりを感じたので、試しにIII-V属系化合物半導体の代表である
GaAs 太陽電池を評価してみました。秋葉原、、、ではなく仙台で見つけたジャンク品
(¥399)です。集光レンズが付いているため正確な効率は出せませんが、僅か 2mm
角で 100mA・cm-2 をたたき出します。凄げーーーっ!
 η=20% 超と思われ。

【2015.6.24 つくばにて Day2】

 御発表の皆様、お疲れ様でした。昨日、加藤先生よりボヤキのような「独り言」を頂
きましたが、そもそも太陽電池自身が矛盾を抱えた存在であります。即ち、もしそれ
が経済的に見合う本当に優れたデバイスであるなら、メーカーはそれを売って商売
するのではなく、作った太陽電池で電気を売れば良いのです(風力や火力発電みた
いに)。

 現実にはそこまでのポテンシャルが無いので、ある意味ユーザーに「もしかしたら
儲かるかもしれない」と、リスクを押しつけて販売しているに過ぎません。皮肉なこと
に、世の中に太陽電池が広く普及するほど、発電の手段としてはイマイチなことを証
明していることになります。極言すれば、です。

 更に言いますと、もし仮に技術が究極まで進歩して0(zero)円で素子が作れるよう
になったとしても、NEDO が期待するような発電コスト7円/Wになることはありませ
ん。なぜなら、現状ではスチールの架台や施工費が半分以上を占めるからです。

 NEDO は NEDO で抱える悩みは大きく、我々日常の(急には進歩しない→)小さな
研究を支えつつ、その一方では CO2 削減や原発代替エネルギーの開発といったと
てつもない大きな課題に向き合わなければならず、自ずと本音と建て前が大きく乖
離した作文を作らざるを得ません。

 ペロブスカイト太陽電池を例にとれば、期待されているのは鉛フリーや耐久性向上
であって、誰も更なる高効率化や低コスト化を望んでいるとは到底思えないのですが
、、、私の理解では補助金を受ける側の、ここ何十年と恩恵に浴してきた一部の
NEDO 評価委員やセンセイ方の意向が大きく反映された結果だと思っております。


 今日はお陰様でいろいろ勉強になりました。有り難うございました。

【2015.6.23 つくばにて Day1】

AIST太陽光発電研究成果報告会2015
[AIST 増田淳 副研究センター長より]
・AIST は独立法人→H27/4/1から国立研究開発法人へ。
・今回の参加登録者は604名。(実参加者は 300〜400名?)

[METI 資源エネルギー庁 松山泰浩課長より]
・再エネを担当してから 9ヶ月(その前は石油の担当課長)。
・エネルギー・資源は長い時間軸で考える必要がある。
・次の世代を切り開いて行く必要がある。
・日本は原子力を中心に考えてきた→震災後見直し。
・FITの賦課金は当初コーヒー1杯程度から¥500近くまで上がってきた。
・再エネ導入には長い時間が掛かる。
・FIT導入 〜2030 までの 20 年間は社会的大実験の猶予期間。

[NEDO 資源エネルギー庁 山田宏之主任研究員より]
・PV Challengis 概要説明。
・もともと NEDO はサンシャイン計画(約40年前)を策定する機関として設立。
・固定価格買取制度終了の20年後も太陽光が選ばれるような企画を立案。
・発電コストの低減は欠かせない。*課題
・長期に安定した発電量の確保。*課題
・立地制約の顕在化。*課題
・大量廃棄物。*課題
・競争の激化(→儲からない)。*課題
・FIT により発電コストは下がった(←11~14% 設備利用率の向上が寄与)。
太陽電池を安く作る or 効率を上げる( ←技術開発を進める)。
・発電を安定化させるため、抑制の代わりに蓄電を進める。システムへの
 追加投資が必要。
・2030年までに支援に頼らず自立して普及する「普通のエネルギー」に。
・¥7/W を目指す。
・2030年までにシステム価格¥100、モジュール変換効率 25% が目標。
・NEDOプロジェクトの全てにAISTが入っている。

【2015.6.22 記事の御紹介】

高効率 曲がる太陽電池
  ソーラーフロンティア 電気変換13%台
  (2015年6月22日付 日本経済新聞11面)

 CIGS が大型の製品モジュールで既に15% (フレキシブルですら13%!)出ている
という現状があります。一方、ペロブスカイトのジレンマですが、確かに有機系太
陽電池として見た場合には突出した性能ですが、太陽電池全体の中で見れば化
合物薄膜系などη=15〜20% 級の技術は他にいくらでもあって、敢えて鉛化合物
を使ってまでこれを推し進める理由が無いと言いますか、、、そもそもコスト・性能
・耐久性・環境適合性 etc. 全ての面で<今のところ>市場競争力がありません。

 大学にいる我々研究当事者としてはネタの宝庫なので面白いのですが、この
ままですと注目されたのが急だった分、熱が冷めるのも急になりそうな予感が致
します。

【2015.6.22 川崎にて】

 満を持して(?)、今日はペロブスカイト太陽電池セミナーの講師です。
 御聴講の皆様、大変ありがとうございました。面白かったでしょ?

【2015.6.20 カスタムフェア仙台】

 年に一度、国内最大のスキー用品展示会。新潟→東京→仙台→長野→札幌→
東京→神戸の順で会場を持ち回ります。この業界、Junior と Mens (Adult) では値
段がちょうど倍ほど違うのですが(ひー!)、遂に高校生となった聡一郎、今年はル
ール上も全て大人サイズとなりました。

 国際スキー連盟 FIS の定めにより、板の長さは迷うことなく GS が 190cm(R>35m)、
SL が 165 cm。ヘルメットも 2013 年の規定改正により専用のものに。靴は大きさこ
そ変わらないものの、固さの指標である Flex は 130 を選択(ちなみにオリンピック
級の選手が 150、私は 80です)。快適さとは無縁の、ガチガチの、当に勝つための
レーサー仕様です。10:00 受付開始と同時に中へ入り、僅か30分足らずの間に給料
1月分が飛んで行きました。トホホ。


2015/2016カスタムフェア - ICI石井スポーツ
 板2本、ビンディング、ブーツ全て Fischer でお揃いです。

【2015.6.19 記事の御紹介】

東大 有機太陽電池 正極に炭素材料 レアメタル置き換え
  (2015年6月19日付 日経産業新聞10面)

【2015.6.19 実験 Day6】

 怪しい実験レポート6回目。材料調達に手間取っているため、2番目候補材料を用
いて比較のために作製したセルで遂に光起電力を確認。η=0.6%。問題はコンセプ
トが実証できているかどうかで、当座の目標値はこれを上回るη=1.0%。結果は明日
以降に持ち越しです。
 これでダメなら鉛ペロブスカイトに戻ります。あはは。(汗)

【2015.6.18 E-SEG実証試験場所の選定会】

 有機系太陽電池研究組合(RATO)で採択された E-SEG 実証試験場所を決めるた
め、千葉県浦安市の御協力を得て現地調査に行って参りました。傍目にはただの不
審者ですが...。(苦笑)

 皆さん、お疲れ様でした。

【2015.6.17 三菱化学です】

 御紹介が一週間遅れてしまいましたが三菱化学さんの OPV です。
■三菱化学、水島事業所で有機薄膜太陽電池を実証−プラントと連動、 
  20年度に利益創出
 
  http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820150611cbae.html
 K顧問、有り難うございました。

【2015.6.16 実験 Day5】

 怪しい実験の続き、5回目。実際には既に数十サンプル試しています。内田-
コジョカル・ペアでは限界があるので、会社さんの力も借りています。次回は金
属ドープ量を減らして再々再度やり直す予定。

 そうこうする内に、コンセプトが非常に良く似た論文を発見。我々が目を付け
た材料で間違いないことを確信。脱鉛化を計りつつ、効率も理論上は、、、大き
く上回るものです。開発を急がねば...


 あと少し、歯がゆい!

【2015.6.15 論文の御紹介】

 日本化学会 Chem. Lett. 誌今月号(6月号)掲載論文の中から以下の4論文が
新たに Focus Collection に掲載されました。オープンアクセスなので、会員以外
の方も自由に閲覧可能です。

http://www.journal.csj.jp/chem-lett/theme/perovskite-solar-cells

Alternative, Lead-free, Hybrid Organic-Inorganic Perovskites for Solar Applications: A DFT Analysis
  Giacomo Giorgi and Koichi Yamashita

Nb2O5 Blocking Layer for High Open-circuit Voltage Perovskite Solar Cells
  Atsushi Kogo, Youhei Numata, Masashi Ikegami, and Tsutomu Miyasaka

Substrate-preheating Effects on PbI2 Spin Coating for Perovskite Solar Cells via Sequential Deposition
  Seigo Ito, Soichiro Tanaka, and Hitoshi Nishino

Excitonic Feature in Hybrid Perovskite CH3NH3PbBr3 Single Crystals
  Hideyuki Kunugita, Tsubasa Hashimoto, Yuki Kiyota, Yosuke Udagawa, Yuko Takeoka, Yuiga Nakamura,
  Junro Sano, Tomonori Matsushita, Takashi Kondo, Tsutomu Miyasaka, and Kazuhiro Ema



【2015.6.9 実験 Day4】

 少し間が空きましたが怪しい実験4回目。前回の失敗を踏まえて、追加の材料調
達と成膜の条件出しにやや手間取りました。満を持して今日こそ、のはずだったの
ですが、実はドープする金属の制御に失敗し(途中で急激に温度が上昇)、見るか
らに金属光沢が出てしまいました。テスターで測ったセルの抵抗値も数十〜200Ω
前後と、かなりメタリック。→絶対無理

 それでもめげずに I-V 測定したら、電力こそ取り出せませんでしたが、きちんと
光応答することが確認できました。前回の課題である電荷分離は成功した予感。
今週中に再々挑戦を狙います。


【2015.6.8 レーザー加工機】

 先日御紹介した卓上型のレーザー加工機。会社が都内、後楽園の直ぐ傍にあった
ので試料を持ち込みテストさせて頂きました。FTO ガラス板は裏でも表でもお構いな
くスパスパとエッチングされ、速度も十分速いです。チタン板は楽勝。

 PC 画面上に画を描くと、ちょうどその形に赤いレーザーの(位置決め用)マーカー
が被写体に投影され、後は本番の赤外レーザーを照射するだけです。イイ!

 光源はλ=1064 nm の YAG-LD(20W)のファイバーレーザー。本体価格は驚きの低価格、¥200万円〜です。

【2015.6.7 月山です】

 澄み渡る快晴!駐車場に並ぶ車のナンバープレートは多摩、品川、練馬、、、神戸?
雪に触れていないと精神の安定が保てない重症患者が日本各地から訪れます。

 敢えて東京方面からのスキーヤーが帰るお昼過ぎを狙って出掛けたにも関わらず、
かつ毎週少しずつ雪のコンディションが厳しくなっているにも関わらず、 過去最大の
来客(患者?)で賑わっていました。この時期、ミステリー・スポットですな。(苦笑)

 動画は画質、ハイビジョン 720p HD でどうぞ。

【2015.6.5 NEDOプロジェクト】

 「【3】低コストペロブスカイト太陽電池の技術開発」の採択先はパナソニック株式
会社、株式会社東芝、積水化学工業株式会社、アイシン精機株式会社、富士フ
イルム株式会社、早稲田大学、東京大学です。
 



■太陽光発電の発電コスト低減に向けた新たなプロジェクトを始動
  −2030年までに発電コスト7円/kWhを目指す−

  http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100393.html
  (2015年6月4日付 NEDOニュースリリース)

【2015.6.5 論文紹介です】

 ペロブスカイト構造、ペロブスカイト太陽電池の歴史、光電変換効率、ヒステリシス
の謎、オプトエレクトロニクス材料としての可能性などを綴った宮坂先生のレビューで
す。
■Perovskite Photovoltaics: Rare Functions of Organo
  Lead Halide in Solar Cells and Optoelectronic Devices
 
  http://www.journal.csj.jp/cl-article/cl-44-6-720
  Chem. Lett. DOI: 10.1246/cl.150175

【2015.6.5 キャンパス公開です】

■東大駒場リサーチキャンパス公開2015

 袖ヶ浦、福島、浜松、etc. 日本各地の遠来からお越し頂きまして、誠に有り難うござ
います。今日・明日とキャンパス公開を行っております。生協購買部では、怪しい東大
グッズもいろいろ取りそろえております。お近くの方はぜひお越し下さい。
 個人的には先端研1号館の3m風洞がお勧めです。

【2015.6.4 和光純薬です】

 和光純薬工業さんのペロブスカイト試薬。先月 5/19 にHPをリニューアルした模様。
基本的に台湾の Luminescence Technology 社のものを代理販売しているようですが、
自社で扱っているもの(改良品?)もあり、対比が面白いです。



http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/product/chemical/Perovskite/index.htm

【2015.5.31 月山です】

 川越、土浦、横浜、三河? 他県ナンバーがどっと押し寄せています。下界は晴れ
ですが、山頂付近はあいにくの曇りでした。スキーを履いたままリフトに乗れるのは、
今日が最後とか。

【2015.5.29 実験 Day3】

 更に別系化合物(2番目候補材料)で、これもダイオード風。コンセプトを練り直す必
要があるかも。


【2015.5.27 実験 Day2】

 アカン。No good。ダイオードもどきの特性でした。全ての太陽電池に共通して必要
な要素のうち1つが NG。
----------------
(1) 光吸収 ○
(2) 電荷分離 ×
(3) 電荷輸送 ○
----------------
 原因は把握したつもりなので、来月再挑戦です。

【2015.5.26 実験 Day1】

 色味→バンドギャップ、XRD、全て狙い通りです。性能評価は更に明日へ。

【2015.5.25 お楽しみに】

 いよいよ明日、運命の実験です。

【2015.5.25 記事の御紹介】

■桐蔭横浜大、「ペロブスカイト」で光ダイオードを開発 
  −低電圧で電子増幅2400倍
  http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720150522eaaj.html 
  (2015年5月22日付 日刊工業新聞 Business Line)
  (2015年5月22日付 日刊工業新聞17面)

 関連の文献はこちら。

■A Switchable High-Sensitivity Photodetecting and Photovoltaic Device with
  Perovskite Absorber

  http://dx.doi.org/10.1021/acs.jpclett.5b00723

【2015.5.24 月山です】

 事情により今回は一人です。雪は例年よりも少なし。このままですと7月まで持たな
いですね。
 仙台は昨日31℃まで上がり、真夏日を記録しました。

【2015.5.22 論文紹介です】

 ペロブスカイト2報目(小ネタです)。ペロブスカイト中の残留塩素量とヨウ素量の
比をイオンクロマトで定量致しました。

 あれっ? 良く見たら Supporting information が公開されていませんが、我々の分
析では最終生成物の組成は CH3NH3PbI2.94Cl0.06 でした。


■Determination of Chloride Content in Planar
  CH3NH3PbI3-xClx Solar Cells by Chemical Analysis
 
  http://www.journal.csj.jp/cl-article/cl-ap-150385
  Chem. Lett. DOI: 10.1246/cl.150385

 前回と同じく Graphical Abstract は内田作です。いい出来。(笑)

【2015.5.22 エピローグ HOPV15】

 複数の方から「(会議)どうでした?」聞かれましたので、以下個人的な感想です。

 今回の HOPV ですが、大きなサプライズは無しでした。グレッツェル先生がペロ
ブスカイトの自己評価で 20.1% を報告しておりましたが、技術的に新しいものは無
く、また新材料も使われて無いことは私が3月にフランスへスキーに行った折に既
にハグフェルト先生から伺っておりました。

 ちょうどグレッツェル先生の御発表時に Prof. Snaith が座長だったのですが、質疑
の際に「先ほど紹介あったセルの断面写真(SEM)を見せてもらえますか?」「これを
見れば明らかですが、効率が上がる度に酸化チタン多孔層が薄くなっていますよね
?」という突っ込みが印象的でした。当然ながらグレッツェル先生の反論が続くわけ
ですが、2〜3分もの間長々と説明された割には何が要点なのか良く分からず。

 HOPV は年に一度のビッグイベントですが欧州ではこれに準じた会議がほぼ毎月
のようにあるようで、かつ発表者も内容もそれほど変わらないことから、ある種の倦
怠感と言いますか疲労が感じられました。サイエンスの中身を見ても、相変わらず
ヒステリシスの原因がメチルアンモニウムのダイポールモーメントと関連があるよう
な議論をしつつ、でも肝心のダイポールモーメントが揃うことがヒステリシスとどう繋
がるのかまでの深い考察はありませんでした。個人的には無関係だと思っています。

 参加登録者数は 760人と過去最大でしたが、運悪く EU-MRS(フランス)と日程が
重なったせいもあって実数はその半分程度だったと思います。良くも悪くも、落ち着
いた会議でありました。

【2015.5.19 IoT/M2M展より】

 第5回 Internet of Things(モノのインターネット)展示会にてリコーさんの色素 
増感太陽電池が公開されておりました。過去ネタになってしまい申し訳ござい
ません。最近、このパターン多いです(反省)。
 いよいよ実用化ですね。

【2015.5.18 有料セミナーのお知らせ】

 2件御紹介。久々に私、ペロブスカイトネタでしゃべります。完全オリジナルの新ネタです。
■『有機無機ペロブスカイト太陽電池の高効率化・
  界面制御とチタニア系材料の開発・要求特性
  〜製膜・計測方法・高効率・耐久性の鍵となる界面エンジニアリング・低照度特性〜
(仮)
   http://ec.techzone.jp/products/detail.php?product_id=3964 

主 催: &Tech
日 時: 2015年6月22日(月)11:00〜16:30
場 所: 川崎市産業振興会館 10F 第1会議室【神奈川・川崎】
聴講料: 【早期割引価格:1名または2名の場合】54,000円(税込、テキスト費用を含む) 
     ⇒6月9日以降のお申込は57,240円(税込、テキスト費用を含む) となります
講 師:
 第1部 ペクセル・テクノロジーズ(株) 取締役
       池上 和志 氏
 第2部 東京大学大学院 工学系研究科・先端学際工学専攻 助教 
       中崎 城太郎 氏
      東京大学 教養学部 特任教授
       内田 聡 氏
 第3部 日揮触媒化成(株) 執行役員 触媒新素材研究所長付 兼
      同所 新素材研究グループマネージャー
      技術士(化学部門総合技術監理部門)
       小柳 嗣雄 氏
 済みません、以下は良く見たら今日でした。(終了!)
■『ペロブスカイト,有機無機ハイブリッド太陽電池』など
  新しい太陽電池の材料,製造,高効率化,その評価

   http://www.gijutu.co.jp/doc/s_505202.htm 

主 催: 技術情報協会
日 時: 2015年5月18日(月)10:30〜16:30
場 所: [東京・五反田] 日幸五反田ビル8F 技術情報協会 セミナールーム
聴講料: 1名につき60,000円 (消費税抜,昼食・資料付き)
    〔1社2名以上同時申込の場合のみ 1名につき55,000円 (税抜)〕
講 師:
 第1部 桐蔭横浜大学 大学院工学研究科 講師 博士(理学)
      池上 和志 氏
 第2部 東京大学 先端科学技術研究センター 助教 博士(学術)
      中崎 城太郎 氏
 第3部 (独)物質材料研究機構 太陽光発電材料ユニット ユニット長 工学博士 
      韓 礼元 氏
 第4部 (株)リコー 研究開発本部 先端技術研究センター スペシャリスト
      堀内 保 氏

【2015.5.15 記事の御紹介】

■「環境発電」で電池の交換が不要、温度や照度を *DSC
  無線で送るセンサー
  http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1505/15/news019.html 
  (2015年5月15日付 スマートジャパン)

【2015.5.14 メモ】

・Fury 「フューリー」 (2014) ○
・Family Weekend 「ファミリー・ウィークエンド」 (2013) ×
・Elysium 「エリジウム」 (2013) ○
・Pacific Rim 「パシフィック・リム」 (2013) ×
・Faster 「ファースター 怒りの銃弾」 (2010) ×
・Senna 「アイルトン・セナ 音速の彼方へ」 (2009) ○

 以上、今回もトルコ航空でした。

【2015.5.13 HOPV15 Day3】

 次会の HOPV16 はUKです。

【2015.5.12 学会メモ】

 現地で耳にした情報から下記を確認。ORION 社(Korea)PDP 製造設備と技術を
転用して42inch の色素増感太陽電池パネルを試作とのこと。



http://www.oriondisplay.net/rew/sub0602.html 

【2015.5.11 TV(再掲)】

 なんと!「5/17(日) の 22:54」に変更になったそうです。失礼致しました。

■桐蔭横浜大学で新型太陽電池の研究開発に挑む 
  http://www.tbs.co.jp/program/mirainokigen.html 
  (2015年5月17日付 TBS-TV「未来の起源」)

【2015.5.11 記事の御紹介】

 アルティマ、リコー、日立マクセルの共同開発です。事情知る人には感慨深いです
ね。全固体でヨウ素フリーなため、今まで見かけない綺麗な色合いをしています。


■アルティマ、電池交換不要 な IoT 環境発電ワイヤレスセン *DSC
  サーネットワーク端末をリコー、日立マクセルと共同開発

  http://www.altima.co.jp/press-release/wsn.html
  (2015年5月11日付 アルティマ Press Release)

【2015.5.11 HOPV15 Day1】

 例によって朝一で会場入りです。
 私の発表の司会は Prof. ビグノッツィ(伊)です。柳田先生と大の仲良し。

【2015.5.10 移動日】


【2015.5.9 いよいよ今夜出発です】

 来週から EU-MRS(フランス)と HOPV15(イタリア)がほぼ同時期に開催されます。
うちの某助教さんが両学会プログラムの比較表を作ってくれましたので、御参考に
なりましたら幸いです。

【2015.5.9 TVです】

 間際で恐縮ですが明日の「夜10時54分」、下記の番組で宮坂研の最近の取組が
紹介されます。お楽しみに!


■桐蔭横浜大学で新型太陽電池の研究開発に挑む 
  http://www.tbs.co.jp/program/mirainokigen.html 
  (2015年5月10日付 TBS-TV「未来の起源」)

【2015.5.9 Professor Michael Graetzel】

 グレッツェル先生、今年の 3/19 に Le grand Merite cantonal vaudois (フランス)
受賞です。
 Congratulations!!!

【2015.5.8 火事です】

 いやいや、困るんですけど。私、行きも帰りも Terminal 3 なんですが?

■ローマの空港で火災…飲食店で漏電か、放火も
  http://www.yomiuri.co.jp/world/20150508-OYT1T50036.html 
  (2015年5月8日付 YOMIURI ONLINE)

【2015.5.7 記事の御紹介】

■日本発!新型太陽光電池「ペロブスカイト」が世界で話題に
  http://nge.jp/2015/05/04/post-103792
  (2015年5月4日付 FUTURUS フトゥールス)

■「小さなエネルギーの落ち穂ひろい」がIoT時代の電源に変わる *DSC
  http://newswitch.jp/p/511
  (2015年5月6日付 ニュイースイッチ 日刊工業新聞)

 IoTとは?

【2015.5.6 Thank you!】

>Attached you will find a picture of a happy father and son!
>all the best,
>Anders

【2015.5.6 夏油高原スキー場 Day5】

 Good bye 夏油高原、Good bye ゴールデンウイーク。トホホ。おまけに撮影で身動
きが取れなかったため、虻にあちこち刺されて顔がホームベースのように腫れ上が
ってしまいました。トホホホホ。
 体重も減ってないし(恐らく)。orz

【2015.5.5 夏油高原スキー場 Day4】

 雪があらかた溶けてしまったため、GWの終了を待たずしてスキーの営業は昨日
で終わりとなりました。リフトは動きませんが、我々残雪を歩いて登る形でトレーニン
グ続行です。その代わりと言っては何ですが、バーンが自由に使えるので効率が良
いです。

 設定したコースには雪面の温度を下げるため、ひたすら硫安を撒きます(→雪が
瞬時に固まります)。コーチ曰く「魔法の粉だ」。同感です。撒いた硫安は、そのまま
肥料になるので一石二鳥。

【2015.5.4 夏油高原スキー場 Day3】

 きちんと朝食を取り、夜はベッドで寝る生活 3 日目。今日も気温が 26℃まで上がり
ました。かつ、夕方には小雨がパラパラと。大切な雪がどんどん消えてゆく、、。
--------------
 下は順に Day1, Day2(聡一郎)

【2015.5.3 夏油高原スキー場 Day2】

 朝 6:00 に起きて 7:00 に朝食。9:00 から運動開始して汗を流し、16:00 に終了。
18:00 に夕食で 22:00 に就寝、の毎日(選手は朝食前と夕食前に更にトレーニング)。
施設の温泉は宿泊者の場合、いつでも入浴可。部屋はスキーヤーズベッドで飲食は
禁止。そもそも一番近くのコンビニが 20km も先なので、間食する気にもならず。体に
良すぎるぞ。
--------------
 日本のスキーヤーが未だかつて経験したことの無い異常気象です。ここ夏油高原
と山形の蔵王&月山で報告あり。ほんの少し滑っただけでスキー滑走面が御覧の
通りに。これ、花粉や埃が核になっているのでしょうが、恐らくタール状の油のような
もので覆われていて、スクレパーですくい取るとヘドロのような黒い汚れが溜まります。
もう、ありえない! これ、お隣の国の PM2.5 と関係あるんでしょうか?

【2015.5.2 夏油高原スキー場 Day1】

 しばらく前から左右の下腹部に鈍い痛みが。そう言えばここ最近、トイレの回数も
増えたような気もします。やばい病気の予感。ということで意を決して保健管理セン
ターのお医者さん(オバチャンです)に診てもらったら、怪訝そうな目で「そこには臓
器ありませんよ?」「とりあえず(パンツ)脱いで横になって下さい」。グリグリ触られ
ているうちに何故か痛みが和らいだような気がします。いや、、、間違い無い。

 何のことはない、ただの筋肉痛でした。普段、ありえない場所で不自然な格好で寝
てるもので、あぁ、そうですよね。お騒がせして申し訳ございませんでした(迷惑な患
者だ)。痛み止めの薬と湿布を渡されて帰って参りました。

 と言うわけでいつになく前置きが長くなったのですが、お陰様で晴れて後顧の憂い
無くゴールデンウイークに突入することができました。仙台から北へ 157km、岩手県
北上市の夏油(げとう)高原スキー場です。今日から 5 日間!フルでスキー合宿に
参加致します。

 選手の皆さんの足を引っ張らないよう、コース整備やらビデオ撮影やら、いろいろ
お手伝いを致します。それにしても暑いです。天気予報は 26℃の晴れ 、明日は 27
℃です。日頃の運動不足解消と、汗を流して体重を減らそう作戦でいきます。
 今、全身筋肉痛と闘いながらこのHP更新しています。劇疲れ。

【2015.4.30 Professor Michael Graetzel】

 グレッツェル先生、今年のキング・ファイサル国際賞(科学部門)受賞です。

Short Interview with Professor Michael Graetzel, co-winner of 2015 King Faisal
International Prize for Science "Chemistry".

 Congratulations!!!

【2015.4.27 New start of collaboration】

 本郷キャンパスにて打合せ。加藤隆史先生と、今春から正式に東大生 Dr. 1 年の
ダニエル(Daniel)さんです。液晶を電解質に用いた新しい色素増感太陽電池に向
けて Kick off meeting です。


【2015.4.24 OPIE'15】

 FTO ガラスの導電膜加工のため、レーザーエッチング装置の調査に行って参りまし
た。
“第15回 光・レーザー技術展”、場所はパシフィコ横浜。ピンキリの幅が大きすぎ
て、どれが良いのかよく分かりません。とりあえずこれかな?

 お勧めがありましたら、ぜひお知らせ願います。

【2015.4.16 JST より】

 いろいろ調べ物があって、偶然見つけた下のサイト。佐藤勝昭先生が JST のサイ
トを通じて公開されている太陽電池の解説資料(PowerPoint スライド)です。とても
分かりやすく、面白いので一気に最後まで読み切ってしまいました。


■化合物太陽電池のポテンシャルと課題  
  http://home.sato-gallery.com/research/jsps69committee_presentation.pdf 

【2015.4.16 会議中にて】

 ここ最近、お陰様で大きいプロジェクトからプライベートに近い打合せに至るまで様
々な会議がございます。その分、海外出張も自粛して?できるだけ時間を有効に、
身のある成果が出せるよう集中しております。

 今現在、かつて無いくらいにアイディアが浮かんで実験データも日々積み重なって
おります。DSC も PSC も両方。今年はネタを小出しに Publication して、最後にこれ
らを繋げ足して行くと目指すセルが完成する予定。早く予算が動いて欲しい。。。
 全ては Dr. コジョカルとN山さん頼みです。

【2015.4.15 Good bye Tomeu san】

 同じ東大で液晶を主に研究されている加藤研(工学部化学生命工学科, 本郷キャ
ンパス)の Dr. Bartomeu Soberats さん(写真向かって右)。今日で日本を離れて次
の職場→ドイツへ移籍します。研究者の宿命とは言え、寂しいですね。

 彼のお陰で色素増感太陽電池用の高耐熱性電解液の道筋をつけることができま
した。大変お疲れ様でした。
 次はヨウ素フリーでいきます。

【2015.4.15 環太平洋国際化学会議, PACIFICHEM 2015】

 今日 4/15日(水)、時差を考慮すると今からあとン時間後が〆切の Pacifichem 2015

 太陽電池関係は Dynamical Processes of Light Harvesting Surfaces (#178) が該当
すると思われます。


 訂正。どうやら以下のセッションに、少なくともペロブスカイト系は既に10件ほど集約
されている模様。私、Abstract の登録を修正(#178→#341)致します。


 Ceramic Materials and Processing for Advanced Applications (#341)
 Fundamentals and Applications of Nanomaterials for Energy Technologies (#348) 再訂正

【2015.4.10 記事の御紹介】

■綜研化学が大幅続伸、色素増感型太陽電池用の低コスト色素を開発 *DSC
  http://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201504100064 
  (2015年4月10日付 株探ニュース)

綜研化学、色素コスト10分の1、太陽光パネル向け、分子構造見直し *DSC
  (2015年4月10日付 日経産業新聞11面)

【2015.4.8 セル作製講習会 Day2】

 ぬーーー! ここしばらくペロブスカイトに注力していた反動で、いろいろ不具合と言
いますか段取りが悪く全体的に効率は低めでした。原因は分かっております、申し訳
ない。これを契機に再度気合い入れ直します。生徒の皆さん、お疲れ様でした。
 誰が作っても効率は安定して同じ、なのは変わらず。

【2015.4.7 セル作製講習会 Day1】

 毎年恒例の色素増感太陽電池セル作製講習会 by 内田先生。今年は新生永田
研9名+瀬川研1名です。そのうちペロブスカイト講習会もやりますかね?

【2015.4.3 記事の御紹介】

太陽電池用色素シート、東大が開発、効率10倍以上に *DSC
  (2015年4月3日付 日経産業新聞10面)

【2015.4.1 記事の御紹介】

■十面体形状アナタース型酸化チタン調製用気相反応装置が化学遺産に認定
  http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~k15391/ 
  (2015年4月1日付 Ohtani Lab/CRC/Hokudai)

■大谷研究室のキッズスペースが札幌市認可外保育所に
  http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~k15391/ 
  (2015年4月1日付 Ohtani Lab/CRC/Hokudai)

 わざわざネタを2つも用意するとは。。。

【2015.3.28 日本化学会 Day3】

 今日、色素増感のセッションで聞き損ねて惜しい思いをしたのは「非対称配位子を
有する銅(I)錯体を用いた色素増感太陽電池の開発(3F5-33)
」。同様の研究(新ネタ)
は 5 月の HOPV の会議でも出てくることが予想されます。注目されたし。

 それにしてもペロブスカイト会場の熱気は相当なものでした。150人教室がほぼ満
席で立ち見が途絶えない状況。お陰で酸素が薄くなり(真夏の金魚鉢状態)、誰か
倒れるんじゃないかと思ったくらい。

 早瀬先生から「MA Free の pure CsPbI3 でもヒステリシスが起きる(MA は関係な
い)」という報告の後、すぐ次の講演で宮坂先生から「ヒステリシスの起源は MA の
ダイポールが配向するため」という説が紹介される矛盾。「効率を上げるために素過
程を一つずつ見直した」という某大先生のスライドは、以後なぜか全て効率を下げる
結果となっている矛盾。この世界、まだまだ混沌としております。

--------------------
 ところで講演終わって個人的に頂いた下記メール。

>御世話になっております。ほかでもありませんが、鉛を吸って気分が悪くなった学生
>が居るという投稿が有ったと小耳に挟んだのですが、○○大学の学生でしょうか?

 意外とまだ知られていないのですね。気分がどうこうではなく、定期健診の血液検
査でスタッフ数名が基準値を超えた模様。私的にはかなり深刻な汚染と理解してい
ます。かつ、氷山の一角と思われます。

くどいようですがペロブスカイト研究者は必ずマスクをして実験すべきだと思います。
グローブボックスやドラフトの排気はもちろんのこと、スピンコート(ミストの飛散)・加
熱アニール処理(蒸気発生)、あるいはスピンコーターや実験台の清掃処理など、汚
れを拭ったキムワイプやアルミフォイルの廃棄に至るまで鉛粉末を吸い込む可能性
は沢山あります。研究室の床やテーブルがオレンジないし黄色に汚れている所は特
に注意されたし。

 ちなみに我々が使用しているマスクは下の写真。アズワンから本体が¥1,900+
有機ガス用吸収缶が¥380 です。これで安全が買えるなら安いもんでしょ?
 *瀬川研の話ではないので誤解無きよう(書き方が紛らわしくて申し訳ございません)。

【2015.3.27 日本化学会 Day2】

 昨日、色素増感のセッションでツボにはまったのは「スピンプローブESR法による有
機色素の凝集評価とDSSC光電変換特性(2F9-19)
」でした。TEMPO ラジカルを色素
に指標としてつけることで、色素間距離や被覆状態を定量化する試み。オールマイ
ティな手法ではありませんが、意欲的な取組みだと感心させられました。

 「色素増感」で、かつ「ペロブスカイト」な研究者のためのプログラム抜粋リスト (3/
28分) 更新しました。4日間通じての発表件数は色素増感:42(13) vs ペロブスカイト
:17 でした。前者がざっくりと約3倍。*括弧はポスターです


でも、大型予算が付く NEDO プロ(←ひたすら効率重視)は DSC 皆無でペロブスカ
イトになっちゃうんですよね。。。
 懇親会、お付き合いで参加致しました。本学会参加登録者は 8219名、高校生や招
待講演者を含めますと 9000名を越えるとか。会長の強い意向により国際化が推進さ
れており、英語での発表は 1300件と、去年より倍増したそうです。

【2015.3.26 日本化学会 Day1】

 「日本化学会 第95春季年会 (2015)」、今日は日本大学理工学部船橋キャンパスで
す。絶望的に広いキャンパス、J会場(薬学部)への移動は罰ゲームかと思う。
 「色素増感」で、かつ「ペロブスカイト」な研究者のためのプログラム抜粋リスト(3/
27分)を作製しました。毎年恒例ですが時間が重なっているため、かつ私個人的には
座長や審査等の都合で皆様の御発表を目にすることができません。惜しい。ほんと
惜しいです。


 色素増感の発表、従来通り多いです。根強い人気を実感。

【2015.3.24 PbS 記録更新】

 NREL 認証による「Best Research-Cell Efficiencies」、最新の 3/17 日版で量子ドッ
ト型太陽電池 PbS でη=9.2→9.9% の記録更新です。

  The latest chart on record cell efficiencies

【2015.2.23 記事の御紹介】

 お休み中、フォローできなくて申し訳ありませんでした。

ダイセル 光電変換インク開発 *DSC
  http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2015/03/16-19479.html
  (2015年3月16日付 化学工業日報)

 新機能性材料展2015に出展します!

【2015.3.22 技選です】

 昨夜 0:30 に帰宅(帰国)。スペアを含めた板2セットを整備(エッジの研磨とワックス
のアイロン掛け)。朝 6:30 に起きて移動開始、8:45 から第4回オニコウベスキー技術
選へ突入。結果、ジュニアの部第2位。 

 受験明けて実に1年振りのスキー復帰ですが、お陰様で無事ゲレンデに戻ることが
できました。久しぶりに見る懐かしい面々。今日、ここに至るまで御世話になった皆様
方に心から感謝です!

【2015.3.21 メモ】

・The Mummy Tomb of The Dragon Emperor「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」 (2007) ○
・The Drop「ザ・ドロップ」 (2014) ○
・If I Stay「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」 (2014) ○(前回は◎)
・The November Man「スパイ・レジェンド」 (2014) ○
・The Giver「ギヴァー」 (2014) ×
・Deliverance Creek「デリヴァレンス・クリーク」 (2014) ○
・Book of Life「ザ・ブック・オブ・ライフ」 (2014) ×
・No Good Deed「ノー・グッド・シングス」 (2014) ×

 以上、トルコ航空でした。

【2015.3.20 移動日】

 さすがに6日間もいると、バスの乗り降りから食事処・スキーコースの善し悪しに至
るまで、もはやツアーガイドを引き受けてもやっていけるくらいにすっかり慣れました。
でも、今日でお別れです。ようやく今から日本へ戻ります。See you!
  
 次、行くとしたらウィスラーですね。犬ぞりツアーに行ってみたい...

--------------------
*以下はジュネーブ空港に設置された DSC パネルです。

【2015.3.19 Chamonix Day5 快晴】

 いよいよ最終日。スペシャル・ゲストとしてこの方が。申し訳無い>Anders! ほんと
はね、最初に EPFL で会うはずだったんですよ。奥さんの提案で、前々から約束して
いたんです。なので旅程もスイス→フランスでそこそこのはずだったのが、先方の急
な都合で会えなくなり、、、と思ったら、なんとなんと我々のためにわざわざフランスま
で車を飛ばして来てくれることに。申し訳無いと言いますか、有り難い話であります。

 お陰様で最新のペロブスカイト事情を議論することができました。嘘です(ゴメン)、
一緒に楽しい一時を過ごさせて頂きました。写真はシャモニー最後のエリア、レ・ズー
シュ(Les Houches)
です。

【2015.3.18 Chamonix Day4 快晴】

 山の頂に至るまで雲一つ無い快晴。8:45 にチケットカウンター前に集合。我々はガ
イドを入れて7名のグループです。比較的順調にゴンドラを乗り継いでエギーユ・デュ
・ミディの頂上へ着きました。でもって、ガイドが必要な理由がよく分かりました。7名
全員を1m間隔で一本のロープにつなぎ、手摺りに掴まりながら少し先の平たい踊り
場まで一歩ずつ降りていきます。足を踏み外して落ちたら即死するレベル。上空には
ヘリコプターがホバリングしながら辺りを警戒しています。

 もっとも、危険を感じたのはこの時だけ。階段を下りきって、スキーを履いてしまえ
ばこっちのもの。結論から言いますと、スキーで滑ることに関して特別なスキルは必
要ありませんでした。中級者でも問題無いと思います。途中で何度も休みながら、ビ
デオや写真を撮りながら滑り降りて全長 20 km のコースを堪能しました。氷河はこの
40 年の間に 20m 近く高さが減ったとか。お陰で終着地点からゴンドラ乗り場に戻る
までの階段(450 step)が一番きつかったです。13:15 終了、シャモニー市街地の駅で
解散。達成感に満たされつつ、ホテルに戻ってそのまま気を失いました。
 夕方、目が覚めて町中へ。通りに面したレストランで 20 Euro のチーズフォンデュを
食す。夜、帰り道でふと空を見上げると星が綺麗でした。

【2015.3.17 Chamonix Day3 晴れ】

 予報とは異なり今日は快晴。昨日のグラン・モンテから更に北へ15分先のバルメ
(Domaine de Balme)
へ。現地ではル・トゥール(Le Tour)の方が通りが良いかも。
遂に来ました、ベスト・オブ・シャモニー、間違い無い! これを期待していました。基
本的に町を離れるほど景色も雪質も良くなる傾向にあります。白い雪と澄んだ空気に
囲まれて、日に日に心に積もったドロドロが洗い流されていく感じ。お陰様で英気を養
うことができました。日本の皆様、とりわけ身勝手な我が儘をお許し頂いた瀬川先生、
誠に申し訳ございませんでした。かつ、大変ありがとうございました。
 少し早めの2時半過ぎにスキー場を切り上げ、町へ戻りました。ここ数日間ずっと天
気を伺っていたのですが、明日は晴れるとのこと。代理店を通してガイドを予約しまし
た。いよいよ明日はクライマックス、標高 3842m のエギーユ・デュ・ミディ(Aiguille du
Midi)へ登ります。ここから氷河に沿って一気に滑り降りる予定。クレバスに落ちたとき
に引き上げるための金具の付いた安全ロープや雪崩に巻き込まれて遭難した時用
のビーコン等、フル装備で臨みます。


*ネット環境が今ひとつ不自由なので、無事帰還したら掲示板に書き込みます。

【2015.3.16 Chamonix Day2 曇り時々晴れ】

 シャモニー・エリアにある、バスで10分程度先のグラン・モンテ(Grands Montets)へ。
昨日ゴンドラで乗り合わせたスキースクールのコーチと覚しきフランス人から情報を得
てここに決めたのですが、確かに良いです。エリアが広く、なおかつ上級者が多いの
でコースも空いてて長く滑れます。

 着いて早々、標高 3250m の頂上までゴンドラで上がったのですが、降りて展望台の
ある階段を登ろうとしたら、いきなり息切れ。こら、空気が薄いです。
 夕方、町に戻って特製オムレツを食す。10 Euro×2。
 

【2015.3.15 Chamonix Day1 曇り時々晴れ】

 朝一のシャトルバスでジュネーブを経ち約2時間、モンブランの麓のシャモニーへ
移動しました。コースも雪質も断然こちらが上。移動して正解でした。夕方まで滑り、
ブレバン(Brevent)のゲレンデを一通り制覇。町の華やかさも含めて、一般受けする
という意味ではここシャモニーがベストでしょう。でも、純粋にスキーを楽しむならニ
ュージーランドの方が上かも。

 夕方、町中で日本人オーナーのレストランを見つけたのでカレーライスを食す。や
っぱ、旨い。今夜のホテルは4つ★の Mercure Chamonix です。単純に空室の問題
で初日は 220 Euro の角部屋(実質、スイートルーム)、残り5泊は 110 Euro のツイ
ンで別々に予約したのですが、結局追加料金無しでそのまま通しでスイートルーム
滞在OKとなりました。無駄に広くて豪華な部屋なのですが、、、ラッキー。

【2015.3.14 Geneva Day1】

 訳あってスイスに来ています。この15年間、一度も欠かさず参加してきた電気化学
会を見送っての海外旅行です。土曜日の今日はジュネーブ空港から僅か15kmの距
離にあるジュラ(Jura)・マウンテンにあるクローゼ(Crozet)へタクシーで移動しました。
ジュラシックパークのジュラ、ジュラ紀のジュラは、いずれもこの山の名前に由来しま
す。国境を越えたフランス側にあるのですが、特に途中で止められるでもなくそのま
ま通過。時差の疲れもあって、いや、そもそもスキーを履くのは約1年振り!というこ
ともあって、2時間余り滑ってから帰って参りました。

 そうそう、申し遅れましたが、お陰様で聡一郎は無事希望の某一高に合格致しまし
た。でもこの高校、スキー部が無いんですけど...。今回の旅行を通じて、今一度、二人
で人生を見つめ直したいと思います。
 当初の予定では明日もここで過ごすはずだったのですが、雪が溶けてあまりコンデ
ィションがよろしくなく、何よりタクシーが往復で¥17,000 も掛かるので(バスが無い!
)、明日は朝一で次の場所へ移動します。ちなみに夕方はジュネーブ空港の横で開
催していたモーターショーを覗いて参りました。本田の NSX 、良い感じです。雑誌や
web の写真で見るより実物はかなりイケてます。でも、一番人気はやっぱり Ferrari
ですね。

【2015.3.11 東日本大震災4周年】

 早いもので4年が経ちました。もはやニュース性が乏しいのか、あるいは明るい見通
しが立たないためか、ネットでもあまり取り上げられていない様子。亡くなられた多くの
犠牲者の方々に哀悼の意を込めて黙祷を捧げます。


■「事故の教訓学ばぬならやめろ」 原発推進に規制委員長
  http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015031101001953.html
  (2015年3月11日付 東京新聞 TOKYO Web)

 原発無くたって、もはや再エネ+既存の揚水発電で十分まかなえるんですけど。いや、ほんとに。

【2015.3.10 ペロブスカイト考6】

 本当の“ペロブスカイトの闇”はヒステリシスなんてものじゃなくて、これだろ!
鉛の毒性に関する知見について (厚生労働省)
血中鉛の生物学的半減期はどのようなものでしょうか (富山産業保健推進センター)
Blood lead level (Wiki)

 「人の口に戸は立てられぬ」と申します。世間一般で騒ぎになるのはあと1〜2年後
でしょうか? 既に某所では研究者数名の血中鉛濃度が基準値を超えたということで
指導を受けたようです。健康被害が出てからでは遅いんですけど。

 我々も関連するスタッフ2名、慌てて検査依頼を致しました。結果は「1.0μg/L 以下
(検出限界以下)で異常なし」。人体が鉛を取り込む経路は食事や水以外ではほとん
どが肺から
だそうです。皮膚からの浸入はあまり無いとか。より安全に配慮して、マス
クもガス吸収缶の付いたものに替えました。皆様、くれぐれも安全にはお気をつけ下
さい。


 日本の基準値は 20μg/L です。結果が出るまでは戦々恐々としておりました。いや、ほんとに。

【2015.3.6 ペロブスカイト考5】

 今日は光機能材料研究会主催のペロブスカイト太陽電池セミナーです。特に大き
なサプライズは無し。今回に限らず、国際会議でもヒステリシス問題は良く話題に
取り上げられるのですが、大きな誤解と言いますか、勘違いがあると言いますか...。
 「ヒステリシスを解消しました」はまだしも「ヒステリシスを解消しなければいけない」
調の発表まで耳にします。これ、STC 条件 (Standard Testing Condition) で認証デー
タを得るという意味では確かに重要なポイントになりますが、純粋に発電デバイスとし
て見た場合にはヒステリシスの有無はどうでも良い話であります。要は Pmax を維
持できるか、Pmax がドリフトするかどうかが問題なのであって、再現性が一番の課
であるべきです。逆に言えば、再現性さえとれているのであれば、仮にそのデバ
イスに大きなヒステリシスがあったとしても発電性能には全く問題無い話であります。

 最悪なのは往路と復路の I-V 曲線を足して2で割るようなケースで、こうした手法
に物理的な意味や根拠はありません。また国際標準化法で定められているわけでも
ありません。その昔、10年くらい前に国内でこうした値で DSC の認証を行ったことが
あるようですが、今となっては黒歴史ですね。

 太陽電池の性能を求めるのに I-V 曲線を描いて光電変換効率を求めるやり方が
定着してから 40〜50 年経つわけですが、これが決してベストなわけではなく、限界
があります。即ち、リアルな環境で光量やスペクトル、あるいは温度が刻々と変動す
る状況で得られる太陽電池の発電量は効率(η/%)だけで議論することができませ
ん。最終的には発電によって得られた電子をキャパシタなりで溜め込んだ積算量
(W/h)を求めることで真のパフォーマンスが求められるわけで、先行するシリコンで
も正に今、議論の最中にあります。

 まして途上の技術であるペロブスカイト太陽電池において、しかもサイエンスの議
論の場で「ヒステリシスがあるデバイスの論文は認めない」など、全くナンセンスな
取り決めであります
。これ、20年前の色素増感と同じで「光触媒能力のある酸化チ
タン上に有機色素を吸着させるなど(光分解反応を見てるだけで)意味が無い →
DSC を全否定」という、当時の誤った主張を見る思いです。

【2015.3.5 ペロブスカイト特設サイトのお知らせ】

 Chemistry Letters の有機無機ペロブスカイトの特設 Webサイト Focus Collection
が本日 3/5 に公開となりました。


http://www.journal.csj.jp/chem-lett/theme/perovskite-solar-cells

 我々の Advance Publication はこちらです。

【2015.3.3 講演会のお知らせ】

 光化学に関連する国際会議についてのお知らせです。


本年6月28日(日)〜7月3日(金)の間、韓国チェジュ島にて光化学関連
の国際会議である 27th International Conference on Photochemistry 2015
(ICP 2015) が開催されます。本会議では先導的な光化学研究を推進し、
国際的にも活躍している研究者が多数講演をされることになっています。
また、ポスター発表する学生には5分間のフラッシュトークを予定している
とのことで、学生にとっても大変良い経験になるかと存じます。アブストラ
クト提出の締め切りは3月15日(日)ですので、光化学ディビジョンに登録
されている会員の皆様方には、是非、奮ってご応募頂ければと存じます。

なお、ICP 2015に関する詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.allsymposia.org

どうぞよろしくお願いいたします。

光化学ディビジョン主査
北海道大学電子科学研究所
三澤弘明

【2015.3.2 JEITAにて】

 しばらく前から取り組んでいる、主に有機系太陽電池を想定した屋内光評価時の
規格作り
の会議です。電子情報技術産業協会 JEITA を舞台に意見が真っ向から
対立してきたM社案 vs RATO連合。意外にも我々が主張してきた「光源を決めて、
効率なり発電量を求める」という、ごくごく通常の計測評価方法が認められました。
話は、先方が歩み寄りを見せる形で収束致した模様。

 我々アカデミックがいくら「公平性と公共性(Fairness & publicness)」を主張しても
「光源の一元化の推進」を理由に聞き入れられなかったのに対し、予想外に多くの
会社さんが協力して参加して頂いたお陰で、妥結に至りました。改めて会社の方の
意向・意見は重みが違うというのを思い知らされた次第。

 F社さんからの「研究開発側ではフォローできても、いざ本当に商品化されて品質
保証を考えなければならなくなった時に、とても現場でスペクトル・ミスマッチ補正な
ど対応できない」という言葉も大きかったと思います。お陰様で、今日で規格案の概
要が決まりました。

 今後は今年9月を目標に JEITA 規格を発行、更に JIS化、行く行くは IEC 規格という流れになります。

【2015.3.2 ペロブスカイトセミナー in EPFL】

 これは基本的に当事者向けの非公式なセミナーと思われますが、一応御紹介致し
ます。日本からの発表者は今のところゼロ(厳密には東大からポスドク1名)です。



Perovskite solar cells: the quest for a theoretical description
  (2015年8月25日〜28日 CECAM-HQ-EPFL, Lausanne, Switzerland)

【2015.3.2 続・PVEXPO2015】

 燃料電池展の方に展示されていた模様。
[日本写真印刷]
 若狭先生、ありがとうございました。

【2015.2.27 内緒です】

 新たにスクリーン印刷用TiO2ペーストを20kg!作ったらしい。
 値段は妥当だと思いますが、、、ノーコメント。

【2015.2.26 HOPV2015】



 プログラムが発表されました。色素増感・有機薄膜・ペロブスカイトを包括する世界最大の
国際会議 HOPV2015。今日時点での参加登録者は 629 名! うち、口頭発表者は Invite を
除きますと僅か 36名/4 Session という超激戦のお化け会議となりました。

【2015.2.25 PVEXPO2015】

 年に一度のブラックスーツに身を包んだオヤジの祭典。バッテリー・燃料電池や風力、切削
工具展等、全部同時開催なので何となく人は多そうに見えますが、昨年よりは確実に人は少
なめ。一時期の悲壮感は無いものの、微妙。「エコ」プロダクツ展があれだけ賑やかなのに、
「再エネ」は市民一般からは遠い世界であることを実感させられました。

 有機系太陽電池分野で強いて新しい発見を取り上げるとすれば、僅か2社ですが「低照度
(評価)」
がトレンドかな、と思います。
[セルシステム]
[英弘精機]
[分光計器]
[日本精工]
[立山化成工業&長野県松本工業高校]
      
 ランボルギーニは、、、ただの雰囲気作りです。

【2015.2.24 記事の御紹介】

■鮮明な絵をあしらえる太陽光パネル 日本精工  *DSC 
  http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ20HZW_U5A220C1TJ2000/ 
  (2015年2月24日付 日本経済新聞 Web刊)

 関連の特許(一例):特開2006-338369 日本精工 信号機システム

【2015.2.23 ニコイチ】

 修羅場ナウ。ホットプレートのヒーター(SiC 製?)が断線しました。条件が少しでも
変わると特性が再現できないペロブスカイトでは致命的です。タイプの違う別の1台
を分解して現状復帰を試みます。昨日から、かれこれ4〜5時間注ぎ込んでいます。
 あともう少しで直りそうな予感。→根性で直しました。(2/24)

【2015.2.20 経産省にて】

 「平成26年度新 エネルギー等共通基盤整備促進事業」で検索するといろいろ出て
きますが、再生可能エネルギー導入を目指す事業者への支援活動の一環として、
必要とされる知識と技術を包括的に体系化あるいは標準化を進めています。

【2015.2.19 ちら見せです】

 イギリス GCell 社の色素増感太陽電池、ネットで販売中。60GBP(約¥11,000)。

Solar Keyboard for iOS and Android
 I上様、有り難うございました!

【2015.2.17 取材中】

 広告代理店さんも入って頂き、本格的な色素増感太陽電池の動画取材の収録を行
いました。来月くらいを目処にネットで公開される予定。

 お楽しみに。

【2015.2.13 講演会のお知らせ】

 ここでご案内しても(客層が...)と思いつつ、リクエスト頂きましたのでご紹介致しま
す。週明け早々で時間に余裕ありませんが、振るってご参加下さい、ぜひ!


「地域における再生可能エネルギー等の導入支援事業」セミナー 

日時:2015年2月16日(月)13:00〜16:00
場所:トラストシティ カンファレンス・丸の内
主催:経済産業省資源エネルギー庁
事務局:株式会社三菱総合研究所
 ちなみに主催のエネ庁では今日、2/13 付けで「長期エネルギー需給見通し小委
員会」に関する資料を公開致しました。私が嫌悪する、1ページにぎっしり書き込んだ
お役所向けのパワポスライドが沢山あります。


 この際“老害”とはっきり言わせて頂きますが、某大先生も委員として参加されております。事故後の方が、
更にリアリティがあって宜しかろうに。

【2015.2.12 DSC&Perovskite】

 アメリカで開催中の光学デバイスの国際会議 SPIE Photonic West exhibition にて。
SPD 研究所から成膜装置の展示を行っております。金子先生の御雄姿が!

 できるだけ多くの感心を惹くように、私の方からペロブスカイト太陽電池のサンプル
を提供させて頂きました。「効率が見る見る落ちるんですけど、Normal でしょうか?」
って言われましても、、、至って普通です(苦笑)。

【2015.2.12 記事の御紹介】

 今日のニュースと、年明けに公開された取りこぼし記事です。どちらも色素増感
太陽電池。当〜然!
リコー 年内にサンプル出荷 塗布型全固体DSC開発 *DSC 
  (2015年2月12日付 電子デバイス産業新聞) by W社長
■発電できるインテリア 石川県工試など開発 格子戸をイメージ *DSC 
  http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20150109304.htm 
  (2015年1月9日付 北國新聞 web)

 半導体産業新聞→電子デバイス産業新聞へ改名。

【2015.2.10 講演会のお知らせ】

 振るって御参加下さい。
■ペロブスカイト太陽電池の材料開発とセル作成技術
  :太陽光発電の現状と課題をふまえて
 

日 時: 2015年3月6日(金)10:20〜17:20 (受付10:00) 懇親会17:30〜
場 所: 東京大学先端科学技術研究センター 4号館2階講堂 地図
共 催: 光機能材料研究会 共催:有機系太陽電池技術研究組合(RATO)
参加費: 一般10,000円(当日現金払い)/学生無料
懇親会: 4,000円(当日現金払い)

プログラム
 10:20 開会にあたって光機能材料研究会、
       電気化学会・光電気化学研究懇談会 早瀬修二
 10:30‐11;20 太陽光発電の今後のあるべき姿
       産業技術総合研究所・福島 近藤道雄
 11:25‐12:15 ペロブスカイト薄膜太陽電池の作製と高効率化
       桐蔭横浜大学 宮坂 力
 13:20‐14:10 ペロブスカイト太陽電池の最新研究開発動向
       東京大学 中崎城太郎
 14:15‐15:05 有機無機ペロブスカイト薄膜の作製法と基礎物性(仮)
       佐賀大学 江良正直
 15:20―16:10 ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて
       東京大学 瀬川浩司
 16:15―17:05 太陽光発電に係わるエネルギー政策の動向
       三菱総合研究所 園山 実
 17:05 閉会にあたって
       有機系太陽電池技術研究組合(RATO)瀬川浩司
 17:30〜 懇親会

申込先:

 電気化学会光電気化学研究懇談会の方は下記にお申込みください。
 〒808-0916 北九州市若松区ひびきの2−4
 九州工業大学 大学院生命体工学研究科 早瀬研究室内
 電気化学会光電気化学研究懇談会 事務局
 FAX 093-695-6008 e-mail hayase@life.kyutech.ac.jp

 有機系太陽電池技術研究組合(RATO)の方は以下にお申し込みください。
 〒153-8904東京都目黒区駒場4-6-1
 東京大学先端科学技術研究センター産学連携エネルギー研究施設内
 有機系太陽電池技術研究組合(RATO)事務局
 TEL:03-5452-5321  e-mail rato@solarcells.jp

 光機能材料研究会(会員3名まで無料)および一般の方は以下にお申し込みください。
 〒153-8904 東京都目黒区駒場4-6-1
 東京大学先端科学技術研究センター インテリジェント材料研究室内
 光機能材料研究会 事務局
 FAX 03-5452-5084 e-mail pfma@light.t.u-tokyo.ac.jp

【2015.2.9 応化M2発表会】

 今年度最後の一人です。
 お疲れ様でした。

【2015.2.5 論文の御紹介】

 平滑構造のペロブスカイト太陽電池で、Science から。中身は論文題目が示す通りです。

■Electron-hole diffusion lengths >175μm in solution grown CH3NH3PbI3 single crystals
  http://dx.doi.org/10.1126/science.aaa5760
  Science DOI: 10.1126/science.aaa5760

 Nature 誌はヒステリシス問題で対応、間違えましたね。

【2015.2.4 ナノテク展】

 過去日記で済みません。先週ビッグサイトで開催された「nano tech 2015 国際ナノ
テクノロジー総合展・技術会議」で展示されていた日本ケミコンさんのポリマー対極
使用 DSC と、ダイセルさんのペーストを用いた非焼結の DSC。


    
 Y田様、お知らせありがとうございました。

【2015.2.3 応化D3&広域科学専攻M2発表会】

 博士1名と修士3名の発表会。身内ネタで済みません。
 お疲れ様でした。

【2015.2.2 来客にて】

 FOM 社の Director, Martin Kiener 氏とデンマーク大使館員の村上様。OPV が事業
のメインですが、彼ら欧州における有機系太陽電池のラウンドロビン・テストの核とな
る仕事もされています。

 ちなみに神奈川技術アカデミー (KAST) では昨年8月、遂に上記屋外曝露試験の持
ち回り先として日本の評価機関として論文に名を連ねました。First プロジェクト以降、
4年越しの快挙です。

■Worldwide outdoor round robin study of organic photovoltaic devices and modules
  http://dx.doi.org/10.1016/j.solmat.2014.07.021
  Solar Energy Materials & Solar Cells 130, 281 (2014).
 御訪問頂きありがとうございました。

【2015.1.30 雪・雪・雪 in Tokyo】


【2015.1.30 講演会?】

 アイシンコスモスの Reddy さん。講義があった、、、らしい。恐らく数ヶ月前には日時
決まっていたと思うのですが、研究室に知らされたのは昨夜でした。すれ違いになっ
てしまい申し訳ございませんでした。


   

■Fundamental Facts about Life Changing Science of Chemistry
  /Paidi Yella Reddy

 相変わらず風通し悪いス。

【2015.1.30 来客にて】

 今日もフランス、CNRS御一行様。Director の Professor Jean Arlat さんです。

【2015.1.29 来客にて】

 午前、フランス CNRS御一行様。Director の Prof. Jean-Yves Marzin 他2名。
 午後は Prof. David Cahen (Weizmann Institute of Science, Israel)。
 ちなみに、昔グレッツェル先生のスライドに良く出てきた下の写真左が Cahen 先生です。

【2015.1.28 秋葉原にて】

 結局来てしまいました。午後、中田時夫先生(Prof. T.Nakata)よりペロブスカイト/
CIGS ビームスプリッタ方式のタンデムセルの提案あり。試算では最大でη=30% が
得られるとのこと。実際の実験結果は次回の応用物理で発表されるそうです。

 後半の特別講演では NEDO 山田宏之様から今年度以降のプロジェクトのロードマ
ップをご説明頂きました。

【2015.1.27 講演会のお知らせ】

 え、え、え、明日ですか? しかもメール事前予約制。もしかして荒川先生、最後の
御講演になるのでしょうか?

総合研究機構 太陽光発電研究部門「第5回シンポジウム」 

日時:2015年1月28日(水)10:00〜18:05
場所:秋葉原コンベンションホール

【2015.1.27 長野県松本工業高校です】

 ネタがあちらに傾きすぎたので DSC。御紹介が遅くなり申し訳ございませんでした。

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明けましておめでとうございます。昨年も本当にお世話になりました。
今年も宜しくお願いします。恒例の3年生卒業研究作品紹介です。
今年は、「あんどん」と「観覧車」です。

あんどんは、少しの時間ですが、コンデンサーに蓄えたエネルギーで
それぞれの底に埋め込んだLEDが光ります。また、水を入れて
水槽にもなります。(ゆくゆくは水の電気分解をして燃料電池へと・・・という夢です。)

観覧車は、スクリーン印刷。発色を綺麗にするために、ヨウ素の量を少しだけ減らしています。
いい感じに発電していますが、電気を活用していません。これは展示用です。
(モアイの作者から許諾は得ています。)
今月末の新機能性材料展、来月のPV EXPO2015で、「立山化成」さんの
ブースで展示される予定です。
酸化チタンは大阪ガス、色素は立山化成と三菱製紙です。
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 若狭先生、お知らせありがとうございました。相変わらず完成度高いです...

【2015.1.27 ペロブスカイト考4】

>捻れて直線から外れた位置に配置された2つの Pb 原子からの反射が反映される
>28.0〜28.5℃付近のピークが分裂するかどうかが唯一判断の目安になると思われ
>ます。


訂正。外骨格を形成する Pb-Pb-Pb の捻れを調べたのですが、作図の位置により
179.95°〜179.98°と多少の差はありますが、(予想に反して)ほぼ一直線上に並
んでいました。計算の精度上たまたま誤差が集積して 28.0〜28.5℃付近のピーク
が分裂した結果を出しましたが、原子座標を考慮しても、リアルな測定では違いは
現れないと思われます。これ、通常のラボレベルのXRDで
cubic と tetragonal を区
別するのは至難の業
ですね。

 実験的には 24 deg (211) と 31 deg (213) のピークを Tetragonal の指標とする報
告がありますが、これが見えるかどうかは結晶成長に伴う自形の発達(Facet)次第
でしょう。くどいようですが cubic → tetragona は通常の相転移とは異なり閾値の無
い連続的な変化となります。
■Synthesis and crystal chemistry of the hybrid perovskite (CH3NH3)PbI3 for solid
  -state sensitised solar cell applications.

  http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2013/TA/c3ta10518k#!divAbstract
    J. Mater. Chem. A, 1, 5628-5641, (2013).

 ちなみに、とある方から「中性子線回折を試みた論文、ありますよ」教えて頂きまし
た。臭素系ですが CH3NH3PbBr3 の結晶構造解析を行った結果が下。測定はカナ
ダ・オンタリオの原子力研究機関、チョークリバー研究所 (Chalk River Laboratories,
CRL) で行った模様。温度の低い方から順に orthorhombic(斜方晶)→tetragonal
(正方晶)→cubic(正方晶)です。Br 系の場合は-48℃以上の温度で cubic。これは
もう、完全にプロフェッショナルな仕事です。凄いね。


■Phase transitions in the perovskite methylammonium lead bromide, CH3ND3PbBr3
  http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022459603003529
  Journal of Solid State Chemistry, 176, 97-104 (2003).

 またこれらの知見を元にヨウ素系 CH3NH3PbI3 を考察したのが下。相転移温度は
100〜165K(-173〜-108℃)が orthorhombic、165〜327K(-93〜+54℃)が tetragonal、
327K〜352K(+54℃〜+79℃)が cubic とアサインしています。しかしながら「variable
temperature data」といった表現がされているように、データを見る限り明確な転移点
は見あたりません。一番分かりやすいのは Figure 5 の Pb-I-Pb 結合角を温度別に
調べた結果で、曲線の延長は大凡 327K(+54℃、データを厳密に見ると +61℃?)で
180°となり cubic 相が推定できますが、そこに至る過程は連続的な変化であること
が分かります。


■Complete structure and cation orientation in the perovskite photovoltaic
  methylammonium lead iodide between 100 and 352 K.

  http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2015/cc/c4cc09944c#!divAbstract
  Chem. Commun., Accepted (2015).
 ここまで通して言えるのは、私の知る範囲、肝心なヨウ素系 CH3NH3PbI3/cubic の
結晶構造解析がまだ完成されていないということ。従って MA の位置も推測で議論す
るしかない状況。きっと、臭素系の結晶の方が安定していたんでしょうね。上記のカ
ナダのグループが、いつか測定してくれることを祈ります。


 以上、N田さん。ネタ提供どうもありがとうございました。

【2015.1.26 記事の御紹介】

 今日が発売日です。取材して下さった記者さん、本当はもっとスペースを確保して
原稿を用意されていたそうです。また次の機会に。どうもありがとうございました。

■星の光でも電流は流れ *DSC
  http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=16677 
  (2015年1月26日付 AERA No.5, p26)
 
 14.5% は(DX1+N719)タンデムセルの話です。

【2015.1.23 論文の御紹介】

 昨年末に公開された最新の efficiency tables (Version 45) です。記録更新の見所
としては以下の通り

(1) DSC (minimodule) はフジクラが SONY を抜いてη=10.0% (24.19cm2) やったね!
(2) OPV は東芝のミニセルがη=11.0% (0.993cm2)、minimoduleでη=9.5% (25.05cm2)
(3) PSC は(恐らく評価面積が小さいため)"Notable Exception" という別表で韓国の
  KRICT らがη=20.1% (0.0955cm2)

 今回新たに公表されたペロブスカイトの光電変換パラメータを見ますと、前回より
も電圧が下がって電流とFFが上昇していますので(Ver.44 ではη=17.9%)、直近の論
文で公開された Br の添加については(今回は)寄与は小さいか、もしくは添加してい
ない可能性があります。


■Solar cell efficiency tables (Version 45)
  http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/pip.2573/abstract
  Progress in Photovoltaics: Research and Applications, 23(1), 1-9 (2015)

 これもN崎先生、どうもありがとうございました。

【2015.1.22 論文の御紹介】

 ペロブスカイトの論文はほぼ毎日出ているのですが、教育機関で作るセルの話と
スプリットミラーを用いたPSC/Si接合セルの2つを御紹介致します。後者はダイクロ
イックミラーを用いたシステムでη=25.2% です。


■Introducing Perovskite Solar Cells to Undergraduates
  (学部生に向けたペロブスカイト太陽電池の導入)
  http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jz502648y
  NJ. Phys. Chem. Lett., 6 (2), 251-255 (2015).

■High efficiency solar cells combining a perovskite and a silicon heterojunction
  solar cells via an optical splitting system

  (ペロブスカイト太陽電池とシリコン太陽電池を分光スプリットシステムで接合し
  た高効率太陽電池)

  http://scitation.aip.org/content/aip/journal/apl/106/1/10.1063/1.4905177
  Appl. Phys. Lett. 106, 013506 (2015).

 N崎先生、ありがとうございました。doi サーバが死んでますね。

【2015.1.21 来客にて】

 と言うわけで会議の翌日、CIGS 他太陽電池を幅広く手がけていらっしゃるフランス
The Ile-de-France Photovoltaic Institute (IPVF) の Dr. Daniel Lincot さんにお越し頂
きました。
 Merci boku!

【2015.1.20 ISIS-7】

 第7回イノベーティブ国際太陽電池シンポジウム、略して ISISC-7(不吉な名前だ)
がありました。これも過去日記でごめんなさい。二日目、特別基調講演では LED で
お馴染みの、あの!天野浩(Prof. Hiroshi Amano)先生からお話を頂きました。
7th International symposium on Innovative Solar Cells
  日時:2015年1月19日(月)〜20日(火)
  場所:先端研3号館南棟1F ENEOS ホール

 さりげなく、来ちゃうんですよね...

【2015.1.20 ペロブスカイト考3】

 自己解決しました。結晶構造をまじまじと眺めて、最後に気が付きました。Cubic
で表されるモデルでは Pb ではなく MA を中心に配置した形で単位格子を定義して
いるのですね。紛らわしい... 仮に Pb を中心とした cubic を定義したとしても同じ結
果が得られます。ペロブスカイト構造であることを考慮すると、むしろその方が普通
なのですが、混乱の極みですね。


 結論から言いますと、全て既往の論文の結果で問題ありません(一応)。ただし、
バンド構造は相転移の前後で見かけ上全く別物に変化したような表記になります。
下のイラストを見て頂ければ、何がどう紛らわしいのか直ぐに御理解頂けると思い
ます。お騒がせして申し訳ございませんでした
 繰り返しになりますが相転移を議論する場合は注意が必要で、結晶格子も電子
的な性質もほとんど違いが無いはずなのに、定義上(連続性は維持されたまま)、
閾値の温度を堺に結晶軸が√2/2ほど(→0.71倍に)いきなり変化します。実際の
XRD測定で cubic と tetragonal 両者を区別するのは非常に難しく、以前お話しまし
た通り、捻れて直線から外れた位置に配置された2つの Pb 原子からの反射が反
映される 28.0〜28.5℃付近のピークが分裂するかどうかが唯一判断の目安になる
と思われます。下に計算によって求めたXRDパターンの比較結果を示します。
 お陰様で結晶格子の再配列 Tetragonal→Cubic になぜ加熱が必要で、その結果
何が変わるのかもある程度目星がつきました。そもそも、低温相では歪みを生じて
まで頂点共有されたPbI6の連結を維持しようとしているのも、メチルアンモニウム
(MA) が存在するからなんですね。即ち、PbI6八面体が体積のほとんどを占める中
で、小さなMAカチオンが僅かな隙間(下の図の黄色部分, cavity)に配置して、が
っちりと引きつけているせいですね。ここまでのお話、実験データが無くとも解説が
1つくらい書けそうです。(苦笑)
 I'm now clear!

【2015.1.19 ペロブスカイト考2】

 下は立方晶(cubic)の第一ブリユアン・ゾーン(the first Brillouin zone)です。X線で
求める単位格子より一回り大きく、「逆格子ベクトルの中点を結んだ空間」という分か
りにくい定義で表されますが、自分の理解では電子的に等方な最小単位だと思って
おります。結晶化学のお約束事で、立方晶の場合は Γ→X→M→Γ→R→X の順に
一筆書きをなぞるように各点におけるエネルギー準位を計算してつなぎ合わせてい
きます。即ち、始めはガンマ(Γ)点における最も深い内核電子の1s軌道(真空順位
から見て数百eV)から順に点をプロットしていき、価電子帯の上端まで、更に計算上
は励起状態に相当する伝導帯の軌道を自分が設定したエネルギー準位まで計算し
て次のポジション(立方晶の場合はX点)へ移り、同じ事を繰り返します。
wiki
 各点では一次元の線でしかなかった電子構造が、最終的に二次元の面となってバ
ンド構造を描くことができます。二酸化チタンのような比較的単純なモデルでは今な
ら数分で解くことができますが、複雑なものですと数時間〜数日掛かります。それで
も結晶の場合は規則性がありますので、分子を扱うクラスター計算よりは圧倒的に
速く、かつ正確に解を求めることができます。

 下は2003年に東大の近藤先生らが提案された立方晶(cubic)の CH3NH3PbI3 結
晶のバンド構造図です。現在、ペロブスカイト型太陽電池を議論する時に多くの人が
引用しているものです。価電子帯の状態と伝導帯の下端が同じ位置にあり、直接遷
移型の半導体であることが分かります。このため吸収された光は熱振動によるエネ
ルギー損失を伴わず、CISと同様に強い光吸収能力があることが分かります。間接
遷移型のシリコンと異なり、素子の厚みが1/100でも高い効率が得られる理由の一
つがここにあります。
■Electronic structures of lead iodide based low-dimensional crystals
  (低次元結晶に基づく鉛ヨウ化物の電子構造)
  http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevB.67.155405
  Phys. Rev. B 67, 155405 (2003).

 がしかし! ここで疑問なのは、著者らは図中左端にわざわざ GAP と指摘あるよう
に「バンドギャップは R 点だ」と主張しています。正直かなり違和感を覚えます。なぜ
なら、この電子構造では価電子帯の上端は重原子(ペロブスカイトなら Pb)ではなく
別の軽原子か、あるいは原子間の結合軌道上にあることになるからです。無論こうし
た例が無いわけではありませんが、窒化ホウ素(BN)のような特殊な金属間化合物
に限られます。またもしこれが本当だとすると、温度が変化して相転移した瞬間に電
子の流れるパスが結晶格子内でがらりと変化することになります。

 話が少し逸れますが、光触媒や色素増感太陽電池では良くバンド構造と共に“フェ
ルミ準位”
が議論されます。しかしながら電子の流れる場所は決して横線で表される
ような一次元や二次元ではなく、実際の結晶格子内では三次元の“フェルミ面”とし
て表されます。下は TiO2(rutile) と TiO2 (anatase) の例。
従って、バンドギャップの位置が相転移に伴って R点からΓ点へ(あるいはその逆
へ)移るというのは、単に定義の問題だけでなく電子構造と電子の流れる場所が全
く異なることを意味します。恐らくですが

(1) 座標(波数, k点)の取り方を間違えた
(2) ヨウ素の席占有率を 1/4 にせず 1 のままで計算した

 のいずれかだと思われます。
参考までに彼らが cubic のバンド構造を解くに当た
って使用したデータは下記のモデルです。右は同じデータを元に私が論文の図を
再現したもの。くどいようですが、これは結晶化学のプロが自分の理解のために席
占有率が 1 でない原子が存在することを前提に提案した平均構造であります。
■Disordered Cubic Perovskite Structure of CH3NH3PbX3 (X=Cl, Br, I)
  (CH3NH3PbX3 の無秩序立方晶ペロブスカイト型構造)
  http://icpr.snu.ac.kr/renew/resource/jkps_view.php?j_cd=J01&article_cd=J011998032S010156
  J. Korean Phys. Soc., 32, S156-158 (1998).
 

 歯がゆいことに計算ソフト(CASTEP)が約200万円〜と高価でなかなか手が届かないた
め、確認が取れません。東北大にはフルスペックのライセンスがあったのですが...

【2015.1.18 ペロブスカイト考1】

 結晶化学に携わったことがある研究者であれば、苦労の末に未知の化合物のモ
デルを 99.9% 再現できたとしても決して「結晶構造が解けた」とは言いません。自然
はいつも驚きに満ちて奥が深く、真理は神のみぞ知るであります。太陽電池でお馴
染みの有機ハロゲン化鉛系ペロブスカイトもその一例。下は 2002年に山口大の川
口先生が発表された論文です。


■Structural Study on Cubic-Tetragonal Transition of CH3NH3PbI3
  (CH3NH3PbI3 の立方晶-正方晶遷移に関する構造研究)
  http://journals.jps.jp/doi/abs/10.1143/JPSJ.71.1694
  Journal of the Physical Society of Japan, 71(7), 1694-1697 (2002).
 

 この論文の原子座標を元に、正方晶(tetragonal)について結晶構造を展開したの
が下の図です。よく見ると、いくつか気付くことがあります。
    
(1) [0 0 l]方向に投影した場合、PbI6八面体の重なりは上下で 20.9°のかなり大きな
  捻れがあります。温度の上昇と共にこの値は小さくなり、54℃以上の高温相では捻れは
解消され、より対称性の高い立方晶(cubic)となります。

(2) 正方晶(tetragonal)の場合、ペロブスカイト型構造を持つにも関わらず単位格子
  格子(unit cell)は a=8.8Å, c=12.685 と縦長で、ちょうどサイコロを2つ(長さ的には
  1.5個分)積み重ねた形となっています。

(3) また炭素(C)と窒素(N)の位置がそれぞれ微妙に近い位置で4カ所、重なってい
  ることがわかります。International Tables を見れば明らかですが、このモデルでは
  空間群(space group)が I4/mcm → No.140 で、鉛(Pb)は原子座標 (0, 0, 0) の
  4c サイトを占めるのに対し炭素(C)は (x+1/2, -x, z) の 16l サイトを占めるため、
  このまま画を描くと炭素(C)の数を4倍多く見積もってしまうことになります。これは
  論文に提示された結晶構造が間違っているのではなく、C も N も席占有率
  (occupancy)が 1/4 となっているためであります。この辺、結晶化学の知識が乏
  しいまま上述のデータを用いてバンド構造を解くと、間違った答えが得られること
  になります。
 では最も真理に近いモデルは何か?ということになりますが、奇異な C と N のポジ
ションを解消するためには恐らく単位格子を縦に2倍(あるいは4倍)した超格子(super-
lattice)を考慮する必要があります。仮にc軸を2倍して d=25.3Å(→メインピーク)とす
ると、2θ=3.5°付近に小さなピークが観察されるのではないかと予想します。4倍格
子ならピーク位置は更に低角度側になります。

 余談になりますが、上記の CH3NH3PbI3 結晶モデルから N→C→I の順に原子を取
り除いていった時の、計算により求めたXRDパターンを下に示します。3強回折線に限
らず、ほとんどのピークはPb原子からの反射に由来するものであることが分かります。
2θ=23.6°と高角度側のピーク数本はヨウ素(I)からくる反射で、電子密度が小さい
炭素(C)と窒素(N)からの反射は、全体から見ればごく僅かです。これらはピーク強度
比に若干の影響を及ぼすものの、少なくともピーク位置にはほとんど影響を与えない
ことが分かります。即ち、X線でこの化合物の構造を決定するのは非常に難しいことが
分かります。
 もしこれ以上の精度で結晶構造解析を望むのであれば、中性子線回折による反射
スペクトルを取ることになります。日本であれば研究用原子炉を持っている京都大学
とか、、、近くならオーストラリアなど海外に行くしかないですね。ここまでやれば初め
てX線では特定不可能な水素(H)の原子座標も明らかになりますし、その時は恐らく
空間群も単位格子も全く異なるモデルをまた新たに構築することになるかもしれませ
ん。くどいようですが論文に出てくる結晶構造はあくまでも平均構造を示したに過ぎず、
無論これでXRDパターンの9割以上を再現することはできますが、真の結晶構造では
ないということを理解する必要があります。

【2015.1.17 あれから20年】

 3.11以前に“震災”と言えば“阪神・淡路大震災”を指しました。当時朝、私は仙台
で相変わらず研究室に寝泊まりしていたのですが、既に一般に普及しつつあったイン
ターネットで刻々と状況が明らかになるのを CRT モニターの前で固唾をのんで見守
っていた記憶があります。あれから20年、授業をしていて「あれっ?(話が通じない)」
思うのは今の学生さんは感覚としてこの震災の経験が無いんですね。時間が経つ
のは本当に早いです。

 改めて亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に
謹んでお見舞い申し上げます。


■想像を絶するすさまじい地震・火災・避難の実態を記録した知られざる阪神・淡路
  大震災の写真まとめ「1.17の記録」
  http://gigazine.net/news/20150117-hanshin-awaji-earthquake-photo/
  (2015年1月17日付 GigaZiNE)

【2015.1.15 論文の御紹介】

 現在世界最高値を記録している Dr. Seok(韓国)らのペロブスカイト太陽電池の詳
細が公表されました。


■Compositional engineering of perovskite materials for high-performance solar cells
  (高効率ペロブスカイト太陽電池における材料組成エンジニアリング)
  http://dx.doi.org/10.1038/nature14133
  Nature, in press (2015).

【2015.1.15 千葉大学です】

 ペロブスカイトの謎を解明すべく、有機エレクトロニクスにおける表面分光のスペシ
ャリスト、千葉大学先進科学センター・石井先生の研究室をお邪魔致しました。お陰
様でかなり有益な知見が得られました。Ferroelectric は、、、無いな(笑)。詳細は後
ほど。石井先生、御対応ありがとうございました。
 後から日記でごめんなさい。

【2015.1.13 JSTさきがけ】

 これも後から日記でごめんなさい、第3回「太陽光と光電変換機能」領域公開シン
ポジウム 〜研究成果報告会〜 太陽光と光電変換機能
と称する長い名前の講演
会がありました。場所は東大、本郷キャンパス。

 基調講演は初日 CIS 太陽電池 24年の和田隆博、二日目は瀬川先生。別にヨイシ
ョするつもりはありませんが、瀬川先生の発表は今までの中でベストでした。はい。講
演者の皆様、見るからに「太陽電池やってます」感が滲み出ていて、頼もしい発表会
でした。

【2015.1.12 オニコウベ】

 自宅から高速道路を通って約2時間。オニコウベスキー場に来ています。そう、ここ
は宮城県の競技スキーの聖地。昨日から中総体と高総体<本番>が行われている
んです。かつての仲間が試合に臨んでいる姿や結果をネットで見て(FB ね)、いても
たってもいられず一人で来てしまいました。今回は私、スキーは無しで会場の脇で見
ているだけです。

 選手達は皆この1年の間に成長して、体格も一回り大きくなって、素晴らしい成績を
残していきました。1日にたった2本、50秒足らずの試合ですが、1年間の努力がここ
で試されます。毎年のことですが大荒れの厳しい天気と、会場の張り詰めた空気と
、、、大会終わった後の各自の安堵に包まれた表情がなんとも言えません。お疲れ
様でした。
 聡一郎、今年出ていれば恐らく全国大会には出場できたのに。。。

【2015.1.8 記事の御紹介】

完全透明の光発電素子
  国際先端技術総研 太陽電池超の効率期待 
  (2015年1月8日付 日刊工業新聞1面)

 M国様、ありがとうございました。

【2015.1.7 GREEN】

 出席者320名、半分が産業界関係者とのこと。冒頭、シリコン研究43年の小長井先
生からペロブスカイト太陽電池の利点と欠点をおさらいする形で再定義頂きました。
特に異論無し。メガソーラーや屋上発電などの系統連携された電力用途に限定する
なら効率の追求が全てになるでしょうし、逆に言えばその他オフグリッドの用途には
有機系太陽電池が向いているということになります。2013年度までの設備認定容量
が既に約66GWあり、更に2014年度は約20GWも追加されている日本では、むしろ後
者のオフグリッドの利用拡大に力を入れていかなければいけないのは明らかです。

 それともう一つ、「仮に時計の文字盤に装着したとしても(→意味が無い)」コメント
がありましたが、使用面積が小さいからと言って利益が得られないという主張は思い
込みで、屋内用途や自動車への応用は決してニッチでは無いと思います。昔、プリウ
スにはシリコンのソーラーパネルがオプションで付けられていたのが、今ではすっか
り影を潜めてしまった理由を今一度検証してみる必要があると思います。

【2015.1.6 ペロブスカイト公開します】

 どうも今一つ状況を良く把握していない/されていないフシがあるので(誰が?)、
新年だし、本人に無断でこっそり実験台の引き出しの中身を公開致します! ゴメン
ね>Liuda(コジョカルさん)。
 1つのセルを作製して特性評価するのに、最短でも二日掛かります。数が全てでは
ありませんが、がしかし、η=17% 越えの高い効率は決して“なんとなく”得られたわ
けではないことは一目瞭然です。どこぞの ST※P セルとは大違いです。

 「仮説を立てて検証する」を繰り返し、膨大な実験を積み重ねながら少しずつ知見
を蓄えていきます。ディスカッションも毎日、実験データを見比べながら朝夕議論を交
わします。お陰様で私、以前にも増して英会話能力が鍛えられたような気が致します。


 他、デシケータの中にもまだまだ沢山セルがあります。

【2015.1.5 講演会の御紹介】

 5 年に一度の化学の祭典 (?)、日本化学会がアメリカと合同で主催する Pacifichem
2015
が今年もやって参りました。応募受付は 1月1日(木)から既に始まっております。

 太陽電池関係は Dynamical Processes of Light Harvesting Surfaces (#178) が該当
すると思われます。

The 2015 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies 

日時:2015年12月15日(火)〜20日(日)
場所:Hawaii, USA
受付締切:2015年4月3日(金)*学生ポスター賞は4月1日(水)
 セッション番号、間違っていたらゴメンナサイです。

【2015.1.1 謹賀新年】

 謹賀新年 
 明けましておめでとうございます。TVを見る範囲では日本各地で雪模様ですが、
ここ仙台では雪がほとんどありません。お陰様で自堕落な休日を過ごさせて頂きま
した。人間、歳を取ると続けて睡眠を取れなくなると言いますが、自分の場合はまだ
当分先のようです。晩飯を作って食べて寝る×9日間。

 この実りの薄いお正月は去年とは大違いですが、、、やむなし。聡一郎のXデーは
刻々と近づいております。私は3月半ばにプライベートで海外遠征に行くことを目先
の楽しみとして生きている今日この頃であります。早く終わらんかな>高校受験生。

 皆様にとって、この1年が良い年になりますように!


 年賀状、今からお送り致します。本当に申し訳ございません。


【2015.1.1 記事の御紹介】

■利用価値高まる“未利用エネ” *DSC
  /色素増感太陽電池−微弱な光でも性能落ちず 
  http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520150101caae.html/
  (2015年1月1日付 日刊工業新聞 Business Line)

 いいね。