TDKが色素増感型太陽電池を開発、
低価格な太陽電池実現を目指す
(2000.5.24)
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TDK(ホームページ)は、2000年5月24日〜26日まで千葉県市川市で開催している「TDK
TechnoForum2000」で、色素増感型太陽電池を展示した。同社は、アモーファスSi太陽電池などの「次」をねらう太陽電池と位置づけている。
展示では、蛍光灯の光を照射して、発電した電力でプロペラを回すデモを見せた。太陽電池の変換効率は4%。ただし色素増感型太陽電池の開発で先行するスイスのローザンヌ工科大学のグループでは10%の変換効率を得られているという。
特徴は、安価に製造できることだ。アモーファスSi太陽電池の製造に必要な真空プロセスは不要で、さらに結晶系太陽電池のほど原材料費がかからないからため。さらに同社が保有するテープの塗布技術や、CD-Rなどの色素技術、セラミック材料技術を生かせるメリットもあるという。
今回試作した太陽電池は写真のように小型のものだが、将来は家庭の屋根に載せて使用する電力用を目指す考えだ。
構造は以下の通り。まずITO膜を付けたガラス基板上にTiO2ペーストを塗布し、その後焼成して多孔質のTiO2膜を作成する。この膜の表面に色素を吸着させる。さらにPt層とITO電極を設けたガラス基板を用意し、先ほどのTiO2膜を設けたガラス基板を張り合わせる。なおガラス基板の間には、電解液を封入する。こうして太陽電池セルを構成する。ガラス基板の厚さは1mm、セルの厚さは30μmである。
この太陽電池に光が入ってくると、色素が光エネルギによって励起され、電子が飛び出す。この電子はTiO2膜の伝導帯に注入され、陰極へ達する。この電子は負荷を通って陽極に達し、電解液の酸化還元対に吸収される。電子を失った色素は、電解液から電子を受け取ることによって元に戻る。こうして起電力を得ることになる。(山下)
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