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【千野境子が行く独創の現場】花力発電、水空電気は出発点
                    
(2004年11月29日付 FujiSankei Business i 2頁)

■「小型」物づくりに大きな夢

 物理や化学は苦手、お嬢さま学校の神戸女学院大学英文学科を出て入社したとき
は、周囲はもとよりご本人も今日ある姿を夢にも思わなかったに違いない。
 人間の可能性は無限大。楽しみと同時にオソロシイところかもしれない。菅留視子
(すが・るみこ)さん。西野田電工に入り、1997(平成9)年に専務、99年に
同族ながら四代目社長に就任すると、それまでの本業である工業用電気設備工事や保
守管理部門とは別に、新しくQ事業部を立ち上げた。
 事業部の命名は、映画「007」に想を得た。Mの指示で秘密兵器を作るドクター
Q。Mにわが身を重ね? 産学連携で、花力(かりょく)発電、水空(みずから)電
気と実験用キットを次々と開発、資源エネルギー庁エネルギー教材の委託も獲得して
きた。
 火力ならぬ花力発電は、大阪大学やオランダ国立研究所(ECN)などとの連携で
生まれた、植物の色素を使い発電を起こす、
色素増感型太陽電池作成の実験キット
だ。シリコン太陽電池より安価、しかも環境負荷が低いところに注目した。花はハイ
ビスカスを採用、キットにハイビスカス・ティーをプラスしたのは女性社長ならでは
のセンスだ。
 「技術が蓄積できる物づくりをやりたかったんです。でも工事事業部に迷惑をかけ
てはいけない。それに臆病だから投資額も小さく、花力の場合は10万円だけ。1個
1個手作りし、ホームページを作りインターネット販売しました。年毎に売り上げが
伸びビックリ」と振り返る。
 水空電気も水電気分解・燃料電池の仕組みを自分で作れるよう、産業技術総合研究
所と共同開発した。クリーンで循環型エネルギーへの関心を育てることは、日本の未
来研究の発展に役立つはずだと確信している。
 それにしても、花力といい水空といい、原理を簡潔に突いたユーモラスな命名は、
「何にしようと女の子と相談し、五分か十分で決めた」と屈託ない。
 これまで新事業で赤字を出したことは一度もない、というから強運だ。教材開発か
ら始めたのは「世界の研究室で行っているものに子供がさわってほしい。日本の子供
たちが最先端技術を勉強するのは、会社にとっても夢です。それに学校は注文のリ
ピートもあるから」と言う。
 臆病と言うわりには、ものおじしない。「半分しか分からない」のに提携先のEC
Nのシンポジウムに参加したり、
色素増感型太陽電池の開発者、スイス・ローザンヌ
工科大学のグレッツェル博士に気に入られて、いまではメールを交換したりして、仕
事への刺激を得ている。
 会社のある阪神電車・野田駅付近には、同業の電気工事関係の中小企業がずらりと
並ぶ。職人中心の男の職場だ。西野田電工も菅社長が入社するまで女子社員はゼロ。
いまも社員の大多数は男性、年長者もいる。
 苦労は少なくないはずだが、「信頼関係の構築された人を周りに配置しています。
でもそうした関係を作るまでに二、三年かかりました」とさりげない。
 これからも物づくり、それも「小型」にこだわる。投資額が小さく、小回りがき
き、場所も取らず、中小企業向きと考えるからだ。Q事業部の三本柱を太陽電池に燃
料電池、燃料電池をためるキャパシタと決めて、開発のシーズを探す。中でも燃料電
池の将来性に期待している。
 「いまは物づくりの練習をしている段階です」とも言う。花力や水空の成功は第一
歩。目指す目標はもっと大きく、先にあるということだろう。(産経新聞大阪特派
員)
 【西野田電工株式会社】
 ◇本社=大阪市福島区海老江7−2−43 あさひビル10F
     TEL06−6451−0768
 ◇資本金=1000万円
 ◇創業=1945(昭和20)年1月
 ◇売上高=3億6000万円(2003年度)
 ◇従業員=26人

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ナノ素材市場2.3倍に、2007年、車・電池向け拡大――昨年比民間予測
                    
(2004年11月29日付 日経産業新聞24頁)

 市場調査会社の富士経済(東京・中央)は、カーボンナノチューブ(筒状炭素分
子)やフラーレン(球状炭素分子)などナノテクノロジー(超微細技術)素材の市場
規模が、2007年に03年比2.3倍の約500億円に成長するとの調査をまとめ
た。産官学の連携などで自動車部品や電池の部材に商品化が加速するとみている。
 調査によると、カーボンナノチューブの市場規模は07年に03年比約2.1倍の
235億円になる。自動車部品向け樹脂に混ぜ、導電性を持たせたり、強度を高める
用途が立ち上がるほか、リチウムイオン電池の電極材料などに需要が増加する。
 フラーレンは07年に同5倍の126億円になる。07年時点ではフラーレンを
使った製品の普及は本格化しないが、商品化の実験や試験出荷向けの製品に需要が伸
びるという。具体的な製品は、
太陽電池や蓄電池の電極の素材など。
 カーボンナノチューブやフラーレンを電池の電極の素材に混ぜると、蓄電量が増え
るなどして電池が長持ちするという。

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日本カーボン、炭素繊維製品群の生産能力増強で10億円を設備投資
                    (2004年11月29日付 日経NET)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=87531
http://www.carbon.co.jp/jpn_index.html

 当社は製鋼用人造黒鉛電極と並び、新たに事業の中核にするため炭素繊維製品群
(炭素繊維系断熱材・機能材、C/Cコンポジット)の生産能力を大幅に増強する設
備投資を決定いたしました。これは、既存の熱処理分野、半導体分野などの根強い需
要に対応するだけでなく、高度な高温処理技術を必要とする新規分野での幅広い需要
にも応えて行くため、当該製品群の製造拠点工場である滋賀工場(滋賀県近江八幡
市)に成形、焼成、黒鉛化等各工程生産能力を増強するものであります。
 当社は2003年1月、特殊炭素製品事業の一部を分社化し生産の効率化、利益の
改善を計ると共に、一方では炭素繊維製品事業の拡大を志向し国内、海外マーケット
で新規分野の開拓を行ってきました。既存の分野だけでなく
太陽電池や各種燃料電池
などのエネルギー関連部材、光ファイバー関連部材などをターゲットに、販売金額は
2007年には現在の倍増にあたる50億円を見込んでおります。今回決定しました
設備投資は1期工事を本年末に完成、2期工事を2005年中頃の完成を目標に進め
ており、投資金額は約10億円であります。
 拠点である滋賀工場には技術開発スタッフを集約し、競合他社と異なり多種類の合
成原料(レーヨン、アクリル、ピッチ、フェノール)から炭素繊維を製造し、ユー
ザーの用途や使用環境に合わせた最適設計を行う体制を整備いたします。その上で、
今後の市場への展開状況により更に設備投資を追加することで事業の拡大を図って行
く所存であります。

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仕事・勉強 産学連携 立命館大理工学部長・高倉秀行さんに聞く
 研究成果の活用魅力

                    (2004年11月26日付 京都新聞朝刊27頁)

◇産学連携が盛んになってきた背景は。

 「1980年代後半の好景気の時、企業は基礎研究に力を入れていた。それが、バ
ブルがはじけて余裕がなくなったため、大学の研究成果を活用しようと考えたのでは
ないか。大学でも世代交代が進み、以前は保守的だった産学連携に対する意識が変
わったことも理由の一つだ」

◇産学連携のベンチャービジネスを実践しているが。

 「大学の研究に比べて時間に対する感覚が大きく違う。会社は何をするにもスピー
ドが求められるし、時間を有効に短縮できるならば費用も投入する。さらに理工系の
大学教授らは一般的に、企業会計や契約書、取引先との交渉など実務的なノウハウを
知らないので、大学側だけで会社を維持していくのは難しいと感じる」

◇連携による利点は。

 「産業側にとっては、研究成果や教員の人的ネットワークを活用できること。基礎
研究に重点を置く大学の研究成果は、すぐには商品化に結びつかなくても企業側に
とっては魅力的だろう。大学側には、ベンチャー設立のための資金援助や学生に対す
る教育的な面が大きい。研究の視点だけでものごとを見ていた学生が、企業で働いて
きた人たちとかかわることは彼らにとって貴重な経験になる」

◇連携を推進するうえで、何が必要か。

 「ベンチャー企業などを設立するための国の補助金制度などは、かなり整っている
と思う。必要なのは企業と教員との出会いの場だ。企業は、研究に対して賞を設ける
など努力をしているが、教員がもっと積極的に外に出ていく必要があるのではない
か。会社経営に不安のある教員は多いと思うので、背中を押してくれる企業がもっと
でてきてほしい」

◇産学連携の将来は。

 「増えていくだろう。それが大学を活性化させ、質の向上につながるのではない
か。大学発のベンチャー企業が有名になれば、学生を引きつける要素になることも考
えられる。ただ、教員が、起業した会社から報酬を受け取っていいかなど、どこまで
会社経営にかかわることができるのかを大学がきちんと決める必要がある」

(湖南総局 岡田幸治)

 たかくら・ひでゆき 大阪大大学院基礎工学研究科単位取得退学。同学部助教授、
富山県立大教授などを経て、1996年から立命館大理工学部教授。今年4月から現
職。産学連携で
太陽電池のベンチャー企業を01年に設立、副社長を務めている。5
5歳。

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三洋電、太陽電池パネルの生産増強−群馬に40メガワットライン
                    (2004年11月26日付 日刊工業新聞1頁)

 三洋電機は、住宅用
太陽電池パネルの生産体制を増強する。05年1月に東京製作
所(群馬県大泉町)内に年産能力40メガワットの製造ラインを新設し、供給体制を
整える。海外でもハンガリーで05年6月に生産を始め日本、米国、欧州の3極体制
を構築する。消費地近くに生産拠点を整備することにより、拡大する需要の取り込み
とコストダウンを図る。
 国内需要が年率20%以上も拡大する中で、これまで東日本の供給体制が手薄だっ
た。東京製作所への投資額は明らかにしていないものの、10億円以内となる見通
し。
 同社は現在、国内は二色の浜工場(大阪府貝塚市)と鎮岩工場(兵庫県加西市)で
パネルを生産している。生産能力は二色の浜が年33メガワット、鎮岩が同30メガ
ワット。北米向けはメキシコ・モントレーの工場で年間10メガワットを生産してい
る。
 欧州については、三洋ハンガリー(ドログ市)に10億円を投じて年間50メガ
ワットのラインを整備する。06年度には100メガワットに拡大する計画。欧州は
太陽電池で発電した電力の買い上げ制度(フィールド・イン・タリフ)が充実してい
るため、急速な市場拡大が見込まれている。
 三洋は04年1月にセルからパネルまでの一貫生産が可能な二色の浜工場を稼働さ
せるなど、急ピッチで生産拡大に取り組んでいる。05年1月には、住宅用
太陽電池
パネルを構成するセルの生産能力が、03年度の2倍以上の年153メガワットにな
る。
 
太陽電池メーカーは、国内でセルの生産能力を増強する一方、パネルの海外生産に
相次いで乗り出しており、シャープが英国で生産を始めているほか、京セラもチェコ
で生産を始める。
【ことば/太陽電池】
 太陽の光を利用して電気を作り出す発電システム。材料のシリコンは、太陽光が当
たるとマイナスとプラスの電荷が発生する。この性質を生かし、マイナスの電荷を引
きつけるシリコンと、プラスの電荷を引きつけるシリコンの2種類を結合させること
で、乾電池と同じ状態を作り出して発電する。
 シリコンの中でも発電効率の高い単結晶、大量生産に適した多結晶、薄い非結晶が
ある。住宅の屋根用途には多結晶が多い。非結晶は電卓、腕時計などに使われてい
る。シリコン以外では人工衛星に使う化合物がある。
 太陽電池に詳しい米PVニュース社によると、03年の全世界の需要は約74万キ
ロワット(前年比33%増)。これまで日本が世界最大の市場だったが、最近では欧
州で急速に需要が拡大している。

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Global Photonic Achieves New Performance Record for
Organic Photovoltaic Cells
                    (2004年11月19日付 solarbuzz
http://www.solarbuzz.com/News/NewsNATE27.htm

Global Photonic Energy Corporation, a developer of sustainable Organic
Photovoltaic (OPV?) technology, today announced that the company's research
partner at Princeton University has achieved a new record in power
conversion efficiency with a novel "Hybrid Planar-Mixed Molecular
Heterojunction" (Hybrid PM2-HJ?) organic material structure.

In this latest work Princeton Researchers succeeded in developing single and
tandem cells with efficiencies of 5.0% and 5.7%, smashing the Team's
previous record of 3.6% and paving the way for even stronger future
performance.

The Hybrid PM2-HJ? structure utilizes a combination of thin films of a
single material and layers in which different materials are combined to form
an ordered structure at a molecular scale.

Global Photonic Energy Corporation says one exciting aspect of the work is
the relatively simple approach used by the team to achieve order at a
molecular scale. The new structure is good at allowing electrons to be
efficiently harvested from molecules excited by absorbed light from the sun.
Photovoltaic research efforts have recently focused on the use of organic
materials containing the ubiquitous element Carbon, as opposed to
conventional inorganic, silicon-based materials. Organic semiconductors,
while relatively new, are already in commercial products including organic
light-emitting displays (OLEDs) and xerography drums.

Jiangeng Xue, a former Doctoral Student at Princeton University and now
research scientist at GPEC is co-author of the upcoming article describing
this new work.

"This approach has additional upside. It is very promising", Dr. Xue said.
Organic materials can be applied to virtually any surface using a method
akin to spray painting. Production methods of this sort are easily adaptable
to continuous and so called "roll-to-roll" manufacturing processes and hold
the promise of dramatically reduced production costs. Organic materials also
can be used in flexible applications. GPEC's OPV?s using the hybrid PM2-HJ?
approach can be used to create photovoltaic cells of different colors or
cells that act as window tinting in building integrated applications.

Aaron L. Wadell, president of Global Photonic Energy Corporation, observed,
"We would like to congratulate Professor Forrest on this latest achievement.
Steve's pioneering efforts in nanotechnology, organic electronics, physics
and device fabrication have created an unmatched track-record of results.
Steve's small molecular organic photovoltaic cells have consistently
achieved the highest efficiency performance."

Global Photonic Energy Corporation Global Photonic Energy Corporation (GPEC)
is a developer of sustainable molecular Organic Photovoltaic (OPV?) and
Photo Fuel? (Hydrogen) production technologies. GPEC is collaborating with
world class organizations to transform the energy and photovoltaic markets.

GPEC has long-standing research partnerships with Princeton University and
the University of Southern California. GPEC was founded in 1994 by
entrepreneur Sherwin I. Seligsohn. Mr. Seligsohn has been the Chairman of
the Board and Chief Executive Officer of the Company since its inception.

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