不定期日記(1999)


【暗闇に一筋の光:1999.7.28】

 某研究機関の方から申し出があり、こちらのセルの光学特性評価をしていただくことになりました。ありがたいことです、この場をお借りして御礼申し上げます。いやー、ホームページに公開して良かった、としみじみ感じているところです。

 そうそう、ちょうど昨日でこのテーマを担当していた柏木君がカリフォルニア大へ1年の留学に旅立たれました。現地での活躍を期待しております。


【お詫びと訂正:1999.6.3】

 やはりと言うべきか、光量メータの受光素子が正しく使われていなかったため変換効率がおかしい値を出していたようです。もっとも、スイスの某メーカーが出しているキット?以上のデータを出していることに変わりはないので、新しい素子が到着次第追試を行いたいと思います。上記の 18 % 云々という話は間違いでした。ここにお詫びと訂正を致します。

 こちらの状況をもう一度整理致しますと:

 昨年度、市販のナノサイズ級チタニアに、ある“処理”を施したら変換効率が最大で2倍ほど向上することが確認できました。研究内容としましてはグレッツェルらの報告の追試を行ったに過ぎませんので、1年掛けて新たに得られた成果というのはこの“処理方法”だけということになります(←詳細はまだ公表しておりません)。
 今年度は新たに透明化も考慮した系を追加する形で研究を進めていますが、こちらはまだうまくいっていません。アイディア止まりの段階にあります。

 ・・・と、ここまで書いたところで「エネルギー変換効率なんて出す必要なんかないんだ(手元にあるもので研究していろ)」というお叱り?を頂いてセンサー購入の道は閉ざされてしまいました。なんだかなぁ(まあね、10万円くらいするからね)。


【補足の補足です:1999.5.18】

 うそ臭いデータの件はともかく、具体的な試行錯誤の中身について Letter 級のペーパーを書き始めました。アクセプトされるようだったらここに御紹介しようと思います。


【補足です:1999.3.4】

 ページを公開して数ヶ月も経たないのですが予想以上に反響があり、驚いております。太陽電池作製の手順や内容は途上の研究成果?に基づいており、進展するにつれいろいろ変更した部分もあります。この分野についてはまだまだ不勉強なため、勘違いしている部分もあるかと思います。どうか“前に言った事と話が違うじゃないか”等は御容赦下さい。

 その後いろいろ試行錯誤してみましたところ、入射光強度が小さい条件ではかなり変換効率が高いことが分かりました。今のところ Champion data としましては 40 W/m2 で最大 18 % が得られております(←間違いでした:後述)。入射光強度が数百 W/m2 になるとかなり落ちてきて、だいたい 5 % 前後で一定となるようです。

 このような特性が“測定方法が正しくないため(良すぎる?)”なのか“グレッツェルセルではあたりまえ”のことなのかさえ判断がつかない状態にあり、まだまだ検討中であります。

【色素増感太陽電池HPです 1999.3.4】

 色素増感太陽電池の情報収・集情報交換を目的としてホームページを開設致しました。この分野の皆様方にお役に立ちましたら幸いです。
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