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「 千葉大学教授・小倉克之氏(探究創)」
                 (2004年10月18日付, 化学工業日報8頁)

 「ヨウ素はまだまだ未開拓の領域があると思う。それだけに、チャレンジしがいがある」というのは千葉大学の小倉克之教授。「学問としても、十分に系統だってまとめられているとはいい難い。消毒剤などとして古くから利用されているが、新しい応用領域も急速に立ち上がりつつある。企業とも連携して、ヨウ素利用を大いに進めていきたい」。ヨウ素利用研究会会長として、来月五日、同大学で開かれる“第7回ヨウ素利用研究国際シンポジウム”にかける意気込みを語る。
 同シンポは、1998年から、産学交流の場として開催されているもの。世界的に偏在するヨードの活用推進を目的として、日本のヨード企業と千葉大学を中心とした学界とが足並みを揃えた。「消毒剤やX線造影がメインの需要だったが、電子分野や中間体分野でも新たな需要が創出され始めた」と期待する。
 具体的には、「電子・電気関連では太陽電池向けなどが今後、大きく進展しそう。また、触媒的な使い方も有望」と、シンポジウムが楽しみな様子。加えて、最近の環境対応、資源有効利用の観点から「再利用やリサイクルについても真剣に取り組んでいかなければ」という。
 ヨード工業会が行う研究助成でも「今度、新たにグループ研究も対象にすることになった」。続けて「これからは、テーマを設定するなど、目標をより明確化するのも一つの方法」。絶えず、新しい道を模索している。
 新分野を求め、研究活動に力を入れるのはもちろん、最近のテーマの一つは「人材育成」。「退官まであと3年半。後継者作りはもちろん、教育者としての仕事もまっとうしたい」と締めくくる。

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「 物材機構、光触媒、可視光型を安定量産――酸化チタンに窒素添加」
                 (2004年10月15日付, 日経産業新聞7頁)

 【つくば】物質・材料研究機構は十四日、可視光を当てると反応する光触媒を安定した品質で量産する新製法を開発したと発表した。通常の光触媒は紫外線でしか反応せず、可視光でも反応する光触媒は品質が不安定なことが課題だった。室内で使う抗菌素材や太陽電池向けに応用を目指す。
 光触媒作用のある酸化チタンの表面に窒素を添加して作る。酸化チタン原料を脂肪酸の一種と反応させ、有機溶媒に入れると、大気中から水分を取り込み、厚さ1ナノ(ナノは十億分の一)メートルの酸化チタンが層状に積み重なる。これにアンモニアを入れてセ氏450度で加熱すると、窒素添加酸化チタンができる。
 窒素を加えれば可視光で反応することは知られていたが、セ氏六百度以上の高温処理が必要で、結晶構造が変わることが課題だった。
 可視光を当てて色素を分解する速度を調べたところ、6時間後の分解率が従来の10%以下から新素材では約55%に向上。速度も約7倍になった。新素材は室内の蛍光灯で反応するため、手術室や内壁材などの抗菌素材に使えるという。

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「 Konarka Selected for Solar PV Roof Integration」
http://www.renewableenergyaccess.com/rea/news/story?id=17046
                 (2004年10月15日付, Renewable Energy Access.com)

Lowell, Massachusetts [RenewableEnergyAccess.com] The California Energy Commission (CEC) is earmarking funds from its Energy Innovations Small Grant Program for the Massachusetts-based solar photovoltaic (PV) company Konarka. The grant will be used to accelerate Konarka's effort to bring aesthetically integrated plastic PV to the roofing market. Over the next 12 months, Konarka will apply this grant to examining the potential for coating patterned power plastic roofing materials that mimic the appearance of traditional roofing products. Aesthetics and cost have been key hurdles in increasing market penetration for renewable photovoltaic power in the residential roofing market, but Konarka's materials will look like a conventional roof. They will include embedded renewable energy generation functionality, rather than require consumers to purchase and install separate aftermarket solar panels as is typically done now. Konarka believes these roofing materials will cost less, blend with the aesthetics of the building and help consumers avoid violating their roofs' warranties when going green.
"Konarka is trying to change the way solar technologies are perceived both in terms of their image and application," said Daniel McGahn, executive vice president and chief marketing officer, Konarka. "It's always been easy to spot a solar house - the big, bulky, rigid glass panels are so conspicuous. With this grant, what we're trying to do is provide the same functionality, but with the appearance of everyday roofing material. It will be lightweight, flexible and seamlessly incorporated with colors, patterns or images. You might not be able to see the solar component, but you'll reap the benefits."
The Energy Innovations Small Grant Program is part of the CEC's Public Interest Energy Research (PIER) Program, which awards up to $62 million annually to support energy research, development and demonstration projects that will help improve the quality of life in California by bringing environmentally safe, affordable and reliable energy services and products to the marketplace.
The Small Grant program enables small businesses, non-profits, individuals and academic institutions to conduct research that establishes the feasibility of new, innovative energy concepts. Konarka's project qualifies for the grant under the renewable energy technologies program area of PIER, addresses a California energy problem and provide a potential benefit to California electric ratepayers, such as reducing the cost of producing electricity, saving energy and improving the environment.

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「 カネカ・武田正利社長に聞く、基盤固め終え成長ステージに」
                 (2004年10月12日付, 化学工業日報2頁)

 カネカの経営ステージがいよいよ成長段階に入ってきた。今年度からスタートさせた新経営計画では、売上高5千億円、経常利益450億円と規模および収益性の両面で大幅な強化を目指しており、重点分野での投資も大胆に積極化していく方針を掲げている。この九月には、長年慣れ親しんだ“鐘淵化学工業”から“カネカ”に社名も変更。名実ともに生まれ変わりつつある新生カネカの目指す方向などを武田正利社長に聞いた。

 − 中期計画がスタートし半年が経ちました。

 2001年には業績の落ち込みに見舞われ、人の問題も含めた縮小策などをギリギリまで考えた。ところが2003年の春ごろから需要に勢いが出て、電材関連を中心に多くの設備がフル稼働状態を迎え、設備投資の案件もどんどん出てきている。経営的にも、基盤固めを終え拡大期に移行する時期になってきた。
 これまで二十世紀の早い段階で売上高5千億円、経常利益500億円の達成を目指してきたが、今回は時期を含めて明確にした。5年後をめどに売上高6千億円、経常利益600億円、ROA(総資産経常利益率)10%以上を中期業績目標とし、その第一ステップの3カ年計画では売上高5千億円、経常利益450億円を目指していく。

 − 計画策定の手順は。

 会社がどこに行くのか、何を目指しているのか徹底的に論議した。これまでも化学の専門会社を標榜してきたが、それを本当の意味で共有化できていなかったという反省もあり、方向性、組織、強み弱みを含め、各事業部がどうしたいと考えているのかを議論し、一方で私は私で考えた。

 − どんな方向を目指しますか。

 当社の根本は多角経営にある。生まれながらにそういう環境であり、発酵技術を生かしての医薬、電線から始まったエレクトロニクスなど、ここにきて戦前からの技術が花開いてきたものも少なくない。一方で企業にとっては、ある規模を確保することも重要だ。多角的な事業群を安定収益事業と成長事業に分け、前者の上に後者が乗っかるかたちの複合的な事業体とし、規模と成長性の両立を図っていきたい。

 − 安定した収益事業とは。

 食品、発泡ポリスチレン(PS)、塩ビなどだ。ただ、発泡樹脂でのノンフロン断熱材、塩ビでのペーストなど差別化できるものは徹底して実行する。設備の大型化による効率化など必要な投資も行う。食品も全国的な販社体制の強みがあり、商品・技術開発に力を入れる。繊維もモダアクリルの持つ人毛および獣毛に最もよく似た感触と難燃性の特徴を生かし、中収益型の事業として展開を続けていく。

 − それでは成長分野はどうですか。

 環境、健康、情報分野が中心となる。環境分野では、苦戦が続いた太陽電池がオーダーを受け切れないほどとなってきた。技術的にも事業拡大のめどを得ており、近いうちに増設も判断しようと思っている。
 また健康食品のコエンザイムQ10素材も、高砂での増設に続き米国でも製造販売に乗り出すことを決めている。医薬中間体も世界的に展開する。また情報分野ではフィルム分野を極めていく方針で、すでに決めている滋賀工場での超耐熱ポリイミドフィルムの増強後、さらに米国で量を増やすことも検討している。

 − 機能性樹脂については。

 これも重点分野であり、既存品ではMBS樹脂が他社の撤退が相次ぐなか塩ビの耐衝撃性の改良にとどまらず非塩ビ用途への展開ができそうだ。液状樹脂も海外で新たな生産進出を構想している。加えて新規樹脂の投入も急ぎ、3年のうちには製品化につなげる。P&G社と共同開発の生分解性樹脂も期待できる。

 − 投資額も増えていくことになりますね。

 3年で1千億円の計画だ。更新や安全衛生、環境対応など売り上げに直接寄与しないものも増えるが、見返りがあると確信すればとことん投資する。地域的には米国や中国での投資が増える。

 昨年度の連結売り上げ4千億円を3年で5千億円に伸ばすとなると、海外での売り上げを伸ばしていかざるを得ない。世界的に展開する企業とならなければ計画達成はできないわけで、当面のキーワードはグローバルとなる。同時に新規事業の創出に向けて研究開発もこれまで以上に活発にする必要がある。

 その一環として、このほどR&D組織の変革も実行した。3−5年後の当社の姿としてはR&Dが全体を引っ張っていくものとなっている。その成果をもとに成長分野に軸足を置いた企業となっているはずだ。

− 財務、ガバナンスについては。

 財務面はすでに比較的良好だと思う。投資需要も増えるが問題はないはずだ。さらに無借金の状況を実現したい。5年以内に純有利子負債をゼロにすることを目指す。ガバナンスについては権限を大きく与えた事業部制のなかで、トップと各事業部長との距離を縮め、情報のスピード向上と透明性を確保できるようになっている。ただ、今のままでいいか、勉強もしていきたい。(聞き手=渡辺義真)

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「 有機エレクトロニクス材料研究会、講演会を開催」
                 (2004年10月12日付, 化学工業日報8頁)

 ◇有機エレクトロニクス材料研究会が講演会 有機エレクトロニクス材料研究会は10月29日午後1時から東京の機械振興会館(東京都港区)で電子情報通信学会有機エレクトロニクス専門委員会と共催で第143回目となる講演会を開催する。今回のテーマは「分子薄膜デバイス・一般」。参加費は無料。会員以外は要旨集代1千円。参加希望者は10月22日までに登録が必要。HP(
http://www.kt.rim.or.jp/~joem/)、もしくはFAX(0268−21−5413)で申し込む。プログラムは以下の通り。

 「遠紫外PESA法による有機EL材料の電子状態測定」(中島嘉之理研計器研究部)
 「PTCDA配向膜による有機半導体薄膜の配向制御」(櫻井岳暁筑波大学助手)
 「メタル(dmit)2に基づく高導電性ラングミュア・ブロジェット膜−超伝導の可能性(2,)」

  (三浦康彦桐蔭横浜大学助教授)
 「フラーレンがPVCz高分子薄膜の電気導電性に及ぼす影響」(田中翠子鳥取大学)
 「長距離伝搬表面プラズモンの励起と応用」(山形定子茨城工業高等専門学校)
 「異常分散による色素薄膜の屈折率制御」(若松孝茨城工業高専専門学校)
 「共蒸着法によるpin型有機薄膜太陽電池」(當摩哲也産業技術総合研究所学振特別研究員)
 「電荷移動錯体を用いた有機電極」(斉藤和裕産業技術総合研究所)

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「 太陽光発電、2030年シェア10%へ、NEDOが戦略目標」
                 (2004年10月7日付, 化学工業日報9頁)

 ニューヨークの原油先物価格が過去最高値を更新するなかで、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進を目指す新太陽光発電戦略が注目されている。これは、2030年までにわが国の家庭用電力の半分、全電力使用量の10%を太陽光で賄おうというもの。世界最大の太陽電池の生産、導入国として、発電効率の一層の向上と多様な電池の開発、新たな系統連携システムの構築、水素エネルギーや広域エネルギーネットワークと組み合わせた総合利用システムの開発などを進め、2030年には汎用電力並みの1キロワット当たり7円の発電コストを目指すというもの。原油高騰は、環境調和型エネルギーにとってフォローとなるだけに、具体化が期待されている。
 太陽光発電の主体となっているシリコン系電池では、世界のトップスリーをシャープ、三洋電機、京セラが占めるなど、開発から生産までわが国が世界をリードしている。また、わが国の導入規模は世界の半分弱、630メガワットに達し、わが国が突出している。
 発電コストは、1キロワット当たり45円と着実に低下している。市場の拡大にともなって、今後量産効果が期待できるが、一般電力並みのコストを達成するには、まだクリアしなければならない課題が山積している。
 NEDOは、太陽電池の最大のコスト対策となる電池セルの光電変換効率を高めるロードマップを設定した。それによると、多結晶シリコンで2010年までに20%、2030年25%、薄膜シリコンで同15%を20%、新型のCIS系で19%を25%、
色素増感タイプで10%を18%にそれぞれ引き上げる計画。
 また、モジュールの効率が低いと電池セルを高効率化しても総合効率が低下してしまう。このため、電池を搭載するモジュールの高性能化と製造コストの引き下げを目指すことにしている。2010年で1ワット当たり100円、2030年には同50円を目標に据えている。
 モジュールの耐久性を2020年までに30年に伸ばす。シリコン原単位についても2030年までに1ワット当たり1グラムとする計画。これら以外にもインバーターや蓄電装置などを含めた総合的なモジュール効率の向上を図る。
 一方、大規模な太陽光発電の運用には、無制限に系統に流し込む現在の系統連携方式がいずれ限界に達することが必至。このため、蓄電機能を付加した自立度向上システム技術を確立する。また、多機能化されたインバーターを利用したアクティブネットワーク制御技術の開発、他のエネルギーシステムと連携した広域エネルギーネットワーク、水素と組み合わせた新規大規模エネルギーシステムなどの構築を図る計画。
 これらとともに、高純度原料シリコンの低コスト、安定供給技術、モジュール量産技術、性能評価技術、発電量予測、リサイクル技術などの基盤技術を整備していくことにしている。

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「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)」について
http://www.nedo.go.jp/informations/other/161005_1/161005_1.html
                 (2004年10月5日付, NEDOプレスリリース)

 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO技術開発機構」という。)は、太陽光発電の持続的な発展と普及拡大に向けた今後の技術開発の方向性を示すため、有識者より構成される「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)検討委員会」(委員長:黒川浩助 東京農工大学大学院教授)を設置し、平成15年11月より、2030年までの長期的な視点に立って解決すべき技術課題を整理し、各分野での今後の技術開発の方向や道筋を検討して参りましたが、検討委員会でのとりまとめを終了し、その後新エネルギー技術開発部に設置される「太陽光発電技術委員会」(委員長:小長井誠 東京工業大学大学院教授)での審議を経て、「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)」―「制約のない太陽光発電の利用拡大」を目指して―としてとりまとめました。太陽光発電にご興味ある方に当該ロードマップをご活用いただくため、報告書の概要を公開いたします。

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「 カーボンナノチューブ使い新技術開発へ」
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/2004/10/06/02.html
                 (2004年10月6日付, 山陰中央新報)

 島根県と先端技術の先進地・米テキサス州との技術交流を協議してきた実行委員会が五日、計画案を同県の澄田信義知事に提出した。共同研究で、電子機器の放熱対策に効果のある高熱伝導材料や
有機色素太陽電池の開発が有望としている。
 島根県は、澄田知事が一月に渡米した際に同州と技術交流で包括合意。県が取り組む新産業創出事業を推進するため、交流を提案した浜田市出身の佐々木正・元シャープ副社長を委員長に実行委員会を設けて、具体的な計画を検討してきた。
 技術交流は、産業振興と雇用創出が見込める▽材料技術▽生産技術▽電子・情報通信▽太陽エネルギー▽水処理など環境技術−の五分野と設定。県が商品化を目指す高熱伝導材料や
有機色素太陽電池の開発が、共同研究で加速するとした。
 また、テキサス側の技術導入による県内企業の競争力強化や現地企業の県内への誘致、島根大学をはじめとする高等教育機関とテキサス州内の大学との連携促進と、幅広い成果を見込んでいる。
 実行委が、計画案の実現に向けてテキサスへの窓口開設や経済団体の交流支援策を要望したのに対し、澄田知事は「最大限の努力を傾注したい」と、前向きに取り組む姿勢を示した。
 一方、テキサス州側の実行委は月内にペリー州知事に交流計画を提出する予定。今後は双方で技術交流の内容を調整して、来年早々にも交流計画に本調印する運び。

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「 京セラ、シャープなど次々に海外新工場 太陽電池増産で」
http://www.asahi.com/business/update/1005/109.html
                 (2004年10月5日付, asahi.com)

 シャープが04年4月に稼働させた英レクサムの太陽電池工場。日本の工場で生産した素子を組み立てて完成品にし、急拡大中の欧州市場に出荷する
 世界の太陽電池の約半分を生産する日本勢が、工場の海外進出や国内工場の能力増強に相次いで踏み切っている。市場拡大を牽引(けんいん)してきた日本だけでなく、欧米でも需要が急拡大しているためだ。市場拡大に伴い、電機大手などの新規参入も予想され、先行している各社は技術流出の防止やコスト削減に余念がない。
 太陽電池生産量で世界3位の京セラは1日、メキシコで新工場の稼働を始めた。昨年の中国工場新設に続くもので、来年4月にはチェコでも新工場を稼働させ、日中米欧の4極生産体制を敷く。最大手のシャープも昨年は米国に、今春は英国に工場を設けたばかりだ。
 国内でも増強が続く。三洋電機は来年1月、群馬県に工場を新設。三菱電機も来春までに長野県と京都府にある工場の設備を増強する。
 こうした設備投資拡大の背景には欧米を中心とした「太陽電池」への追い風がある。
 欧州連合(EU)はすでに01年、地球温暖化対策として、太陽光や風力など自然エネルギーによる発電の割合を引き上げるよう、域内諸国に指令を出している。とくに、原子力発電の段階的廃止方針を打ち出しているドイツでは、代替エネルギーとして太陽電池が奨励され、需要拡大が加速している。米国でも00〜01年に電力危機が発生し、電力会社に頼らずにすむ太陽電池に注目が集まる。
 このため、太陽電池の世界生産量は99年から毎年3〜4割ずつ急拡大。03年に生産された発電能力は、中型の原子力発電所の1基分にあたる約74万キロワットに上った。04年には100万キロワットに達するとシャープは予測している。
 一方、日本勢4社の国内外の工場新設・増強の結果、生産能力は、4社の合計で来夏に年間84.3万キロワットに。1年余で60%もの大幅増となる予定だ。
 シャープと京セラが欧米で工場建設を急ぐのは、消費地の近くで生産することによって、輸送コストを削減したり、注文から納入までの期間を短縮したりするのが狙いだ。完成品を組み立てて海外に運ぶのは「空気を運ぶようなもの」(京セラの担当者)だからだ。日本でつくった太陽電池素子(シリコンの薄板 。
 厚さ0.3ミリ前後、十数センチ角が一般的)を輸出して欧米で組み立てれば、輸送コストは約5分の1で済むという。
 それでも海外工場ですべての工程を行うわけではない。シリコンで素子をつくる工程の温度や時間などのノウハウは、太陽光をどれだけ多く電気に変換できるかという基本性能を左右する企業秘密だからだ。 日本勢の海外工場は、素子を何枚も並べて製品(モジュール)を組み立てる後半の工程だけ。大手はさらに国内の素子工場をブラックボックス化し、生産工程を公開していない。

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