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「Konarka to Provide Camouflage-Patterned Solar」
          
(2005年5月6日付 RenewableEnergyAccess.com)
http://www.renewableenergyaccess.com/rea/news/story;jsessionid=a2JfNOirTKO7?id=28183

Blending solar panels seamlessly into a building's roof has spawned numerous
developments from the solar industry including all-black panels to a host of
building-integrated shingle varieties. A Massachusetts-based solar company
is taking this effort one step further through a contract with the U.S.
military by designing camouflage-patterned thin-film solar to help serve the
military's increasing reliance on electronics.
"Our
power plastic can have a significant impact on reducing the modern
Army's logistics load."
- Daniel Patrick McGahn, executive vice president and chief marketing
officer, Konarka
Konarka was recently asked the United States Army to cover a $1.6 million
contract to provide
thin-film solar to supply power to soldier systems and
Army support infrastructures. Electric power requirements are going up for
both soldiers and facilities in theater of war situations. The contract is a
direct result of the military's increasing use of sophisticated electronic
technologies for sensing, surveillance, communications, search and destroy,
and survival on the battlefield.(後略)

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「京都大学21世紀COE第42回市民講座」
          (2005年4月29日付 読売新聞34面)

「環境に優しいエネルギー利用を目指して」
時間:
5月28日午後1時〜4時半
場所:甲府市総合市民会館大会議室(甲府市青沼3)入場無料

【講演者と演題】
▽塩路昌宏・京大教授「エネルギー資源とその有効利用」
▽曽根原久司・NPO法人えがお・つなげて代表理事「バイオマスの地域産業化
 戦略」
吉川暹・京大教授「太陽光発電の未来」

【申し込み】はがきかファクス、電子メールで住所、氏名、年齢、職業、
「第42回(山梨)参加希望」を明記し、〒606-8501(住所不要)
京都大エネルギー科学研究科(ファクス075-753-4745)へ。
メールアドレスはcoe-sk@energy.kyoto-u.ac.jp
定員150人(当日受け付けも可)。問い合わせは同研究科(075-753-3307)。
http://www.yamanashi-nponet.jp/info/detail.php?m=213&i=13

主催 京都大学21世紀COEプログラム「環境調和型エネルギーの研究教育
   拠点形成」、読売新聞社

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「シャープ」(2005年4月13日付 半導体産業新聞)

○太陽電池事業で新戦略
○産業用を大幅に強化
○原料不足に薄膜などで対応

 シャープ(株)(大阪市阿倍野区長池町22−22、(電話)06−6625−300
6)は、産業用太陽電池事業を強化するため、最大出力二一〇Wの大規模システム向
け多結晶太陽電池モジュールなど、9機種を新たに投入する。同社の太陽電池売上高
全体に占める産業用の比率は2004年度で40%弱に留まっているが、05年度に
は50%弱まで引き上げる。
 シャープが新たに投入するのは、結晶薄膜太陽電池モジュール(最大出力八五
W)、結晶薄膜シースルー太陽電池モジュール(同八五W)、大規模システム向け多
結晶太陽電池モジュール(同二一〇W)、中〜大規模システム向け多結晶太陽電池モ
ジュール(同一六七W)、中〜小規模システム向け多結晶太陽電池モジュール(同一
二五W)、高所設置向け高強度多結晶太陽電池モジュール(同八〇W)、高所設置向
け高強度・高効率単結晶太陽電池モジュール(同八七W)など。
 結晶薄膜太陽電池モジュールは、アモルファスシリコン技術と結晶薄膜シリコン技
術を融合した「結晶薄膜タンデムセル(マイクロクリスタルシリコン)」を採用して
いるのが大きな特徴。従来のアモルファスシリコンが変換効率5〜7%に留まってい
るのに対して、結晶薄膜タンデムセルでは7〜11%を実現。また、この結晶薄膜太
陽電池にレーザーでスリットを入れたのが結晶薄膜シースルー太陽電池で、太陽光発
電機能に加えて採光機能も兼ね備えているため、建物の屋上や壁面以外への設置も可
能になる。
 最大出力二一〇Wの大規模システム向け多結晶太陽電池モジュールは、従来に比べ
て設置枚数を約20%削減できることから、設置コスト低減に貢献できる。
 シャープは太陽電池生産量で5年連続世界No.1を維持しているが、同社が掲げる
「環境負荷ゼロ企業」を達成するには、より導入効率の高い産業用途を強化する必要
があると考えている。
 04年度における同社の太陽電池売上高は1100億円だが、このうち、産業用は
約400億円強。05年度の太陽電池売上高目標は1500億円だが、産業用構成比
は、対前年比10ポイント弱アップの700億円程度になる予定。
 さらに、2010年には、「産業用が太陽電池売上高の7割くらい占める」(取締
役 ソーラーシステム事業本部長 富田孝司氏)と、産業用を今後も強化していく方
針を打ち出している。
 また、太陽電池の生産急増で原料となる多結晶シリコンの不足が懸念されている
が、シャープでは、
(富田氏)としており、今後も太陽電池を普及させていくには、企業努力とし
て、コストダウンとマーケットのニーズに応えられるようなアプリケーションの提案
が不可欠だと説明している。

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「大学発ベンチャーの挑戦(48)SPD研究所−大気中で薄膜製造」
          (2005年4月12日付 日刊工業新聞34面)

 SPD研究所は04年3月に静岡大学工学部の教授を退官した
金子正治社長が同年
6月に設立した。スプレー熱分解薄膜形成(SPD)法という新しい薄膜製造技術に
よる薄膜製造装置や、薄膜の商品化を目指している。SPD法を用いた低コストの太
陽電池も開発中だ。
 薄膜とは厚さ1マイクロメートル以下のものを指し、機能性材料として注目されて
いる。現在は真空状態で製造されるのが一般的で、設備や運転コストが高額だ。真空
装置の減圧、加圧に時間がかかり、生産効率も悪かった。
 これに対しSPD法は大気中で薄膜を形成できるのが特徴。量産技術を確立できれ
ば、薄膜の価格を従来の数分の1にできるという。原理は薄膜原料を含む溶液を加熱
した基板に霧状に吹きつけ、溶媒を蒸発させて薄膜を得る。最適な加工条件さえ探れ
ば、さまざまな機能性材料への応用が可能だ。
 研究開発には静岡大学工学部の助教授や客員研究員も参加。すでに薄膜製造装置の
1号機を受注し、6月に納入予定。欧州の大学の研究所などとも商談中だ。07年5
月期に売上高2億円と単年度黒字を目指している。
 課題は薄膜の大型化。現在、同社の製造装置で形成できる薄膜は10センチ角で、
量産には不向き。これを品質を保ちながら05年中に30センチ角にし、さらに2、
3年中に数平方メートルまで広げる計画だ。用途別では、ディスプレー用の透明導電
薄膜に最も期待を寄せている。携帯電話のディスプレー用薄膜のサンプル出荷も始め
た。薄膜の大型化を待って、将来は大型ディスプレー用にも売り込む。
 
さらに同社はSPD法により「色素増感」と呼ばれる新タイプの太陽電池を開発中
だ。
これは酸化チタンやヨウ素など主原料が安価で、実用化できれば、現在普及して
いるシリコン系太陽電池と同じ性能で、価格は5分の1にできるという。
 この色素増感太陽電池で
「研究室の試作では世界最高レベルのデータを出してい
る」
と金子社長。ここでも薄膜の大型化が実用化のカギだ。「SPD法は環境問題や
エネルギー問題を解決できる技術。自分の手で実用化したい」と力が入っている。
▽本社=静岡県浜松市、053-474-7901▽社長=金子正治氏 ▽設立=04年6月
▽資本金=2000万円 ▽従業員=4人

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「フクビ化学工業――反射防止加工製品、利益率向上へ用途拡大
(有力企業次の一手)」
          (2005年4月12日付 日本経済新聞地方経済(北陸)8面)

 樹脂建材メーカーのフクビ化学工業は、反射防止加工を施した製品の開発を強化し
ている。新設住宅の着工戸数が頭打ちとなる中、利益率の高い独自製品の確立が急務
だからだ。
 フクビの売り上げ全体の約8割を占めるのは建材だが、伸び悩みの感は否めない。
過去3年の新設住宅の着工戸数は百十万戸台でおおむね横ばい圏内で推移している
が、同社の2003年三月期から05年三月期(予想)までの連結売上高も、550
億―560億円台にとどまっている。
 戦略商品の育成に向けて、一日付で反射防止の技術や製品開発を担う精密事業推進
部を発足させた。従来の生産技術本部内の精密部を独立させ、社長直属としたことか
らも同社の強い意欲がうかがえる。
 樹脂の表面を厚さ100ナノ(ナノは十億分の一)メートルの特殊な膜でコーティ
ングする技術を使うと、表面に当たる光の99.5%を透過。反射する光を0.5%
に抑えることができる。この高い透過率に加えて、屋外使用での耐久性をメーカーが
評価した。
 01年に船舶に搭載した魚群探知機や自動車のメーターのカバーパネル用として供
給したことに始まり、デジタルカメラやカーナビの液晶画面の保護パネルなどに着実
に用途を広げてきた。
 現在の開発上の重要テーマは、反射光を0.1%以下に抑えること。「存在に気付
かないほどの低反射」(長谷川弘照部長)を実現し、高い解像度が求められる医療用
モニター画面のほか、高い透過率を生かした
太陽光発電パネルなどへの応用も見込
。一方で化学物質への耐久性など、顧客の要求する水準にまで高めることができれ
ば、さらに用途は広がるとみる。
 顧客の要望を吸い上げるため、約三十人の専門部署(CSE事業部)も設けた。精
密事業の前期の売り上げは10億円弱と全体に占める割合はまだまだだが、「年率3
0%伸ばす」(五十嵐紘社長室長)と意気込む。
 今期から3カ年の中期経営計画では、05年三月期で3.2%の売上高経常利益率
(予想)を7%に引き上げる目標を掲げるが、原料である原油価格の動向が気掛かり
だ。目下、価格転嫁の時期と転嫁率について「取引先との攻防が続いている」(八木
誠一郎社長)というが、今後も上昇が続けば利益率目標の達成も危ぶまれる。
 原油高は中期的には技術力の向上で跳ね返す構えだ。例えば、従来10ミリの厚さ
が必要だった製品でも、7ミリで同じ強度を保つことができれば、原料高を吸収でき
る。一方で、「その技術の差を説明し切れる営業員の育成」(八木社長)も課題だ。
 「サンドバッグのように(価格が)たたかれる」(同社幹部)汎用品を強化しなが
らも、価格決定で主導権を握れる反射防止加工製品のような高付加価値商品を一つで
も増やすことが収益向上のカギを握る。

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「材料費格安、光触媒型の太陽電池 富大教授が開発、シリコン型から脱却」
          (2005年4月11日付 富山新聞8面)
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20050411003.htm

 富大工学部の蓮覚寺聖一教授(無機材料物性化学)は、屋外用の太陽光発電システ
ムに使われる
単結晶シリコンの約百分の一の材料費で太陽電池を開発することに成功
した
。現在、普及しているものはシリコン半導体太陽電池が主流だが、蓮覚寺教授が
作ったのは
金属イオンを含むゼリー状のゲル体を誘導性ガラスで挟んだ「光触媒型太
陽電池」
。加工の工程が簡単で、実用化されれば製造コストの大幅削減が可能とな
る。
 光触媒型太陽電池は、鉄、マンガンなど、複数の金属イオンを含んだゼリー状の溶
液であるゲル体を約千分の一ミリの厚さに延ばし、二枚の誘導性ガラスで挟む。電極
をつなぐと光の刺激を受けた電子がプラス、マイナスに分かれて電流が流れる仕組み
となっている。開発したゲル体は二五〇度までの加熱に耐えられる。
 新たな太陽電池の発電量は、
一平方センチ当たり電圧〇・六ボルト、電流二〇マイ
クロアンペア
で、シリコン半導体に比べ、十分な電流が得られないことが実用化に向
けての課題となっている。蓮覚寺教授は電池を重ね合わせることで電流を増し、さら
には表面を凹凸にして光の利用効率を上げることで、安定して十分な電流が得られる
ように改良している。
 新しい太陽電池の加工過程は、ガラス板にゲル体を塗って乾燥させるだけと簡単で
ある。材料費の比較では、ガラス板がシリコン単結晶の板の約百分の一と格安である
ことから、蓮覚寺教授は「実用化されれば現在の太陽電池より生産コストは大幅に削
減される」としている。
 光触媒型太陽電池の開発は、科学技術振興機構研究成果活用プラザ石川による二〇
〇四(平成十六)年度研究助成事業に採択されており、高松メッキ(富山市八尾町)
からも助成を受けている。

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「富士電機システムズ、軽くて曲がる太陽光パネル、屋根に張り付け簡単
 ――9月量産。」
          (2005年4月11日付 日経産業新聞1面)

 富士電機ホールディングス傘下の重電事業子会社、富士電機システムズ(東京・千
代田、伊藤晴夫社長)は太陽光発電パネルに参入する。軽く折り曲げ可能で屋根に直
接張り付けることができるパネルの量産を今年九月にも開始する。太陽光発電は海外
を中心に需要が拡大。富士電機システムズは建築物への設置が容易な新パネルで、
シャープや京セラなど先行組との差異化をはかる。
 発電パネルはプラスチックフィルムの上に1マイクロ(マイクロは百万分の一)
メートル以下の薄いアモルファス(非結晶)シリコン膜を形成する。ガラス基板を使
う従来のパネルと比べ重さは十分の一以下にできる。工場棟など広い面積の屋根に太
陽光パネルを設置する際に必要だった建物の補強工事が不要になる。折り曲げられる
ため屋根の形状に合わせて設置しやすいのも特長。
 富士電機システムズは高速で成膜する技術などを開発して商品化した。国内の生産
拠点に20億―30億円を投じて生産ラインを新設する計画だ。年間の生産規模は1
0メガ(メガは百万)―30メガワットになる見込みで、早ければ来年九月にも第二
期工事を計画する。
 システムの価格はパネルの大きさによって変わるが、産業用で発電量1ワット換算
300円程度にする計画。シャープによると、住宅用の平均的な太陽光発電システム
は1キロワット当たり68万円程度。
 シャープによると太陽光発電パネルの世界需要は今年度、30%程度拡大する見込
み。環境意識の高い欧州が約50%伸びるのに比べ、日本市場の伸び率は7―8%に
とどまると見られる。富士電機システムズではフィルムタイプの量産で顧客の投資負
担を減らせれば、太陽光発電の普及を大きく後押しできるとみている。
 同社は本業であるタービンなど発電所用機器の成長が期待できないことから、情報
システムなど新規事業の開拓を推進している。太陽光発電パネルもその一環で、重電
機器に代わる新たな収益源に育てたい考えだ。

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「堺化学、世界初異形性高活性酸化チタンのリングとチューブを開発」
          (2005年4月8日付 化学工業日報4面)

 堺化学工業は、独自の合成技術で異形性高活性酸化チタン二品種の開発に世界で初
めて成功した。
色素増感型太陽電池の光電変換効率アップに威力を発揮するリング状
酸化チタン
と、脱硝触媒などで分解対象ガスに優れた吸着性をもつチューブ状酸化チ
タンの二つ。同社では今後、サンプル出荷を開始し、太陽電池やUVカット化粧品向
けなど多様な分野で用途開発を急ぐ。
 堺化学工業は酸化チタンの大手メーカーで、機能性酸化チタンも幅広く手掛ける。
独自の合成技術を駆使し、目的に応じてさまざまな粒子形状、粒子サイズ、結晶型の
酸化チタンを生産し、高度な表面処理技術により粉体供給も可能だ。
 新開発したリング状酸化チタン「UFAn」は、量子効率の良い高結晶性アナター
ス型で、1グラム当たり80−100平方メートルの比表面積(換算一次粒子径15
−20ナノメートル)を持つ。形状がリング状のため増感色素を多く取り込むことが
でき、色素増感型太陽電池の光電変換効率アップに役立つ。
 色素増感太陽電池の用途は、高度な光活性が必要なため、今後、さらなる技術開発
を進め実用化を目指す。その他、分解対象ガスの吸着サイトとしても優れた機能を持
つため、脱硝触媒など各種触媒用途でもサンプル出荷を始める。
 一方、アナタース型チューブ状酸化チタン「MAK−10」は、長径10−20マ
イクロメートル、短径約2−5マイクロメートル。アスペクト比で2−7のチューブ
状でありながら、1グラム当たりの比表面積で最大200平方メートルを持ち、高い
活性を有する。
 棒状の絡まりにより「疎」な膜を作成できることが特徴で、分解対象ガスに高吸着
性を示す。各種触媒用途をはじめ、紫外線防止機能をもつUVカット化粧品向けなど
で製品開発を進める。

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「酸化亜鉛薄膜で起業 高知工科大」
          (2005年4月6日付 高知新聞)
http://www.kochinews.co.jp/0504/050406headline05.htm#shimen5

 高知工科大は5日、酸化亜鉛の薄膜を半導体材料などに応用する研究を進めている
山本哲也教授らのグループが、同薄膜の開発会社を設立した、と発表した。今後、薄
膜の活用法や事業化を県内企業とも共同で進める。酸化亜鉛の活用研究は全国で進ん
でいるが、同大関係者によると、ベンチャー企業の設立は「聞いたことがない」とい
う。
 設立したのは「ZnO(ゼットエヌオー)ラボ」。今月1日付の設立で、資本金1
000万円の株式会社。学内教職員が出資した。
 代表取締役は同大の山田晃男教授=産学官連携担当=で、山本教授は取締役。本社
は香美郡土佐山田町の同大連携研究センターに置いた。
 酸化亜鉛は、顔料にも利用される安価な物質。山本教授らは、これを透明で電導性
の高い薄膜にする技術を開発しており、液晶画面や
太陽電池の電極などへの応用を目
指している
。また、透明で紫外線を吸収し、赤外線を反射するなどの特性を生かし
て、住宅材料などに向けた新しい活用法も探っている。
 同社は山本教授らの研究を基に、材料、加工装置、製品の開発から供給、コンサル
ティングなどを手掛ける。
 同大で行われた記者発表には、岡村甫学長や山田、山本両教授らが臨み、山田教授
が同社の概要や方針を説明した。
 山本教授は、既に県内の10社程度のメーカーが強い関心を持っていること、新た
な活用や事業化で連携する考えがあることを表明。「地元企業の協力で革新的な商品
の開発を狙っていく。また県外の酸化亜鉛の研究グループとも連携し、日本のZnO
コミュニティーをつくりたい」と語った。

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「連載 輝け!! 太陽電池 No.12
          (2005年4月6日付 半導体産業新聞1635号4面)

○フジプレアム(下)
○割れない太陽電池パネル
○折りたたみ式の太陽電池パネルも開発
○07年度には月産1MWで8000パネルを量産

 同社は
新形態採光型太陽電池モジュール用に特殊な耐候性フィルムを開発した。可
曲性を実現するため、耐候性の高いフィルムと樹脂層を表面に形成。通常はトップ部
に強化ガラスを用いるが、このモジュールは両面にフィルム・樹脂層を使っている。
 セルのサイズに影響されるが、このフィルム太陽電池モジュールは、大きな曲率で
曲げられることが特徴の一つである。現在のところ、曲率5000R程度だが、将来
的には薄膜セルと組み合わせ、どのような曲率にも曲げられ、フレキシビリティの高
い太陽電池パネルを目指す。また、比重は通常のガラスで2.7に対し、フィルムお
よび樹脂部は0.9〜1.0であり、モジュール全体で約5〜10分の一ほど軽量化
が実現できる。
 
主な顧客ターゲットは、ガラスが割れて、飛散すると困る農業ハウスへの展開を計
画している。
ハウス内に太陽電池モジュールを設置し、発電しながら栽培するという
一石二鳥を実現する。ただ、顕在化したニーズではないので、市場形成には多少の時
間を要する見込み。これらの用途も含め、フィールドテストを実施。
 現在、採光型太陽電池モジュールおよび新形態採光型太陽電池モジュールの製造は
フジプレアム、販売や応用商品の開発などはフジサンエナジーが担当。製品寿命はと
もに30年を目安とする。価格は仕様によって異なるが、新形態採光型太陽電池モ
ジュールで1m2当たり15〜50万円。今後は安価な製品づくりを心がけ、樹脂の使
用量を減らすといった、コスト削減を強力に推進し、市場の拡大を図っていく。
 これらのモジュール製造技術と電力変換・システム技術を核に、2005年二月、
同社は直流・交流出力太陽電池パネル『ハイブリッドソーラーパネル(以下HS
P)』を開発した。パネルの開発には、地球温暖化防止策の革新的技術として、環境
省から三分の一の補助金を受けた。独自の精密貼合技術を駆使し、高耐候性フッ素
フィルムとアルミパネルの中に太陽電池素子を封止したサブストレート構造を開発。
まさに《割れない太陽電池パネル》である。フィルムの厚さは200μm。
 さらに直流電力を一般家庭でそのまま使用できる交流電力に変換する、超小型・高
効率のパワーコンディショナーも開発した。太陽電池パネルと一体化させるため、1
5cm×20cmの超小型サイズを実現。その結果、従来は大規模な工事であった太陽光
発電システム工事が、DIY(日曜大工)感覚で設置できる。二電源(AC100V
/DC12V)で使用でき、一二〇Wの一パネルから、1.8kWの一五パネルまで
増設可能だ。
 このHSPは、ベランダや車庫などの一般家庭、リクレーショナル自動車、アウト
ドア製品などから、発展途上国の無電化村向けのワンパネルシステムまで、幅広い用
途を想定。05年秋からフィールドテストを実施し、06年六月から本格的な販売を
開始する。近く1m2の折りたたみ式の太陽電池パネルも正式に発表する予定だ。
 HSPのパネルは世界中へ供給し、国内では一般ユーザーへ直販するため、自治体
などの協力を得て、防災センターといった防災向けをまず展開していく。価格は一パ
ネル当たり10万円。全国のDIY店、インターネットでの直販を行う。
 販売計画として、06年度は月産六〇〇kWで5000パネル、07年度には月産
1MWで8000パネルの量産体制を構築する予定である。今後は「太陽電池パネル
を生活必需品として、一般家庭への普及を促進していきたい」(手塚博文取締役)と
意気込む。

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「阪大、銀微粒子触媒でシリコン基板にナノサイズ深孔製造法を開発」
          (2005年4月2日付 日刊工業新聞27面)

 大阪大学太陽エネルギー化学研究センターの
松村道雄教授、辻埜和也大学院生らは
銀微粒子触媒を用い、溶液中でシリコン基板にナノサイズ深孔をつくる方法を開発し
た。銀微粒子がドリルのようにシリコン基板中に直線的に沈み込み、深さ500マイ
クロメートル以上の孔を形成する。化学薬品処理だけで銀微粒子にせん孔機能を与え
る現象は例がなく、半導体の高性能化に貢献しそうだ。
 銀微粒子は銀イオンを含むアルカリの溶液を用いて、基板に付けた後でフッ酸と過
酸化水素の混合液に浸す処理を施す。化学処理した銀微粒子(直径30ナノ―100
ナノメートル)は孔径を維持したまま、せん孔を行う。とくに溶液に約30分浸すと
せん孔の深さは約40マイクロメートル。また、約10時間浸すと孔径は300ナノ
メートル、深さ500ナノメートルになることが確認できた。
 仕組みは完全に解明されていないが、銀微粒子や酸化剤である過酸化水素の作用で
シリコンが酸化。その上で酸化されたシリコンがフッ酸で溶けやすくなった部分に銀
微粒子がドリルのように孔を形成すると考えられるという。
 ナノサイズの深孔形成法は、
松村教授らが太陽電池の発光効率を向上させるシリコ
ン表面処理の研究を進める中で偶然見出した。
同じ現象を起こすには従来では化学処
理以外に電気をかける工程も必要だった。応用面では半導体分野のほか、微細加工の
コスト削減などが期待できる。
 今回の技術確立について松村教授は「加工への応用など、企業やナノテクの研究者
と共同で進めたい」と話している。

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「成長へのシナリオ 日本化薬・島田紘一郎社長」
          (2005年3月28日付 化学工業日報1面)

 来年、創業90周年の節目を迎える。次期の飛躍に向けて基盤固めが進む。

 「伸ばす事業分野としては『情報通信』『医療』『安全』の三つだ。現在の中期経
営計画は堅めの目標だからオーバーするくらいにしたい。次期中計では医薬の自社開
発品のめどがある程度つけば、利益面で強気の中計が組める。また、ROE(株主資
本利益率)で10%は超えたい。そのためには、営業利益を現在の2倍にしないとい
けない。その達成を早めるため技術的なつながりのある事業や企業買収も積極的にや
りたい」
 「開発体制も2006年春の完成予定で統合研究棟(仮称)を東京工場内に建設し
ている。当社の資産は技術だ。これをひとまとめにして技術の融合を図り、独自製品
の開発スピードを上げていく」

 医薬事業が大きな課題。2006年の薬価改定対策も手を打った。

 「薬価改定には危機感を覚えているが、2010年まで大きな新製品はない。新製
品不足に対応するため、他社からの導入を進め、この1年間で58億円くらいの導入
案件を決めた。売上高350億円、営業利益30億円は維持できるめどがつき、対策
は一応打てた」
 「2010年に上市できそうな医薬品では、『NK105』という高分子ミセル化
抗がん剤がある。ピークで20億円以上はいけるだろう。そのころになると、ヒート
イムノセラピーという治療法も実用化される見通しだ。これら両方で100億円近く
はいく。その他3品目くらいの開発を進めており、小粒だが売上高500億円程度の
医薬会社としてやっていける」

 飛躍の原動力は電子情報材料分野。

 「2011年のデジタル放送化に向けて市場は順調に伸びていく。液晶シール材、
DVD用接着剤、レンズ用樹脂、インクジェット用色素、グループ会社のポラテクノ
の液晶用偏光板が好調だ。ポラテクノは昨年、高耐久の無機系偏光板を製造している
米モスクテック社を買収し、リアプロジェクションテレビ用を中心に大化けする可能
性がある」
 「半導体封止用で新しいエポキシ樹脂を開発しており、強みが発揮できる。一方、
コストダウンのため、中国で中間体を作ることも検討している。インクジェット用色
素事業では色素だけでなくインキまで手掛ける。将来は70億−80億円の事業にな
るだろう」

 「当社の事業は材料売りだが、部材までやりたい。これが今後の取り組みの中心に
なってくる。
期待している開発製品は色素増感型太陽電池、3年以内には売り出した
い」

 自動車エアバッグ用インフレータやMGG(マイクロ・ガス・ジェネレータ)など
セイフティー事業の浮上もポイント。

 「来年あたりから利益に寄与してくる。欧州の事業は苦労したが、顧客からの注文
が増えて設備投資も実施し、営業利益で10億円くらいは稼げる。米国の事業は今年
で収支トントンになり、来年から黒字化できる」
 「国内はMGGが主体だったが、サイドエアバッグやカーテンエアバッグ用のイン
フレータなどインフレータ中心の事業構造に変えていく。この3年間は2割強の伸び
が見込める」

 安定した収益に比べ企業規模の拡大が遅れた。規模の拡大は次期中計のターゲット
だ。豊富な資金力を生かせるかがカギを握る。

 「機能化学品と自動車安全部品を中心にして伸ばしていけるという自信がある。ま
た、今後は海外の事業も積極的に拡大する。M&Aと並行して二十億、三十億円くら
いの事業をいかに数多く集めるかが重要だ。2年以内に連結売上高を1500億円に
し、次は2千億円を目標にしたい」
 「これからはナノテクの世界だろう。農薬にしても、ナノサイズにすると機能の
違ったモノが出てくる。古い製品でもまったくリニューアルした製品が開発できる可
能性があり、積極的に取り組み医薬や化学品に応用していきたい」

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第7回研究講演会「活躍する光触媒」

講演プログラム(講演者敬称略,演題名・講演者は変更になる場合がございます)

9:30-12:00
1) 光触媒の発展と今後の展望
  茨城大学理学部 金子正夫
2) 特許からみた光触媒の動向
  大日本インキ化学工業(株) 米原祥友
3) 角柱状酸化チタン光触媒の開発と空気浄化機の商品化
  アンデス電気(株) 吉田時雄
4) 可視光応答型酸化チタン薄膜光触媒の創製とそれを用いる水からの水素
  と酸素の分離生成
  大阪府立大学工学部 安保正一
12:00-13:00 昼食
13:00-15:00
5) 大気浮遊粒子中の二酸化チタン結晶
 茨城大学理学部 野口高明,井村久則
6) 多孔質アルミノケイ酸塩と光触媒酸化チタンの複合化物の特性 〜光
  触媒の実用化・用途拡大へ向けて環境浄化における光触媒の商品化
  ライオン(株) 二階堂雅則
7) 光触媒による太陽光のエネルギ−資源化
  東京理科大学 荒川裕則
8) 光触媒による水の可視光分解
  東京理科大学 工藤昭彦
15:00-15:10 休憩
15:10-17:00
9) 特別講演“光触媒の現状とこれからの課題”
  神奈川科学技術アカデミ− 藤嶋昭

主催:日本太陽エネルギー学会
協賛:エネルギー・資源学会,(社)高分子学会,触媒学会,(社)電気化学会,(社)日本エ
   ネルギー学会,(社)日本化学会
日時:平成17年6月23日(木)9:30〜17:00
会場:工学院大学新宿校舎第5会議室(11階)/新宿区西新宿1-24-2
定員:120名
参加費:会員(主催・協賛学協会員)5,000円,非会員7,000円(テキスト含む)
参加方法:参加申込書またはホームページ掲載の申込書にご記入のうえ,日本太陽エ
     ネルギー学会事務局までE-mail,FAX にてお送りください。
申込期限:平成17年6月17日(金)
問い合わせ先:日本太陽エネルギー学会 事務局,電話
03-3376-6015,FAX03-3376-6720,E-mail:jses@tky.3web.ne.jp,
URL: http://wwwsoc.nii.ac.jp/jses/index.html

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